CoinPostで今最も読まれています

米高官が連銀の高速決済システムを促す FB社のリブラ等に対抗

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米高官が連銀の高速決済システムを促

米国連邦取引委員会のコミッショナーRohit Chopra氏が、米連銀(FRB)への書簡で、仮想通貨リブラなど民間決済サービスの台頭を受けて、その競争相手となり得る「FedNow Service」への支持を表明し、導入を催促している。

「FedNow Service」は、米連銀が計画している、24時間年中無休の新たなリアルタイム決済サービスである。企業向けと一般向けの両方があり、消費者がより柔軟に資金を管理し、従来の銀行業務時間外で迅速な支払いをすることができるようになる見込みだ。

関連米パウエル連銀議長、リアルタイム高速決済システムの開発を本格検討

2023年あるいは2024年にローンチされる予定だが、そうなれば規模はCitiグループやJPモルガンが運営している金融サービスに匹敵すると見積もられている。

中央銀行の金融管理への脅威

Chopra氏は書簡でこのように語った。

ウォール街やシリコンバレーの巨大な民間企業が、重要なインフラをコントロールすることで、彼らの市場での勢力をてこ入れしようとしている中、この提案(「FedNow Service」)をすばやく実行に移すことが何より大事である。

「メガバンクの独占」や「フェイスブック社など民間の競争相手」など、中央銀行の金融管理を脅かすようなものに対して、素早く対応しなければいけないと勧告している。

連銀は、小切手決済、電信送金、自動決済機関(ACH)システムの監視を通じて決済管理を行っているが、その役割が民間部門によって脅かされるのではないかという政府側の懸念が、Chopra委員の手紙にも垣間見える。

Chopra氏の論点によると、メガバンクが電子決済システムを独占することは、イノベーションを抑制してしまうことだ。

そこで「FedNow Service」のような、公的部門の競争相手を設立することにより、小規模な銀行、信用組合などの金融機関も、将来の決済インフラに参入することを可能にするという。

リブラについても言及

また仮想通貨リブラについても名指ししてFedNowの必要性を強調している。

リブラによって発生するリスクにどのようなものがあるか精査して対処するには、時間がかなりかかる。だが、リブラの先行きには関係なく、このプロジェクトが出現したということ自体、リアルタイム決済システムへの高い需要と、連邦準備銀行による介入の緊急性を示すものだ。

リブラについては、各国政府からの反対意見は根強く、例えばコーネル大学のOmarova博士とスタンフォード大学ビジネススクールのSteele教授は「リブラ協会とその関連組織は個人経営の中央銀行として機能する」と、強い懸念を示した。

米議会の公聴会でも、プライバシーの問題や、各国の通貨主権にもたらす脅威について厳しい質問が投げかけられた。フェイスブック社側は、これらの懸念は杞憂だと反論しているものの、民間金融企業の勢力拡大を恐れて、政府機関がそれと対抗するシステムを構想する傾向は今後も続きそうだ。

参考:FTC書簡

CoinPostの注目記事

米国もデジタル通貨に本腰かー米連銀、仮想通貨研究の担当マネージャーを募集
米連邦準備制度理事会(FRB)は4日、デジタル通貨や仮想通貨ステーブルコイン、分散型台帳技術の研究を進められるマネージャーの募集を開始。中国に続き、米国も本腰か。
「中央銀行のデジタル通貨発行は避けられない」米フィラデルフィア連銀トップが言及
米フィラデルフィア連銀のトップPatrick Harker氏が、各国の中央銀行がデジタル通貨を発行することは不可避と考えていることを明かした。米国が先陣を切る必要はないが、着手を開始した方が良いと語っている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10:35
イエロー、リップル共同創設者らから14億円調達
リップル共同創設者クリス・ラーセン氏が主導し、イエローネットワークが14億円を資金調達。今回の資金を活用し、今後もDeFiの課題解決に取り組んでいく。
10:05
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、3週間ぶりの純流入
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が3週間ぶりの純流入を記録。イーサリアム現物ETFの状況も解説。
07:50
主要ステーブルコインUSDC、Suiブロックチェーンで提供開始 価格上昇
主要ステーブルコインのUSDCは仮想通貨Sui上で発行される予定だ。また、Sui財団はムービーパスと提携しUSDCを使用した映画購読プラットフォームの支払い機能をユーザーに提供する。
07:00
ビットコイン、売り圧だけでなく需要も低下か
仮想通貨ビットコインは売り圧だけでなく需要も低下している可能性があるとCryptoQuantが分析。取引所に入金するアドレスの数が2016年以来の水準まで減少しているという。
06:45
QRコード対応の仮想通貨ウォレット「Wallet Connect」、エアドロップを発表
仮想通貨ウォレットプログラムであるWallet Connect(ウォレットコネクト)は17日、独自の仮想通貨Connectトークン(WCT)のエアドロップを発表した。
06:20
トランプ氏の仮想通貨プロジェクト、WLFIトークン販売計画
ドナルド・トランプ前米大統領らが関わる仮想通貨プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」について、WLFIトークンの販売計画が明かされた。トークンの販売予定日はまだ明確ではない。
09/17 火曜日
17:47
エルサルバドル、2025年予算で対外債務ゼロへ ビットコイン戦略も奏功か
エルサルバドルが2025年予算で対外債務なしを発表した。仮想通貨ビットコインへの投資戦略が奏功か。
15:25
国際決済銀行、クロスボーダー決済強化へ向けたトークン化プロジェクト始動 
国際決済銀行が主導する「プロジェクト・アゴラ」に世界41の民間金融機関が参加することが発表された。トークン化によって、ホールセールのクロスボーダー決済をどのように強化できるかを検証する。
14:44
ブータン王国、5年間のマイニング事業運営でビットコイン1000億円超を保有か 
ブータン王国が政府主導のマイニングで1,060億円相当のビットコインを保有している可能性がある。豊富な水力資源を活用した取り組みを展開している。
14:31
仮想通貨NEIRO(ねいろ)価格急上昇 バイナンス上場で
バイナンスに上場したミームコインNEIROが前日比870%高騰。ドージコイン(DOGE )のモチーフかぼすちゃんの後輩柴犬「ねいろちゃん」をモチーフにしたNEIROの特徴と価格急騰の背景について解説します。
12:33
FOMC前のビットコインは軟調推移、イーサリアム財団と思しき売り圧力も
暗号資産(仮想通貨)相場では、利下げ局面で特に重要度の高いFOMCを控え、日経平均株価やビットコインは軟調に推移している。イーサリアム財団関連ウォレットから断続的なETH売却も観測されている。
10:45
ソニーの「ソニューム」でUSDCが利用可能に
仮想通貨イーサリアムのL2ソニュームでステーブルコインUSDCを利用可能にするために、サークル社とSony Block Solutions Labsが連携。イノベーションや創造性を促進する。
10:34
マイクロストラテジー、BTC追加購入を計画
仮想通貨ビットコインの追加購入などを行うため、マイクロストラテジーが資金調達を計画。700億円調達して一部の金額をビットコインの買い増しに使う予定だとした。
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア