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マウントゴックスの売り圧懸念でビットコイン急落、思惑先行の指摘も

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マクロ経済と金融市場

24日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比260ドル(0.6%)高の39,411ドル、ナスダック指数は192ポイント(1.0%)安の17,496ポイントと明暗を分けた。

景気敏感株に買いが入った一方、相場をけん引してきたエヌビディアが前日比6.6%安と続落して調整入りを示唆。ブルームバーグは、3営業日でエヌビディアの時価総額68兆円分が消失したと報じた。

一方、東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前日比196.7円(0.5%)高で39,000円台を回復した。

米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、ビットコイン急落の影響でコインベースが前日比5.9%安、マイクロストラテジーが7.5%安と大幅安となっている。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比2.4%安の1BTC=61,388ドルに。

BTC/USD日足

6万ドルの心理的節目を割り込み、一時58,141ドルまで急落した。

先物市場では3億ドル(450億円)規模のロングポジションがロスカット(強制清算)されたが、過去の大規模ロスカットと比較すると限定的であり、OI(未決済建玉)も高水準を維持していることから、下落余地を残しているとの見方もできる。

とはいえ、足元では反発しやすい水準にある。

アナリストのAli氏は、「相場の過熱感を示す日次RSI(相対力指数)が売られ過ぎ水準に達した。買い場になり得る」と指摘した。

同水準には過去2年間で計3回到達したが、いずれも60%、63%、198%と大幅反発している。

関連:ビットコイン続落で2週連続陰線、市場から警戒される3つの下落要因は?

相場急落の背景は

24日夜にかけて相場が急落した要因については、マウントゴックス(Mt.Gox)の動向が挙げられる。

2014年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックスの破産管財人が、7月上旬に債権者への弁済を行うと発表した。

紆余曲折を経て実に10年越しの弁済となるが、マウントゴックスは141,687 BTCを保有しており、最大85億ドル(1.35兆円)相当のビットコインが弁済に充てられるため、思惑売りが先行したと言えそうだ。

詳細:マウントゴックス、7月初旬からビットコインとビットコインキャッシュの弁済開始を発表

しかし、ギャラクシー・デジタルのSamson Mow氏は、「ドイツ政府やマウントゴックス(Mt.Gox)による市場での大規模売りはないだろう」との見解を示し、足元の相場の急落は、行き過ぎた投資家心理が引き起こしていると強調した。

かつてハッキング被害を受けたマウントゴックスのユーザーの多くは古参ビットコイナーにあたり、過去数年で参入した新規ユーザーと比較すると運用資産も潤沢な傾向にあることから、暗号資産(仮想通貨)の大半を直ちには現金化せず、保有継続を選択するとの見方も根強い。実際にマウントゴックスの債権者らは、ドル建ての法定通貨ではなく暗号資産による弁済方法を望み、それが実現した。

また、破綻当時(2014年2月)のビットコイン価格は約320ドルだったが、現在の市場価格は約6万ドルにまで膨張しており、多額の税金問題も考慮すると利益確定タイミングも加味する必要はあるだろう。

ギャラクシー・デジタルの調査責任者であるAlex Thorn氏によれば、マウントゴックスの債務回収率はわずか15%だが、ビットコイン高騰の影響で、債権者にとっては米ドル換算で140倍の利益を生み出している。

関連:暗号資産(仮想通貨)にかかる税金と確定申告の基礎知識を税理士が解説|Aerial Partners寄稿

同氏の考察では、早期弁済制度を選択した割合や請求基金およびトレーディングプラットフォームBitcoinica BKへの割り当て分を考慮すると、個人債権者から市場に流通するのは推定65,000BTCに留まる見込みだ。現在のビットコインの市場規模および日次出来高からすると影響は限定的であろう。

一方、Mt.Gox破綻後の2017年8月にビットコインがハードフォークする形で分岐したビットコインキャッシュ(BCH)の付与については、流動性の低さなどから市場が売り圧力を吸収しきれず、価格変動リスクは大きいとの見立てを示した。

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