ビットメインCEO、業績回復へ向け新提案
ビットメインCEOに再就任したジハン・ウー氏は、再就任後初めて公の場に姿を現した。中国の成都市で行われたビットメイン主催の顧客向けイベントで登壇、市場占有率下がるビットメインの現状を食い止めるための新戦略を打ち明けた。
最近の社内会議でもBitmainの市場ドミナンスの低下を認めており、業界の中で地位向上を図る狙いだ。
マイニング工場を稼働する際に投資家の重荷となるキャッシュフローや仮想通貨の高いボラティリティ、電気代などのリスクをビットメインが肩代わりすることで、マイニング新規投資者に多く参入してもらう施策を行う。具体的には、三つの施策の提示を行なった。
キャッシュフローの問題では、一般顧客により100から999台の間で事前購入されたマイニングマシンの費用は最大50%分、5,000台以上購入された場合は最大20%分の前払いを行うだけで製品を受注できる仕組みを提供する。全額の支払い期限は発送の一週間前までと期間にも余裕をもたせた格好だ。
また共同マイニングのサービス開始も検討。契約は1年間、得られた収益の75%はビットメインに、残りの25%がマイニング工場へと受け渡されるが、あらゆるランニングコストをビットメイン側が請け負う。ビットメインはマイニング工場を稼働させる際に発生する電気代を全て負担するほか、稼働するマイニング工場内の機器メンテナンスは工場側が担うことになる。
収益分配の関係から、利益が出ないケースでは(電気代を下回るケースなど)、収益は全てビットメインのものとなるが、初期投資コストのほか、マイニング投資で負担の大きいランニングコスト管理を一元化できる。
仮想通貨のボラティリティにもオプション取引を用いて対処。大量注文を行う顧客のみを対象に売却選択権(プットオプション)も追加するという。マイナーの購入分の1%にあたる売却選択権が配布され、一つの権利にあたり、1BTCを約55万円でビットメインに売却することができる。仮にビットコイン価格が55万円を超えていた場合は、その権利は破棄される。
この辺りのポジション動向や利用先の取引所などが明らかになれば、市場動向でも一つの指標になりそうだ。
再び陣頭指揮をとったCEOジハン・ウー氏、今回の大胆な提案が起死回生の一手となるのだろうか。手腕が試される。