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「暗号資産も重点項目に」金融庁が新時代の金融サービス報告書を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融行政の今後の方針
金融庁が「利用者を中心とした新時代の金融サービス」と題する、金融行政の今後の方針を発表した。ビットコイン(BTC)などの仮想通貨(暗号資産)に関しても、重点項目として位置づけられていることを伺わせる。

金融庁が報告書を発表

金融庁が、金融行政のこれまでの実践と今後の方針についてまとめた最新の報告書を発表した。

これから進展させていく方向として、まず以下の3項目を挙げている。

  1. 金融デジタライゼーション(デジタル化)戦略の推進
  2. 多様なニーズに応じた金融サービスの向上
  3. 金融仲介機能の十分な発揮と金融システムの安定の確保

また、「世界共通の課題の解決への貢献と国際的な当局間のネットワーク・協力の強化」を「+1」、「金融当局・金融行政運営の改革」を「+2」として追加し、進展の方向は合計5項目とした。

このうち1、2、+1の3項目について、仮想通貨への対応が挙げられており、仮想通貨を巡る環境の整備にもかなり重点が置かれていることを伺わせる。

では、どのような観点から仮想通貨への対処が考えられているのか順番に見ていこう。

仮想通貨へ言及が行われた箇所

まず、「1.金融デジタライゼーション戦略の推進」に関しては、「(1)データ戦略の推進」や新たな金融サービスの創出に向けて多様なプレーヤーの支援する「(2)イノベーションに向けたチャレンジの促進」などと並んで、「(5)グローバルな課題への対応」の項目で仮想通貨について言及している。

(5)グローバルな課題への対応

サイバーセキュリティへの対応やブロックチェーン等最新技術の動向把握など(分散型金融システムについてマルチステークホルダー型アプローチで議論するガバナンスフォーラム(仮称)の開催、暗号資産に関連した新たな構想の出現を踏まえた対応の検討等)

次に「2.多様なニーズに応じた金融サービスの向上」の項目では、「高齢者、障がい者、被災者等の多様な利用者にとっての(金融の)信頼・安心確保」などと並んで「暗号資産(仮想通貨)への対応」が明記されている。

(2)多様な金融サービス利用者のニーズへの対応と信頼感・安心感の確保

  • 暗号資産(仮想通貨)については、資金決済法等改正法の円滑な実施に向け、モニタリング体制の構築や自主規制機能の早期確立
  • 暗号資産を巡る新たな動きを踏まえたフォワードルッキングなモニタリングの実施及び海外当局等との連携を強化

「資金決済法等改正法」とは、2017年4月に施行された改正資金決済法をアップデートする形で、今年5月31日に可決・成立した「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」のことで、「仮想通貨」の名称をG20などの国際会議に準拠して「暗号資産」に改めたり、サイバーリスクに備えた「暗号資産」の流出リスク対策の義務化などが含まれていた。

さらに「+1.世界共通の課題の解決への貢献と国際的な当局間のネットワーク・協力の強化」の項目でも、主に各国間の金融規制の齟齬への対応や、金融技術革新を踏まえた新たな規制が必要になるという文脈から、仮想通貨が課題に上がっている。

日本は、今年開催されたG20福岡で、仮想通貨について「各国の関連当局の一覧や当局向けの監督手引書を取りまとめ」ることを提案したが、引き続き「関連した新たな構想の出現を踏まえた対応を検討」していくという。

中心となる課題は仮想通貨の規制のあり方か

今回の報告書を概観すると、「海外当局との連携強化」や「仮想通貨規制の在り方を構想」などの視点が多く、当面は各国と情報を交換して、ブロックチェーン技術の最新動向の把握、そして仮想通貨へ対する規制を模索していくことが示唆されている。

しかし、「多様な金融サービス利用者のニーズへの対応」の中にも仮想通貨が組み込まれていることから、仮想通貨をめぐる、投資家などサービス利用者のニーズに応じていくことについても念頭に置かれている可能性がありそうだ。

なお、仮想通貨取引を始める上では、他金融商品と比較した際の高い税率などが障壁の一つとなっているが、先日発表された金融庁の「平成31年度税制改正要望」には、仮想通貨への言及はなかった。今回の報告書でも、特に税制について触れた箇所はない。

「(仮想通貨と)関連した新たな構想の出現を踏まえた対応」の「新たな構想」がどんなものであるかは、まだ不透明であるが、少なくとも金融庁は今後取り組んでいく重要課題の1つとして、仮想通貨を捉えているようだ。

日本だけではなく、国際的にも各国は新たな技術である仮想通貨に関する調査や規制に取り組み始めたばかりであり、互いに規制のあり方についても参照していく可能性がある。

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