はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン(BTC) 底割れ暴落、「量子超越」が取り沙汰される背景は?|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン(BTC)市況
再び暴落したビットコイン(BTC)と仮想通貨市場。Googleの発表した「量子超越」に関する論争の影響も取り沙汰される中、今回の下落要因とBTC先物出来高の推移を探る。

仮想通貨市況と量子超越ニュース

ビットコイン(BTC)が7500ドルまでに下落した要因について、Googleが英科学誌ネイチャーで成果を報告した「量子超越」ニュースが懸念材料にあると日経新聞などで報じられた

最先端のスーパーコンピューターの性能を凌駕する「量子コンピューター」の開発に伴い、保有するビットコイン(BTC)などの仮想通貨のパスワードにあたる「秘密鍵」を公開情報から解読できてしまう可能性があるというもので、仮想通貨の基幹技術が崩れる可能性があるとしている。

自社開発の量子チップを使用して実施された実験において、「スーパーコンピューターでも1万年掛かる計算をわずか200秒で完了した」との報道は、確かにインパクトがある。

しかし、遅かれ早かれ将来的に想定され得る”量子耐性”問題ついては、以前から仮想通貨有識者の間でも諸説あり、bitFlyer Blockchainの加納氏は「複雑な計算を短時間で解いたと報道するのは、記事のミスリーディングだ」と指摘。以下のように反論した。

歴史的転換点ともされる「量子超越性の実証」に関しては、IBMの量子研究チームに所属する5人も論文で「重大な欠陥がある」と反論。各国の専門家を巻き込んで論争に発展しており、「現時点では実用化にはほど遠く、机上の空論に過ぎない」との見方もある。

先述の通り、仮想通貨の量子耐性問題自体は、数年前から度々指摘されてきた問題であり、いわゆる”青天の霹靂”ではない。今年4月には、イーサリアムのコア開発者が、シドニーで開催されたイーサリアム開発者会議「EDCON」でイーサリアム2.0に関するスケジュールや、量子耐性について言及。「開発のフェーズ0は2019年末完了を目処に、量子耐性については3〜5年の間に実装予定」と言及した。

さらに今年9月には、暗号学者Peter Todd氏が「Googleの量子コンピューターですらまだまだ未完成であり、直ちにビットコインなど仮想通貨への影響はないだろう。今後どのようにスケールアップされるかはわからないが、少なくとも『量子ビット』を追加するには、”天文学的なコスト”がかかるため、現実的ではない。」と分析している。

このように、仮想通貨ビットコインのハッシュ関数「SHA256」などの暗号技術を破る(解読する)ことは理論上可能であっても、様々な観点から”現時点での実用性”は皆無に近いとの見解も根強い。少なくとも、今後数年間でただちに影響の出るような技術内容ではないものと考えられる。

したがって、量子超越のニュースが悪材料となり今回のビットコイン(BTC)急落の主因となったとは考えづらく、仮想通貨市場でも冷静な対応が求められる。

関連:米グーグル、量子コンピューターで「量子超越性」を実証 仮想通貨では懸念と希望?

ビットコイン(BTC)市況

24日正午のビットコイン(BTC)は、前日比6.83%安の80.7万円(7450ドル)と大幅下落。直近最安値を更新し、5ヶ月半ぶりの安値を記録した。(下図:bitFlyer)

22日時点では90万円台までの約5万円幅のリバウンドを見せていたが、4h雲上限で上値の重さを確認すると三尊形成(赤丸)で下落。23日午前までに20日以降の上昇分を帳消しすると、23日夜にかけて一時80万円を割り込む急落を見せた。

直近でこそアルト主導の一時的な上昇も散見されたが、基軸通貨のビットコイン(BTC)大幅下落には抗えずに全面安となる構図が鮮明となっている。(下図:BitMEX)

4hRSIでは、7月以降の下げトレンドにおいて、9日間で130万円から100万円まで下落した8/15、保ち合い底抜けで暴落した9/24に次ぐ3番目の水準まで低下するなど、短期的には売られすぎ水準にあるため、反発も見込める。

昨夏以降の価格帯別ボリュームを見ると、6500〜7000ドル付近では存分に出来高をこなしておらず、下値支持線として相応の厚みを持つ7500ドルのサポートを明確に割り込んだ場合、2018年に最重要ラインとして機能していた65〜70万円(6000〜6500ドル)前後までの下落も視野に入れる必要はある。その一方、急落後の不用意なショートポジションも、短期的には焼かれるリスクを警戒したい局面だ。

旧型マイナー売りも

ビットコイン(BTC)の下落要因として、中国事情に精通するDovey Wan氏が、過去の大ヒットマシン「Bitmain Antminer S9」マイナーの損益分岐点とパニック売りの可能性を指摘した。

ビットコインマイニングや半減期、仮想通貨の特有要因の裏側については、以下の記事で解説している。

関連:今後のBTC市場を読み解く、「採掘レート・半減期」仮想通貨特有要因に潜む裏事情

BakktのBTC先物出来高が過去最高に

そんな中、Bakktの現物決済ビットコイン先物の月間契約は、過去最高の出来高を記録している。計579 BTCが取引された。

この出来高のATH(過去最高)は、昨晩BTCが主導した相場急落に際して発生した取引と見られる。

出典:ICE FUTURES U.S.

これまでのBakktにおける過去最高出来高は10月9日の急反発時で計212 BTCを記録していたが、その後BTCの価格低迷に伴い、出来高も減少していた。

Bakktの出来高を追跡するツールでは、これまでの出来高推移をドル建てで可視化している。23日の出来高は、9日のおよそ3倍を記録しているが、BTC価格が下落しているため、ドル建てでは9日よりも少なくなっていることがわかる。

CoinPostの関連記事

リップル最重要カンファレンス『SWELL 2019』、注目ポイントと仮想通貨XRPへの影響
米リップル社主催の最重要カンファレンス「SWELL 2019」が迫るなか、仮想通貨相場に影響を与え得るポイントを特集した。前回、前々回のSWELL時のXRP価格推移も掲載。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。
05:35
米SEC、BTCやXRP投資のグレースケール仮想通貨投信のETF転換承認を再検討
米証券取引委員会がグレースケールの仮想通貨信託「Digital Large Cap Fund」のETF転換承認決定を再検討。NYSE Arca上場承認が一時停止状態に。
04:24
仮想通貨のサイバー攻撃にどう備える?|実例から学ぶ取引所の対策と自己防衛法
暗号資産のサイバー攻撃リスクと、取引所のセキュリティ対策、個人で実践できる防衛策を初心者向けにわかりやすく解説します。
07/02 水曜日
18:40
BITPOINT、カルダノ(ADA)保有者向けNIGHTエアドロップを検討開始 
ビットポイントジャパンがMidnight財団と国内初連携。カルダノ(ADA)保有者やステーキング参加者に「NIGHT」トークンのエアドロップ参加機会を提供。2025年7月開始予定の「Glacier Drop」メカニズムの詳細と参加条件を解説。
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧