
アンロックと売圧議論
FTXの破産オークションで販売された約1,120万枚の仮想通貨ソラナ(SOL)が3月1日にアンロックされる見通しだ。現在の市場価格で換算すると約20.6億ドル(3200億円)相当となり、市場への影響が注目されている。

FTXは破産処理の一環として、これまでに計3回のオークションを通じて総額4,100万枚のSOLを売却している。主要な購入者であるGalaxy社は64ドルで2,552万枚を落札し、現時点で187%の収益率を記録。Pantera Capitalを含むグループは95ドルで1,367万枚を、Figure社を含むグループは102ドルで180万枚をそれぞれ取得している。
仮想通貨アナリストのartchick.eth氏は先日、2月の通常アンロックに続き、3月には25億ドル相当の低価格で購入されたSOLが市場に放出される可能性を指摘。一部のインフルエンサーが1,000ドルという強気な価格目標を掲げる中、この大規模なアンロックが市場に与える影響について警鐘を鳴らしている。

これに対し、ソラナ投資家として知られるgum氏は、4月までのアンロック総量はSOL全供給量の2.7%に過ぎないと反論。さらに、アンロックされたトークンが即座に売却される可能性は低く、今後実現可能性のあるソラナのETFへの予想資金流入額が30億から60億ドルに達する可能性があり、これが売り圧力を相殺する可能性があると指摘している。
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Galaxy社のマネージングディレクターであるKelly Greer氏も、今回のアンロックは総供給量の2.31%に相当するのみで、SOLの24時間取引高が36億ドルに達していることから、市場は十分に売り圧力を吸収できるとの見方を示している。
市場関係者からは、マクロ経済環境が上昇トレンドにない場合、SOLは価格の上昇局面でも下落局面でもアンダーパフォームする可能性があるとの懸念も出ている。特に、ステーブルコインの発行量などでイーサリアム(ETH)を上回る指標を示しているものの、短期的な価格変動リスクは依然として存在すると指摘されている。
一方で、1,000ドルという価格目標については、少なくとも5年以上の長期的な時間軸でなければ非現実的であるとの見方で一致している。