はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム次期アップデート「フサカ」、コード改良機能を見送りへ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コミュニティの強い反対

今年後半に実施が計画されている大型アップグレード「フサカ(Fusaka)」で、導入についてコミュニティで議論が続いていたEVM(イーサリアム仮想マシン)の改善提案「EOF」を除外することが、正式に決定された。

EOFは本日、Fusakaネットワークアップグレードから削除された。私はこの決定の根拠について Meta EIPへのPRで明確に説明した。

フサカ(Fusaka)はFuluとOsakaのネットワークアップグレードを融合したもので、5月7日に実装予定の「ペクトラ(Pectra)」に続くアップグレード。ヴィタリック・ブテリン氏は、ペクトラの完了後、すぐにもブロブパラメータを適用したフサカのテストネットの立ち上げを提案している。

EOFとは「イーサリアム・オブジェクト・フォーマット(Ethereum Object Format)」の略で、イーサリアムのスマートコントラクトのコード構造を標準化・最適化するための提案だ。スマートコントラクト実行の中核を担うEVMに、複数の変更を加えることで、その将来性を高めることを目的とした一連のイーサリアム改善提案(EIP)を指す。

イーサリアムのコア開発者Tim Beiko氏は、EIP-7607に関するアップデートでフサカからEOFを除外した主な理由として、フサカのスケジュールリスクを挙げた。これまでのコミュニティの活発な議論から、イーサリアムの最重要課題がPeerDASの早期リリースであることは明白であり、EOFの仕様議論が続くと、フサカの開発ネットワーク立ち上げに遅れが生じる可能性があると指摘した。

PeerDASとは

イーサリアムにおいて、データが正しく利用できるかを調べる「データ可用性サンプリング(DAS)」メカニズムの一種。レイヤー2含め、ネットワーク全体のデータの一貫性と可用性を向上させることが期待されている。

また、EOFの採用は何度も合意に至ったものの、その度に多くの著名なコミュニティメンバーから反対の声が上がり、疑念が解消されないままEIPの採用に至るというプロセス上の問題があったと述べた。

Beiko氏は、今後の流れとして、フサカの次に計画されているアップグレード「Glamsterdam」で、EOF導入について改めて議論をすることが妥当だと主張。今回のプロセスとしての失敗を教訓として、アップグレード計画の透明性と効率性を高める必要があると述べた。

関連:イーサリアムの性能が最大100倍高まる可能性、ヴィタリックが新たに提案

イーサリアム財団の組織改革

イーサリアム財団(EF)は28日、理事会と経営陣からのメッセージを公開し、 EFのビジョンと新しいリーダーシップの価値観や役割について、説明した。

EFの開発環境に関しては、元開発者から意思決定が迅速でないなど不満の声も上がっており、財団は組織改革に取り組んできた。

宮口あや理事長とヴィタリック・ブテリン氏は、メッセージでイーサリアムは単なる技術ではなく、プロジェクト、コミュニティ、インフラからなる生き生きとしたエコシステムであり、世界中で安定性、自由、協力を促進する”無限の庭”であるというビジョンを示した。

そしてEFは、そのエコシステムの支配者ではなく、管理人として、分散化エコシステムを強化する役割を果たす。 コミュニティ主導の取り組みを支援・拡大し、EFに継続的に依存することなく、独立したチームが成功できる環境づくりを支援する。

一方、新たな経営陣として、共同エグゼクティブ・ディレクターとなったHsiao-Wei Wang氏とTomasz Stanczak氏は、EFの価値観として、検閲耐性、オープンソースの革新、プライバシー保護とセキュリティの確保を重視する姿勢を表明。その価値観に基づいて、団結して技術的卓越性を追求し、イーサリアムの長期的な成功を支えると強調した。

今後12ヶ月の重点目標としては以下を挙げている。

  • メインネットとL2のスケーリング
  • UXの向上とアプリケーション層の開発の改善
  • 開発者やアプリケーション、ユーザーのサポート改善のため、運営管理や標準、エコシステムとの調整を強化

ブテリン氏の役割

EFは、共同エグゼクティブ・ディレクター体制のもと、透明性、実行力、エコシステム全体の成功に重点を置いた組織改革を進めている。

Stanczak氏は20日のXへの投稿で、リーダーシップ体制変更後は、イーサリアムの共同設立者であるブテリン氏が「日々の調整業務や危機対応から解放され、研究と探究に専念できるように努めている」と述べた。

同氏は、ブテリン氏の提案や発言は、イーサリアムコミュニティ全体の方向性や、 EFの価値観に沿った進展を促す役割があると指摘。また、同氏が示す新しいアイディアや方向性が、イーサリアムの技術的進展を促進していると述べ、イーサリアムエコシステムにとってブテリン氏の重要性を強調した。

関連:イーサリアム財団、組織改革で共同エグゼクティブ・ディレクター制を導入

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
14:00
ステーブルコインとは|市場規模・取引量・主要銘柄と規制の行方
ステーブルコインとは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨。本記事では仕組み・種類(USDT/USDC/JPYC等)・市場規模・リスク・将来性・国内での買い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧