はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

藤巻議員、ビットコインなどの仮想通貨ETFと税制面について金融庁と国税庁に質問|財政金融委員会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

藤巻議員、仮想通貨ETFと税制面について質問
藤巻議員は財政金融委員会で、金融庁や国税庁に対して「暗号資産ETF」に関して質問。ETFが実現した場合の税金面に加え、機関投資家が入りやすくなり、価格が安定するメリットを主張した。

藤巻議員、仮想通貨ETFと税制面について質問

ETFとは、Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種で、市場の値動きと連動する。金融市場に上場されることで株式のように売買できる特徴がある。

20日には、シカゴ・オプション取引所(Cboe)関連であり、最も注目度の高い「Vaneck Solidx ビットコインETF」の可否判断において、SEC(米国証券取引委員会)から2回目の延期判断が下され(次回判断は8/19、最終判断は10/18予定)、ビットコインを中心とする仮想通貨市場の注目を集めたことは記憶に新しい。

藤巻議員は、暗号資産(仮想通貨)ETF導入のメリットとして、以下の3点をあげている。

  • マーケットの厚みが増す
  • ハッキングの被害を最小限にできる
  • 税金の面からも望ましい

マーケットの厚みに関しては、機関投資家の参入などによる市場全体の流動性向上、取引量が増える(リクイディティが高まる)などを指しているものと思われる。

また、ビットコインの現物価格や先物価格に連動するように設計されるものであれば、ビットコインなどの現物を保有するのはファンド側となるため、取引所に預けた仮想通貨のハッキング被害や秘密鍵のパスワードの紛失リスクを大幅に抑えることができるというメリットもある。

税金面については、ETFの場合は雑所得ではなく、20%の分離課税が適用されるものとの見解を示している。

国内では、過去にFX(外国為替証拠金取引)が、証券取引法から金融商品取引法に発展した経緯もあり、将来的には株やFXなどと同じ税率20%の「申告分離課税」の適用について、議論・検討される余地はある。

質疑応答の内容

①暗号資産取引での損失を「年金」とは損益通算できるのに、「給与所得」と通算できないのは、高齢者優遇税制ではないのか? 税制の公平性の観点から問題があるのではないか。
麻生大臣

税負担の公平性の観点で、慎重な対応が必要なのは当然だ。

指摘のあった年金との関係について、雑所得の金額は公的年金の所得とそれ以外の雑所得を合算して計算するので、暗号資産とそれ以外の損失との計算は、年金から差し引かれることになる。

このような仕組みが年金と給与に対するバランスが悪いという指摘なのであれば、暗号資産取引の損失と給与の損益通算を認めるということか。これは年金所得の所得区分の在り方をどうするか?という課題でもある。

納税者の影響を見極めるにあたり、長い間定着しているものなので、慎重に対応にすべきものだ。

②「暗号資産ETF」に関して、米国は他の国に遅れをとってはいけないとの意見もあるが、金融庁はどう考えるか?
三井局長

米国ではSEC(米証券取引委員会)で複数の申請があることは承知しているが、海外当局の判断に関する論評は差し控える。

日本での法制を検討する場での有識者との議論では、暗号資産はビットコインなどパブリック型ブロックチェーンで、株式などと異なり、キャッシュフローフェアバリューなど裏付け資産は必ずしも觀念されていない。極端な言い方すれば、フェアバリューはゼロであり、需給のみで価格が大きく変動するとの指摘もある。

法案検討の背景では、過度な投機対象となっているとの相談が増加していた状況もあった。慎重に、かつ様々な側面から判断する必要がある。

藤巻議員

需給のみで価格が大きく変動するという指摘があったが、ETFを組成すれば、ボラティリティが下がり価格も安定しやすくなるメリットがある。ETFだと信託銀行に信託されている堅牢なカストディアンもある。市場も大きくなり機関投資家も入りやすくなる。

③財産価値を認めるかどうかについて、信託法や投信法施行に「暗号資産」を明記することによって、ETFは可能になるのでは?
金融庁

法律上の論点では、投資信託法だと「主として、特定資産として運用することを目的とする信託」と定義されている。投資を容易にすることを必要な資産が特定資産だ。

暗号資産は、フェアバリューが観念し難いなどの問題があり、「一般大衆に向けて、投資を容易にすることが望ましい資産」かどうかが判断基準になるが、広く理解を得ることは難しいのではないか。現時点では、特定資産に指定することは考えていない。

④ETFが出来たら、20%の分離課税と理解して良いか? 外形で判断すべきであり、組成された中身は関係ないと認識している。
国税庁

現行法令上、譲渡による所得については、上場株式などと同様、申告分離課税の対象に該当する。

暗号資産ETFの場合は、金融庁の答弁の通り「投資信託の特定資産に追加することは考えていない」ということで、国税当局からの回答は差し控えたい。

⑤訴訟になった時の法的根拠が問題になると思うが、国税は十分説明が出来るのか。学説的に「3つの選択肢」があるのであれば、技術刷新に役立つ国益の観点から、日本政府が立法手段として、譲渡所得に区分すれば良いのではないか?

麻生大臣

暗号資産の税務上の取り扱いでは、所得区分は所得の性質に応じて、特定の政策目的として判断されるべきものではない。

暗号資産の売却益を株式と同様の20%の分離課税の対象とするという意見があるが、株の場合は、所得税の再分配機能を一定程度毀損してでも、現預金比率の高い日本の国柄を踏まえ、「貯蓄から資産」という政策的要請を前提としたものだ。

暗号資産を株や債券と同列に論じるのは、現時点では難しい。

CoinPostの関連記事

藤巻議員が「仮想通貨ETFは税金面からも望ましい」と言及、財政金融委員会で質問予定
「仮想通貨税制を変える会」代表の藤巻健史議員は、JPモルガン時代の同僚から「暗号資産のETF導入に力を貸して欲しい」と要請を受けたことを明かした。仮想通貨税制にも利点があるとしている。
藤巻議員、麻生大臣や国税当局と「仮想通貨税制」について議論|参議院財政金委員会
藤巻健史議員は、参議院財政金委員会で麻生大臣や国税当局に対し、現行の仮想通貨税制は「矛盾があり非合理的だ」として問題提起。租税法や国益の観点から、雑所得ではなく譲渡所得や分離課税が妥当だと主張した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:50
仮想通貨「最後の1000倍成長チャンス」はプライバシー分野、ゼロ知識証明技術が実用化された今が転換点
ソラナHeliusのMert Mumtaz CEOは、仮想通貨ではプライバシー領域が最後に残った課題であり、市場が未開拓であるため、「最後の1000倍」であり、大きなチャンスが期待できると主張した。
13:30
新規レイヤー1「モナド」、11月24日にメインネット稼働へ
モナド財団が11月24日にメインネットをローンチすると発表。毎秒1万件のトランザクション処理とEVM互換を実現する次世代レイヤー1ブロックチェーン。総額2億4000万ドルを調達し、約23万人へのエアドロップも実施。
13:20
仮想通貨が他のリスク資産に遅れを取っている理由は? 最新市場分析
大手マーケットメイカーのウィンターミュートが仮想通貨市場の最新レポートを公開した。ビットコインなどのパフォーマンスが株式など他のリスク資産より低迷している理由を分析している。
13:00
ソラナ・カンパニーが最大153億円の自社株買いを承認、仮想通貨財務企業の戦略転換が加速
ソラナ保有企業のソラナ・カンパニーが最大1億ドルの自社株買いプログラムを承認した。仮想通貨財務企業による株価対策が広がっている。
11:46
仮想通貨反発でビットコイン10万ドル台回復、トランプ大統領の「米国をビットコイン大国に」宣言再び
ビットコインが102,900ドルに反発も週初来7%安の下落基調。イーサリアムは7.6%高で市場をアウトパフォーム。トランプ大統領が「米国をビットコイン超大国に」と改めて宣言。政府閉鎖長期化で仮想通貨規制の進展に懸念も。
11:10
ウィズダムツリー、チェーンリンクと提携 ファンドデータをオンチェーン化に
ウィズダムツリーがチェーンリンクと提携し、トークン化プライベートクレジットファンドCRDTのNAVデータをブロックチェーン上に記録。機関投資家のDeFi参入を促す新たな取り組み。
10:50
ビットコイン財務企業FUTURE、下落相場も約53億円を資金調達
スイスの仮想通貨ビットコイン財務企業FUTUREは、約53億円の資金調達を完了したことを発表。出資者や支援者に著名な企業や人物が名を連ねており、今後の事業展開に注目が集まる。
10:05
仮想通貨企業戦略に暗雲、イーサリアム急落でトム・リーのビットマイン社が2600億円の含み損に
イーサリアムが3400ドルを下回り、トム・リー氏率いるビットマイン社は17億ドルの含み損を計上。企業による仮想通貨保有戦略の見直しが進んでいる。
09:45
ロビンフッド決算報告 仮想通貨取引収益が4倍に成長
投資アプリ「ロビンフッド」の2025年7~9月期決算を報告した。ビットコインなどの仮想通貨取引収益が前年比4倍増を記録し、予測市場も拡大中だ。
08:45
キリフダ、企業の売掛債権に1万円から投資できるトークン化債権サービス開始へ
キリフダは企業の売掛債権に1口1万円から投資できるトークン化債権マーケットプレイス「おカネのこづち」を年内公開する。企業の資金繰り支援と個人投資家の社会貢献ニーズを結びつけるプラットフォームだ。
07:55
フランクリン・テンプルトン、香港初のトークン化MMF運用開始
金融大手フランクリン・テンプルトンは香港でトークン化された米ドル建てマネーマーケットファンドを開始した。ルクセンブルグ登録で短期米国債を裏付けとし、香港金融管理局のフィンテック2030計画下での初の取り組みとなる。
07:15
S&P指数をオンチェーン化、ディナリとチェーンリンクの提携で
ディナリ社はチェーンリンクと提携し、S&Pデジタルマーケッツ50指数をオンチェーンで検証可能にする。米国株35社と主要仮想通貨15銘柄で構成される初のトークン化ベンチマークが第4四半期にローンチ予定だ。
06:50
「米政府はCZ氏の恩赦を精査済み」ホワイトハウス報道官が妥当性強調
米報道官は、トランプ大統領による仮想通貨取引所バイナンス共同創設者CZ氏への恩赦ついて会見で質問に応じた。徹底的に精査した上で判断を行なっていると妥当性を強調している。
06:21
ビットコイン価格の年末予想を12万ドルに大幅下方修正=ギャラクシーデジタル
ギャラクシー・デジタルは2025年末のビットコイン価格目標を本来の18万5000ドルから12万ドルに大幅に引き下げた。成熟期に入り機関投資家フローが支配的になるため、上昇ペースが鈍化すると予測し直した。
05:55
リップル、マスターカードと提携 RLUSDで法定通貨決済効率化へ
リップルはマスターカード、ウェブバンク、ジェミニと提携し、ステーブルコインRLUSDを活用したカード決済の改善を模索。規制対象の米国銀行によるパブリックブロックチェーン上での決済事例となる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧