はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

国際決済銀行が新たな仮想通貨の研究論文を公開|ビットコインの根幹技術を疑問視

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BISが新たな仮想通貨研究論文を公開
国際決済銀行(BIS)が、「仮想通貨における終末的経済学”プルーフ・オブ・ワーク “を超えて」と題した新しい研究論文を発表、ビットコインを支えるPoWシステムを批判した。

BISが新たな仮想通貨研究論文を公開

「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる国際決済銀行(BIS)が、「仮想通貨における終末的経済学”プルーフ・オブ・ワーク “を超えて」(”Beyond the doomsday economics of “proof-of-work” in cryptocurrencies”)と題した新しい研究論文を発表した。

この論文の骨子は、ビットコインの決済完了方法であるPoW(作業証明)システムが持つ欠陥に言及し、その解決法として、PoWシステムに代わる、決済完了を行うシステム を提議している。Lightning Network等の新しい技術の導入も有用ではあるものの十分ではなく、そこには、何らかの調整メカニズムが必要であり、中央機関による制度化をその例として示唆している。

論文では、現行のPoWシステムでは、将来ビットコインのブロック報酬がゼロになった場合、新たに採掘されるビットコインの数が限られるため、取引手数料だけではマイニング費用を維持することができなくなり、ビットコインネットワークの承認速度が極端に遅くなり、事実上使用不可能になるといった、重大な影響があると主張している。

この論文の著者、BIS金融経済局主席経済学者のRaphael Auer氏は次のように説明している。

単純に計算してみても、ひとたびブロック報酬がゼロになると、支払い確定の速度を上げるために新たな技術が導入されない限り、ビットコインによる支払いが確定するまでに数ヶ月かかることがあるだろう。

Lightning Networkのようなセカンドレイヤー技術は役立つかもしれないが、唯一の基本的な解決策は、PoWから脱却することだと思う。そして、そのためには、おそらく何らかの社会的調整、または制度化を必要とするであろう。

デジタル時代においても”優良な通貨”は、完全に技術的なものとはならず、社会的構成概念でもあり続けるだろう。。。代替技術は、組織化された機関の支援なしでも機能することを、さらに証明する必要がある。

Auer氏は、仮想通貨を支えている技術が既存の金融および金融インフラを、どのように補完し改善することができるかが、さらなる研究の課題だと述べている。

ビットコインがこの10年間、さまざまな攻撃があったにもかかわらず生き残ってきた事実について言及し、その創始者ナカモト氏と支援者の功績は技術だけにとどまらず、社会的に大きな意味のあるものだと認めている。しかし同時に、既にこの技術に関わっている人々が意識すべきことは、これまで歴史の中で、中央銀行が、いかに人々の信頼を築き上げてきたかであろうと主張した文章であるといえる。

第1次世界大戦後の1930年、ドイツの賠償処理を円滑に行うことを目的に設立された経緯を持つBISだが、世界恐慌やドイツの賠償金支払い拒否等を受け、賠償金取り扱い機関として機能を果たせなくなり、代わりに中央銀行間の協力を促進する役目を担うようになった。

第2次大戦後は、世界各国の中央銀行が出資する法人として、中央銀行間の国際金融政策を調整する「中央銀行の中の中央銀行」となっている。

今回の論文には仮想通貨業界からの批判相次ぐ

まず、題名から仮想通貨に対し「Doomsday = この世の終わり」という表現を使い、中央銀行の存在意義を強調しているとも受け止められかねないAuer氏の論文に対し、海外仮想通貨メディアを中心に、中央銀行家のビットコインに対する恐怖心の現れだと厳しく批判が相次いだ。

BISはこれまでにも仮想通貨に対する多くの研究論文を発表してきているが、その多くは、仮想通貨の欠陥を指摘するものとなっている。また、今回のPoW批判に関しても、アルゴリズムの仕組みに理解が足りない点の指摘や、ビットコインの根幹を支え、価値そのものであるPoWを取り除く意見に難色を示す見方も多くある。

また、マイニングブロック報酬が0になってからのシステム無力化を指摘する内容もあるが、報酬には取引手数料も含まれているため、発行上限に達したことでブロック報酬報酬が0になっても、取引(トランザクション)データを次のブロックに含めるマイニングに対するインセンティブとして、取引手数料が継続して働たらくことになる。マイニング構造自体はインセンティブ設計が多少変わるため、予想することは困難であるが、市場供給量が頭打ちすることでの通貨価格に比例する取引手数料の状況も変わってくることは明白だ。

中央銀行が発行する通貨の背景にある『政府の信頼性』と非中央集権化で高い検閲体制を維持してきたビットコインの『ネットワークに参加による信頼性』、政府の経済破綻なども見られている昨今、このような議論は加速する可能性が大いにあるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

(URL)&from=in_article
(URL)&from=in_article
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/27 金曜日
10:10
ビットコイン財務企業の活動が急低下、ストラテジー社に一極集中=クリプトクアント
クリプトクアントが、ビットコイントレジャリー企業の活動が大幅に減少していると指摘した。ストラテジー社に購入件数や保有量が一極集中している状況が浮き彫りになった。
10:00
国内ドラッグストアにトークン化預金「DCJPY」を導入、決済や事務を効率化
ディーカレットDCPと日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)がDCJPYネットワークの活用に向けた基本協定を締結。銀行発行のトークン化預金DCJPYを店舗決済やサプライチェーンに導入し、事務効率化と決済手数料の削減を目指す。
09:47
ビットワイズCIO、サークル株急落は「過剰反応」と指摘
この記事のポイント クラリティ法案ショックの20%株価下落、過剰反応との見方も サークルの2030年企業価値は750億ドルと試算 2030年に750億ドルと試算 米仮想通貨資産…
09:00
ARKインベストとカルシが提携、機関投資家による予測市場活用の新潮流へ
キャシー・ウッド率いるARKインベストが予測市場プラットフォームのカルシと正式提携し、マクロ経済指標から科学的マイルストーンまで幅広い予測データを投資判断に活用すると発表した。
07:55
8割のストラテジーの優先株、個人投資家が保有 CEOが言及
ビットコイン保有大手ストラテジーが発行する優先株STRCに対し、小売投資家の保有比率が約80%に達している。CEOのPhong Le氏は、小売投資家が普通株MSTRよりも安定した利回りの「デジタル・クレジット」を好んでいると分析。
07:40
コインベース、仮想通貨担保の住宅ローンを発表
コインベースは、仮想通貨を担保にした住宅ローンの提供に向けてベターと協業していることを発表。ビットコインかUSDCを頭金に使うことができるようになると説明している。
07:10
ブラジル新法、押収ビットコインを治安資金に転用
ブラジルのルラ大統領が3月24日、組織犯罪対策の新法を署名。押収した仮想通貨ビットコインなどのデジタル資産を公共安全基金に充当できる枠組みが整備され、犯罪組織の財務基盤への打撃が本格化。
06:35
Stripe支援のTempoチェーンにテザー「USDT0」が拡張、クロスチェーン決済の標準化を加速
Stripe支援の決済特化型L1「Tempo」にテザーのUSDT0が拡張。LayerZeroのオムニチェーン技術により、商用決済のクロスチェーン化と標準化を強力に推進する。
06:20
JPモルガン分析——有事下でビットコインが金・銀を上回る相対的底堅さ
イラン戦争勃発後、金ETFから110億ドルが流出する一方でビットコインは純流入を維持。JPモルガンのアナリストが指摘する仮想通貨の地政学的耐性と、投資家が今後注視すべきポイントを解説する。
05:55
Trust WalletがAI取引機能を公開、2億超ユーザーがエージェント活用可能に
バイナンス傘下Trust WalletはAIエージェント向けの開発キット「TWAK」をリリースした。ビットコインやソラナを含む25以上のチェーンで人工知能による資産管理や直接のオンチェーン取引が可能となる。
05:30
大手ビットコインマイナーMARA、1.5万BTC売却で債務圧縮
米国のMARAホールディングスが仮想通貨ビットコイン1万5133枚を約11億ドルで売却し、約10億ドル分の転換社債を9%割引で買い戻した。純粋マイニングからAI・デジタルエネルギーへの転換を加速する戦略的な資本再配分の全容を解説する。
05:00
米退職金401kの仮想通貨投資、解禁へ前進 規則案が審査通過
米政府は24日、401k退職金口座へのビットコイン・仮想通貨投資を解禁する規則案の審査を完了した。約12兆5,000億ドル規模の退職金市場に新たな投資選択肢が加わる可能性があり、正式発表が数週間以内に見込まれる。
03/26 木曜日
17:29
マスク氏のXに新デザイン責任者が就任、AaveやBase出身者
Aave元CPO・Base元デザイン部門長のベンジャミン・テイラー氏がXに加入。イーロン・マスク氏らとデザイン領域で協業し、4月ローンチ予定のXマネーとの関連にも注目が集まる。
16:43
エヌビディア、仮想通貨収益の非開示疑惑めぐる集団訴訟が正式認定
米連邦裁判所が、エヌビディアと同社CEOによる仮想通貨マイニング収益の隠蔽疑惑をめぐる集団訴訟を正式認定。10億ドル超の過少申告が争点となり、裁判へ。
16:15
SBIホールディングスがデジタル証券株式会社に出資、持分法適用会社へ
SBIホールディングスがデジタル証券株式会社の発行済株式20%超を取得。SBI証券との販売連携と新アセットクラスのデジタル証券共同開発を進める。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧