ビットコイン(BTC)市況
仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比1.12%高の78.7万円に。
4日までに続落していたBTCは、7100ドル(77万円台)で短期のダブルボトムを形成してジワジワと値を戻すと、22時過ぎに買い仕掛けとロスカット連鎖で約6万円幅急騰した。
しかしその後、10月に揉み合ったサポート(→レジスタンス)ライン7700〜7800ドルで大きな上髭を残し、トレンドライン(青)を抜けられずに急落。全戻しとなった。 700ドル幅の往復で、最大1400ドル(約15万円)幅乱高下した計算になる。
世界最大手の仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXでは、直近最大付近の$680.58M付近まで積まれていた未決済建玉(OI)が急騰時に激減しており、ファンダメンタルズ要因では、現時点で特にめぼしい材料が見当たらないことから、直近の値動きから売り目線の多いなかで、ショートポジションを燃料とした規模の大きなショートカバー説が有力と見られる。
BitMEX XBT ETH 未決済建玉
— BTC情報アラート📊 (@btc_status) December 5, 2019
XBTUSD : $672.31M (+1.31% ↑)
XBTZ19 : $101.55M (-3.16% ↓)
XBTH20 : $206.78M (+0.02% ↑)
ETHUSD : $50.46M (+1.87% ↑)
TOTAL : $1.09B (+0.1% ↑) pic.twitter.com/1raBYXSa72
昨日の急騰時には、BitMEXで約800BTC(6.4億円規模)のロスカットが発生。 BitMEXの最新ファンディングレート(12/5 21:00)は、その後の急落を経てショート払い(0.041%)になっており、需給面に変化も見られる。
大口の資金移動
また、Whale Alertによれば、大量のUSDT(テザー)が、今回の急騰前に中国の3大仮想通貨取引所「OKEx」に移動していることが確認されており、買いが触発された可能性も指摘される。
🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 70,009,991 #USDT (70,237,853 USD) transferred from unknown wallet to #Okex
— Whale Alert (@whale_alert) December 4, 2019
Tx: https://t.co/aKzZyqz8DP
現時点で関連性は定かではないが、急騰30分前の日本時間12月4日21時26分から、70,009,991USDT、14,000,000USDTと計84,009,991USDT(91億円相当)の送金が大口を追跡するBOT「Whale Alert」より報告されている。
OKExは、デリバティブ取引の取組高でも、BitMEXに並ぶほど市場シェアを拡大しており、送金情報に対するコメントでは、価格上昇との関連性を指摘するユーザーの指摘も相次いだ。
Top 10 derivative exchanges by Total Open Interest in the last 24 hours:
— CoinGecko | coingecko.eth (@coingecko) November 27, 2019
1. @BitMEXdotcom
2. @OKEx Futures
3. @HuobiDM
4. @DeribitExchange
5. @Bybit_Official
6. @FTX_Official
7. @bitforexcom Futures
8. Kraken @CryptoFLtd
9. @BTSEcom
10. @gate_io pic.twitter.com/vLXI797AxI
CME窓開けの影響
そのほか、仮想通貨FX専門ブログを運営するMEX仙人氏らも指摘するように、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)におけるBTC先物「Bitcoin CME Futures」の窓埋めの影響も間接要因としては考えられる。
CMEビットコイン先物の窓閉めが今回も成立したわけだが、今一度CMEの窓がなぜ閉まるのか考えてみよう。大口顧客様の財産を守るためだとかなんとか考えられるけど、CMEのBTCオプションももうすぐ開始されることでより複雑化していくんだろう。窓閉めの自家製造的な何かhttps://t.co/XWAD98v4DA pic.twitter.com/LvDq7GzZls
— MEX仙人@ビットコインFX (@bitmexsen) December 5, 2019
CMEのBTC先物には休場期間があり、その間に相場で大きな値動きがあった時は窓開け(ギャップ)が生じる。過去にも窓開けの影響を指摘する声はあり、海外のアナリストWilly Woo(@woonomic)氏は、BTCの特性として、ボリュームプロファイル(価格帯別出来高)のギャップ、特にCMEのギャップを埋める傾向にあると指摘した。
Do you expect the $8600 gap to be filled?
— Willy Woo (@woonomic) November 4, 2019
I think so, BTC has a tendency to fill volume profile gaps and especially gaps in the CME. We still have time to burn before the BTC rocket ship takes off, so a high chance to do that while the price wanders sideways in consolidation.
I cannot believe how crazy trading BTCUSD on the short term is right now. The gap on the CME has filled already. It's thinly traded yes. But man, I'm highly suspicious of the price action across all the exchanges of late, more so than usual. https://t.co/M3Pf4Cmksq
— Willy Woo (@woonomic) November 5, 2019
株式市場でも大幅ギャップアップ・ギャップダウンした場合の「窓埋め」はチャートパターンとして意識されやすく、含み益ポジションの解消が示唆される。Willy Woo氏によれば、現在の市場は調整・蓄積フェーズにあり、低ボラティリティの中・長期的に安定した上昇フェーズを経て、最終段階のバブルフェーズが訪れる可能性がある。
仮想NISHI氏も今年6月、『CMEの窓埋め』について言及。前後の傾向について考察している。
『CMEの窓埋め』
— 仮想NISHI (@Nishi8maru) June 28, 2019
CMEが閉まる時間(大引け)→CMEが開く時間(寄付き)
の価格差を埋めるよるに市場が動きやすい(特に土日乱高下時)
『土曜日』に取引を行った投資家が、
『月曜日』に大損しないように
売買いして価格差を縮めよう(窓埋め)としてる可能性
ここ数週間で頻発して見られる現象 pic.twitter.com/ZLr1opV9H4