
幹部が資金流入パターンの変化を解説
ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロバート・ミチニック氏は4月30日、ドバイで開催されたToken2049のパネルディスカッションで「ビットコインETFへの資金流入が大規模に戻ってきている」と述べ、注目を集めた。同氏によれば、ETF立ち上げ当初は1億ドル以上の資産を持つ富裕層を含む個人投資家が主な資金源だったが、四半期ごとに個人投資家の保有率は低下し、機関投資家やウェルスアドバイザリー顧客の割合が増加している傾向にあるという。The Blockなどの海外メディアが報じた。
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏がビットコイン(BTC)が「弱い手から強い手(ETF保有者やマイケル・セイラー氏)に移行している」との見解を示したのに対し、ミチニック氏は「良い理論だが、それだけではない」と話し、「ビットコインが米国テクノロジー株のレバレッジベータ版として機能するという考えは根本的に意味をなさないが、この説が繰り返されることで自己実現的になる可能性はあるだろう」と論じた。
ミチニック氏は、レバレッジベータを求める投資家はビットコインを必要としないが、安全資産や特定国の金融リスクに縛られないヘッジとして機能するなら、ポートフォリオに組み入れる価値があると主張した。実際、ビットコインがレバレッジベータとして使われているという主張が生じた日があったが、「ETF発売以来ほとんど見られなかったほどの資金流入が戻ってきた」と述べ、機関投資家の本格参入を示唆した。
また、アルトコインETFの可能性についての質問に対し、ミチニック氏は「アルトコインは異なる投資対象だ」と明言した。ビットコイン(BTC)がポートフォリオのヘッジや分散化手段となる可能性がある一方、それは他の銘柄には当てはまらないと主張。「それはポートフォリオの中で非常に異なる位置づけになる。現時点では圧倒的にビットコインへの関心が高い」と締めくくった。
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