
10か国「政府よりBTC」
コーネル大学の学生団体『Cornell Bitcoin Club』は3日、グローバルな調査シリーズの第7回として、「Trust & Risk: How Bitcoin Stacks Up(信頼とリスク:ビットコインの相対評価)」を公表した。
25か国中10か国で「政府よりビットコインを信頼している」層が上回る結果が示された一方、0〜10のスケールで測ったビットコインの信頼度は世界平均4.67と中立域にとどまっている。
ビットコインを依然としてハイリスクとする見方が優勢だが、株式や社債とは“同等リスク”とみる回答も4割前後に達しており、評価が揺らいでいる構図が浮かぶ。

政府とビットコインの信頼度比較(25か国)。赤=BTC、黒=政府。赤が黒を上回る国は10か国。 出典:Cornel Bitcoin Club
「政府よりビットコインを信頼する」と回答した比率が政府信頼を上回った国は、ブラジル、インドネシア、ケニア、レバノン、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカ、トルコ、ウクライナ、ベネズエラの10か国である。
一方、日本はビットコイン・政府いずれの信頼度も低位にとどまり、政府不信の受け皿としてBTCが選好されるという構図は本調査からは確認できない。
リスク認識:株・社債と「同等」の声
資産横断の相対比較では、ビットコインは金・不動産・米ドルなどの主要通貨に対して「よりハイリスク」との回答が最多となった。他方で、株式・社債は「同等リスク」視が目立つ(公式解説では株=約45%、社債=約43%”)が“Equal(同等)”と回答している。高リスク認識が普及の壁であることは変わらないが、市場性の高いリスク資産との比較では評価が割れており、認識の揺らぎがうかがえる。

「ビットコインは取引の不正リスクを下げるか」「プライバシーを担保するか」「サービス事業者は信頼できるか」といった設問では、賛否より“中立(どちらとも言えない)”が最多となった。明確な拒否よりも、理解不足や不確実性が判断を鈍らせていると読める。
本シリーズはCornell Brooks Tech Policy Institute(BTPI)の支援の下、Cornell Bitcoin Clubが実施している。25か国で2万5,000件超のアンケート(各国平均約1,000件)を収集し、さらに250件超のインタビューを併用して定性的な洞察も補っている。
BTPIはコーネル大学の公共政策大学院に設置されたテクノロジー政策の研究機関で、政策実務に資する知見を提供する。レポートにはHuman Rights Foundationなどの関与も示され、学術・政策・人権の三領域が関与する。