伝統的金融との統合加速へ
米証券取引委員会(SEC)の取引・市場部門(Division of Trading and Markets)は2月20日、ブローカー・ディーラーに対するペイメント・ステーブルコインの自己資本規制上の取り扱いを明確化した新FAQを公表した。
新FAQは、ブローカー・ディーラーが純資本(ネットキャピタル)の計算において、ペイメント・ステーブルコインの自己勘定保有分に対して、2%の「ヘアカット」を適用することを認める内容だ。
ヘアカットとは、資産を担保や資本計算に用いる際に適用するリスク割引率を指し、値が大きいほどその資産が資本として算入される割合は低下する。従来、明示的な基準がなかったため、多くの業者が慎重を期して100%のヘアカット(事実上、資産価値をゼロとみなす扱い)を採用しており、これがオンチェーン決済を採算の取れない構造にしていた。
新ガイダンスの下では、100ドル相当のステーブルコインがネットキャピタルの98ドル分として算入されることになる。この変更の背景には、2025年に成立したジーニアス法がある。
同法はペイメント・ステーブルコイン発行体に対し、米国債や現金などの高品質流動資産による1対1の裏付け保有、定期的な監査済み準備金報告、即時の額面償還権などを義務付け、連邦レベルの監督体制を構築した。今回のSECガイダンスは、こうした基準を満たす適格ステーブルコインを、類似資産を保有するマネー・マーケット・ファンドと同等に扱う判断を示したものだ。
市場への影響は広範にわたるとみられる。USDCやUSD1などの適格ステーブルコインを保有するブローカー・ディーラーは、従来拘束されていた資本を解放でき、トークン化証券の決済やオンチェーン取引プラットフォームへの参入コストが大幅に低下する。ステーブルコインをマネー・マーケット・ファンドと同列に位置付けたことで、機関投資家による受け入れが加速し、流動性と決済効率の向上が見込まれる。
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SECコミッショナーのヘスター・パース氏は同日、「Cutting by Two Would Do(2で割れば十分)」と題した声明を発表し、100%ヘアカットは「裏付け資産の実態を踏まえれば不必要に厳しい措置だった」と述べた。
SECによるステーブルコインのヘアカット引き下げは、米国の仮想通貨規制が「排除」から「統合」へと軸足を移す流れを象徴する動きの1つだ。ジーニアス法の施行状況、市場構造法案の審議進展、そして主要ブローカー・ディーラーの実際の資本運用への反映がどの程度進むかが、今後の注視点となる。
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