「BTCは世の中のルールに反する取引こそが利用価値」
金融メディア大手 ブルームバーグのマーケット部門編集者であるJoe Weisenthal氏が、「ビットコインは中央集権的な金融システムや規制当局など、世の中のルールに反する取引に用いられるものだ」と発言。これを巡り関係者間で白熱した議論が繰り広げられた。
同氏は、ブルームバーグのニュースレターに寄稿した文章をTwitter上で引用して紹介した。
In today's @Markets newsletter, I wrote about how the point of Bitcoin is do to the transactions that THE MAN doesn't want you to do (including illegal transactions). And the allowance of a Bitcoin ETFs would essentially be a big subsidy to this market https://t.co/e5TYtjIuOw pic.twitter.com/fkMbexuv8v
— Joe Weisenthal (@TheStalwart) 2019年10月17日
文章によると、ビットコインに投資を行う者としては二種類挙げられる。
一つは、投機家(Speculator)で将来の需要を見越して売却益のためにBTCを保持する。
もう一方は、取引者(Transactor)で何かのサービスを購入するためにBTCを入手する者だ。サービスとはこの場合、オンライン教育コースのような無害なものから、合法だが問題含みのウィキリークスへの寄付、また非合法なダークウェブなどまで含むとしている。
サービス購入のために法定通貨をビットコインに変えたい取引者と投機家は、BTCマーケットを支える上で互いに不可欠な存在になっているとWeisenthal氏は前提した上で、ビットコインは非効率で、コストの高いシステムだと述べた。
Weisenthal氏の見解としては、ビットコインは中央集権化された金融システムや規制当局に反するようなサービスこそが利用価値であり、一般的な利用に置き換わるものではないとの考えているという。
これには、ビットコインの投機家がマーケットに流動性を与えている中で、価値が担保されるマーケットにグレーな取引で利用されている現状も危惧した意見だとの見解も見られた。
その上でWeisenthal氏は、「もし仮想通貨への進入路を作りだす業界にいる者ならば、ある日規制当局が目を覚まし、”どうして人々が規制を回避するのを明白な目的としているところへ、流動性を提供しなければならないのか”と考え直した時のリスクを認識しておいた方がいい」と続けた。
複数の反対意見も
この極端とも捉えられる発言には、反対意見も挙がっている。
This is wildly inaccurate.
— Pomp 🌪 (@APompliano) 2019年10月17日
You're claiming that non-censorship is the only value prop of Bitcoin. What about the non-seizure element? What about the disinflationary monetary supply? Or the sound money element? Or pseudonymity?
Please stop writing nonsense & misinformation.
米大手デジタル資産運用会社モルガン・クリーク・デジタルの共同設立者Anthony Pompliano氏は、「検閲されないことだけが、唯一ビットコインで価値ある点とするのは、非常に不正確、ナンセンスで誤った情報を書くのは止めてもらいたい」と反論した。
また、仮想通貨取引所Gemini創立者のCameron Winklevossも「ゴールドの市場もWeisenthal氏が指摘するところの規制を避ける「取引者」の存在を可能にする。一方、(ゴールドもBTCも)取引を仲介するものであるよりは、価値の貯蔵手段であると誰もが知っている。なぜ無理のある議論を、今更ビットコインに当てはめようとするのか」という主旨の反論をTwitter上で行った。