
現金での返金をようやく実施
破綻した仮想通貨取引所FTXは18日より、顧客資産の返還プログラム(現金での返却)を本格的に開始した。最初の返金対象となる5万ドル以下の小口顧客(コンビニエンスクラス)への分配が1〜3営業日以内に実施される見通しだ。
FTXリカバリー信託の管理者を務めるジョン・J・レイ3世は「本日から初期分配を開始し、次回の分配スケジュールも確定できたことを嬉しく思う」と述べた。また「複雑なプロセスにおける顧客や債権者の忍耐と協力に感謝する」とし、「さらなる資産回収と追加の債権者クラスへの返還を継続する」と表明した。
返金はカストディ業者のBitGoと仮想通貨取引所Krakenを通じて実施される。次回の分配は2025年5月30日から開始される予定だ。5万ドル超の債権や、第1弾で支払いを受けられなかった承認済みの5万ドル以下の債権が対象となる。
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FTXの元CEOサム・バンクマンフリード被告は2023年11月、電信詐欺2件を含む7つの刑事罰で有罪判決を受け、約25年の禁固刑が言い渡された。姉妹企業のAlamedaも連鎖的に破綻し、同社CEOのキャロライン・エリソン被告もFTX破綻への関与により2年の実刑判決を受けている。
今回の返金開始は、仮想通貨業界における顧客保護と信頼回復に向けた重要な一歩となる。管財人チームは引き続き資産回収に努め、より多くの被害者救済を目指す方針だ。
業界関係者からは、今回の返金プログラムが仮想通貨取引所の破綻処理における先例となり、将来的な投資家保護の枠組み作りにも影響を与えるとの見方が出ている。
▼ コンビニエンスクラス(用語解説)
FTXの破綻処理において、債権額が5万ドル以下の小口債権者を指す分類。管財人は返金手続きを効率化するため、この層を優先的な返金対象として設定。
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