ビットコイン買い増しへ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を戦略的に購入し続けている国内上場企業のメタプラネットは28日、新株予約権を発行して最大で約95億円の資金を調達する計画を発表した。
調達資金の大半はビットコインの買い増しに割り当てる予定であると説明。今後についても、可能な限り日本円を調達し、資金をビットコインに置き換えることで資産価値を保全するという役割を担いながら、保有量を増やしていく予定だとしている。
新株予約権とは、発行した株式会社(今回はメタプラネット)に対して権利を行使することで、その会社の株式の交付を受けることができる権利のこと。メタプラネットはこれまでも、ビットコインを購入するために新株予約権などの手法を活用している。
関連:メタプラネット、ビットコイン買い増しへ17.5億円の社債発行 株主優待制度新設も
今回の資金調達について同社は、「ビットコインファースト・ビットコインオンリー」のアプローチを明確に優先していると改めて説明。戦略的な財務選択肢として長期負債と定期的な株式発行を活用して、ビットコインを継続的に増やすことを目指していくとしている。
そして、米大統領選をきっかけにビットコインは最高値を更新し続けたが、日本円は価値を失い続けており、将来の展望は不透明なままだと指摘。ビットコインの保有量を増やす重要性は高まっていて、できるだけ早く資金を調達しビットコインを購入していくことが必要であると考え、今回の資金調達を決めたと説明した。
具体的には、調達する資金の内、約91億円をビットコインの購入に使う予定だとし、支出予定時期は24年12月から25年6月だと述べている。そして、残りの金額は運転資金に使う予定だとした。
なお、今回の資金調達は、投資ファンド「EVO FUND」に新株予約権を割り当て、EVO FUNDが権利を行使することでメタプラネットの資本が増加する仕組みになっている。
関連:「日本企業のビットコイン保有を促進へ」SBI VCトレードとメタプラネットの提携を独自取材
株主に利益を提供
資金調達の発表に合わせ、メタプラネットの代表取締役社長のサイモン・ゲロヴィッチ氏はXでコメント。今回の調達は、米マイクロストラテジーが広めた手法に類似しているとし、長期的なビットコインの蓄積に注力しながら戦略的に資金調達することを可能にすると説明した。
関連:「ビットコインを売らない」米マイクロストラテジーのセイラー会長が再度強調
そして、調達した資金はビットコインの買い増しに使用され、アジア初の「ビットコイントレジャリーカンパニー」としての地位をさらに強化すると述べている。
また、今回の取引は、1株あたりのビットコイン保有量を直接的に増加させると説明。この方法で資金調達をすることで、発行株式数の増加を上回るペースでビットコインの保有量を増やすことができ、株主にとって明確な利益を提供していくとした。
メタプラネットは、最大95億円(6,200万ドル)の資金調達を見込む行使価額修正条項付新株予約権の発行を発表いたしました。この資金調達手法は、MicroStrategy社が広めた「At-the-Market」構造に似ており、長期的なビットコインの蓄積に注力しながら戦略的に資金を調達することを可能にします。調達し… https://t.co/UcvlNznauo
— Simon Gerovich (@gerovich) November 28, 2024
関連:メタプラネット、ビットコイン追加購入 BTC保有総額160億円規模に、株価15%上昇
今年4月にビットコイン保有戦略を発表したメタプラネットは本記事執筆時点で1,142.287 BTCを保有。同社の株価は年初来で約1,200%上昇している。
関連:なぜ企業がビットコインを保有し始めているのか?マイクロストラテジーとメタプラネットの事業戦略は
関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び
関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
-
2024/11/26
-
2024/11/16
-
2024/11/30