はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

G7最終報告書 仮想通貨の決済利用・価値の保存機能を否定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

G7が最終報告書を発表

ステーブルコインの調査を担当するG7のワーキンググループは、仮想通貨が現時点では信頼性に欠けており、決済にも価値の保存手段としても利用できないという最終報告書を発表した。

仮想通貨は決済手段としてはボラティリティが高く、スケーラビリティの制限や、複雑なユーザーインターフェイス、規制などの課題があり、投資家向けの投機的な資産クラスでしかないと、その根拠を説明している。

一方、仮想通貨の中でもステーブルコインには、従来の送金システムに付随していたスピードやコストの問題を解決できる可能性はあると指摘。しかし、リスクも伴うと結論付けている。

ステーブルコインは国際的な分類が確立されておらず、法定通貨とペッグされるとはいえ、実際に安定していない可能性もある。それでも決済と価値の保存手段として「より使いやすくなる可能性はある」とした。

ステーブルコインの課題

だが、法律、規制、監視の体制が適切に設計されるまで、国際的なステーブルコインプロジェクトは運用開始すべきではないと報告書は続ける。一般的なステーブルコインの課題として主に以下の項目が挙げられている。

  • 法的根拠
  • 健全なガバナンス(コイン価値を安定させるための投資ルールなど)
  • マネーロンダリング、テロ資金、その他の不正資金対策
  • 決済システムの安全性、効率性、完全性
  • サイバーセキュリティ
  • データに関するプライバシー、保護、ポータビリティ
  • 消費者/投資家の保護
  • 税務コンプライアンス

さらに、米フェイスブックが主導する仮想通貨リブラなどグローバル規模のステーブルコインは、以上に加えて次のような項目にリスクをもたらす可能性があるという。

  • 金融政策
  • 金融の安定化
  • 国際通貨システム
  • 公正な競争

今回の報告書の発表を受け、リブラ協会もG7に対して書面で応答した。

「リブラは各国の規制当局とのパートナーシップの元、透明性を持って運用される」もので、「現行の規制体制の中で運用され、規制当局がデジタル分野に提供している保護を適用するものであり、それらを混乱させたり損なったりはしない」と、リブラ協会は主張している。

G7のレポートでは、送金手段や金融サービスの効率性を改善し、コストを下げるために世界各国の政府はロードマップを作り出す必要があるとも言及されている。また「中央銀行が独自のデジタル通貨を発行することがコストや利便性の面で適切かについても、各国の裁量で査定していくことになるだろう」と、政府が発行するデジタル通貨についても、さらに検討をしていく姿勢であることを伺わせた。

G20の結論

18日に閉幕したG20の財務省中央銀行総裁会議でも、リブラなど「グローバル・ステーブルコイン」には厳格な規制を設け、それがもたらし得る国際的なリスクに対応することができるまでは、発行を許可するべきではないとの方針で合意に至った。

参考資料:G7

CoinPostの注目記事

G20 リブラ規制で合意 規制なしの発行認めず
G20会議で、リブラなど「グローバルステーブルコイン」には国際経済にリスクをもたらし得るとした上で厳格な規制が不可欠だと合意。IMFにもその影響を調査するための支援を要請した。
FATF会長「リブラを含むステーブルコインには資金洗浄リスクがある」
G7でステーブルコインの規制が言及されるなど、各国政府はリブラなどに警戒心を示している。FATFの会長はステーブルコインがテロリスト資金調達やマネーロンダリングの温床になり得ると指摘。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/22 水曜日
09:45
アジア主要証券取引所が仮想通貨保有企業の上場に慎重姿勢、香港は5社以上に異議
香港証券取引所は仮想通貨保有を中核事業とする企業5社以上の上場計画に異議を唱えている。インドと豪州も同様の反対姿勢を示しており、日本を除くアジア太平洋地域で規制が強化されている。
08:45
コインベースがエコーを570億円で買収、オンチェーン資金調達強化へ
コインベースはオンチェーン資金調達プラットフォームのエコーを約3億7500万ドルで買収すると発表した。今年8件目の取引となり、仮想通貨企業の資金調達支援を拡大する方針だ。
08:10
15分間でビットコイン・イーサリアム価格変動を予測、ポリマーケットの新サービス
ポリマーケットはチェーンリンクのオラクルネットワークを活用した15分間の仮想通貨価格予測市場を立ち上げた。短期価格変動賭けを提供。
07:40
BTC大口保有者が現物をETFへ持ち替える事例が増加傾向に
仮想通貨ビットコインの大口保有者が、自身の現物をETFに持ち替える事例が増加していることがわかった。これは今年7月の米SECによるルール変更に伴う動きである。
07:05
シャープリンク、約1ヶ月ぶりの買い増しで1.9万ETH追加購入
イーサリアム特化型デジタル資産保有企業シャープリンク・ゲーミングが1.9万ETHを追加し、総保有量を85.9万ETHに拡大した。6月以降のステーキング報酬は2200万ドル超となっている。
06:35
イーロン・マスクのスペースX、3ヶ月ぶりのビットコイン移動で420億円相当を送金
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約420億円相当のビットコインを移動したことが観測された。7月24日以来初めての保有資産移動で、2022年6月以来の大きな残高変化となる。
06:20
イーサリアム財団、95億円以上のETHを内部ウォレットへ移動
イーサリアム財団が6.3億ドル相当のETHを別のウォレットに移動したとアーカムが報告した。財団幹部は予定されていたウォレット移行の一環だと説明。
06:00
金価格、2020年以来の下落幅 ビットコインへ資金移動か
金の現物価格が火曜日に5.3%以上下落し4125ドルとなった。ビットワイズは金市場からわずか3%から4%の資金移動でビットコインが2倍になる可能性があると分析。
05:30
米FRB、仮想通貨企業向けに簡易版マスターアカウント構想を発表
米FRBのクリストファー・ウォーラー理事が仮想通貨関連金融機関向けに簡易版マスターアカウントを発行する構想を発表した。FRB決済システムへの直接アクセスを可能にする新たな取り組みとなる。
10/21 火曜日
17:30
日銀副総裁、ステーブルコインが国際決済の中核担う可能性を指摘
日銀の氷見野副総裁は21日、ステーブルコインが国際決済システムの主要プレーヤーとして浮上する可能性があると指摘。世界の資産の半分がノンバンク保有で規制の枠組みが追いつかない現状に警鐘を鳴らした。
17:06
ヴィタリック、ゼロ知識証明を10倍高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、ZK証明を高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説した。従来のSTARKと比較して約10分の1のコストで検証が可能になるという。長期目標「Lean Ethereum」の実現に向けた重要技術として注目される。
15:35
SBI系ビットポイント、法人のイーサリアム活用支援を強化 
SBIグループのビットポイントジャパンは、株式会社Def consultingとの提携により、イーサリアムを活用した法人向けの資産運用支援を強化。最新の戦略で企業価値向上を目指す。
14:08
片山さつき氏、財務大臣に起用 暗号資産規制整備にも期待
片山さつき氏が新財務相に就任。1988年に財務省入省後、金融政策や暗号資産規制、税制改革に関与してきた実績が注目されている。
13:30
X、ユーザーネーム市場を開設し最高100万ドルで販売開始
Xがプレミアム会員向けにユーザーネーム市場を開設し、非アクティブなユーザーネームを最高100万ドルで販売すると報じられた。無料の「プライオリティ」と有料の「レア」の2種類を提供する。
13:17
株価大幅下落のソラナ・カンパニー、私募株ロックアップ解除を予定通り実施へ
パンテラ・キャピタルが支援するソラナ・カンパニーは、株価下落する中、私募株のロックアップ解除を予定通り実施すると発表。「絆創膏を一気に剥がす」アプローチで、市場の圧力に対処する方針を示した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧