はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国で仮想通貨保有者宛に税金の催促状 ビットコインなどの売買益で不安再燃か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

IRSが仮想通貨保有者宛に税金支払いを促す催促状を送付
IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)はCoinbaseでの仮想通貨保有者宛に、6174-Aと呼ばれる納税に関する催促状を送付していたことが明らかになった。

IRSが仮想通貨保有者宛に税金支払いを促す催促状を送付

IRS(Internal Revenue Service、アメリカ合衆国内国歳入庁)はCoinbaseでの仮想通貨保有者宛に、6174-Aと呼ばれる納税に関する催促状を送付していたことが明らかになった

6174-Aとは、仮想通貨を保有する納税者宛に税金の支払いを促す催促状である。6174-Aの文面は、受取人に対し厳しい対応を行う旨が記載された内容が送付。受取人が税申告の修正を行わない限り、将来的に法的措置を施行する可能性について述べられていた。米投資家などからは厳しい「脅しの文言」が明記されたとして話題になっている。

以下が、仮想通貨保有者宛に送付された6174-Aの文面である。

出典:Forbes

もっとも、今回の6174-Aについては、脱税容疑を疑われている人のみならず、2017年にCoinbaseがIRSに公開した個人情報データに含まれていた納税義務者全員宛に送付されている可能性が高いという。

2017年、米連邦裁判所はCoinbaseに、同社経由で仮想通貨を保有する14,355人(当時)の個人情報の開示を依頼していた。2017年当時、Coinbase経由では既に約900万回の仮想通貨取引が生じていたという。今回の6174-A送付対象者は、このデータが元になっていると予測されている。

なお、納税済の仮想通貨保有者にも今回6174-Aが送付されていたことが明らかになっている。

フォーブス誌寄稿者でブロックチェーン・仮想通貨専門家のTyson Cross氏によると、「IRSとしても、6174-Aの送付者全員に脱税容疑があるとは想定していないだろう」と見解を述べた上で、「納税済であるにもかかわらず、6174-Aが送付されたからといって、決してパニックにはならないように。」「納税済の場合は、再度納税する必要はないが、もし不安が残る場合は弁護士に相談するように。」と注意勧告を行っている。

日本でも仮想通貨に係る課税は大きな問題に

仮想通貨の課税または税制に関わる問題は、日本も大きな問題を抱えている。

仮想通貨の人気が拡大した2017年より仮想通貨で得た所得の確定申告が大きく注目された。日本の会社員(1社から給与所得を受ける方)などは1年に20万円以上の利益が出た場合に確定申告が必要となるため、多くの仮想通貨投資家が申告対象者に入ったためである。

仮想通貨の売買益は雑所得として総合課税の対象となる、給与所得との合算金額で税率が決まる。また、利益が多額になれば、累進課税によって所得税の税率は最大45%までアップし、住民税10%と合計して最大55%となるほか、仮想通貨の売買益が膨らむことで、給与所得に対する税率まで上がるといった懸念が生じている。

この問題は、当時決済利用として注目された仮想通貨決済の妨げになっているとの指摘があるほか、損益繰越ができない点も含めた市場へのニューマネー流入の重しになっているとの指摘もある。

問題は、海外取引所を含めた取引や確定申告の計算を自身で行わないといけないことでの、申告の複雑化であり、日本でも今回の事例のように税金の督促状が送付されることとなれば、厳しい立場に置かれる投資家も出てくることが予想される。

日本の仮想通貨税制改正では、改正を掲げる藤巻元参議院議員が落選したことで、国会における改正提言が停滞するとの見方も出ているが、JVCEAを始め業界団体が要望書を提出したこともあり、希望も見られる状況にある。12月には自民党税制調査会における税制改正大綱が発表されるタイミングを控えており、仮想通貨の税制改正が盛り込まれる可能性があるとすれば、このタイミングに注目が集まるだろう。

CoinPostの関連記事

「日本の仮想通貨税率は他国よりも突出して高い」海外メディアが米、独、豪などと比較して苦言
海外メディアMickeyが、世界各国の仮想通貨税制特集で日本の問題点を指摘した。株と同様の扱うアメリカ、長期保有で譲渡所得税が免除されるドイツ、長期保有で50%減税するオーストラリアなどと比較している。
金融庁認定業界団体、仮想通貨の申告分離課税・少額非課税などを求める要望書を提出
国内仮想通貨取引所が苦境に立たされ、新興産業で海外に後れを取る懸念が強まる中、JVCEAは19日、今国会で成立した金商法改正法をもとに、金融庁に対して「税制改正要望書」を提出した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
05:40
米SEC委員長が仮想通貨向け「イノベーション免除」導入へ、資金調達環境の改善を重視
米SECのアトキンス委員長が仮想通貨セクター向けの「イノベーション免除」導入を表明した。新たな法律を待たずにイノベーションを促進する方針で、2005年以降改革されていない開示規制の包括的見直しも発表した。
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
18:00
イーサリアムの買い方|初心者向け取引所比較とリスク・税金まで解説
米国初のビットコインETF承認の影響でBTC価格が過去最高値を更新し、仮想通貨投資による資産運用の注目度が急上昇しています。本記事では初心者向けに高騰するイーサリアム(ETH)の買い方、アルトコイン投資のメリットやデメリット、リスクなどを解説しています。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
12:00
金価格に合わせて動く仮想通貨とは?市場の広がりとこれから
金(ゴールド)トークン市場が急成長。パクソス(PAXG)・テザーゴールド(XAUt)の時価総額・取引量、金価格の見通し、国内発行の金連動型仮想通貨ジパングコイン(ZPG)を解説。デジタルゴールド投資の最新動向。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧