はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン:大変革の2020年なるか、控える二大アップデートと半減期

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの重要な節目となるか

今年2020年、ビットコインは大きな節目を迎えようとしている。

まず、5月に起こると予想されている半減期、そして、ビットコイン改善提案(BIP)に盛り込まれているシュノア署名とタップルート実装という重要な技術アップデート。

2017年のSegwit実装以来となるこれらの大型技術更新は、ビットコインのスケーラビリティとプライバシーに飛躍的な進歩をもたらすと期待されされており、2020年に実装される可能性もある注目ポイントだ。

本記事では、2つの重要アップデートと半減期の内容をまとめた。

重要なアップデート1:シュノア署名

現在、ビットコインに採用されているのは、ECDSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm=楕円曲線電子署名アルゴリズム)と呼ばれる署名方式だが、安全性やスケーラビリティの面でシュノア署名方式に劣ると言われている。

シュノア署名は、ドイツの数学者で暗号学者のClaus-Peter Schnorr博士が発案した署名方式で、効率が良く安全な署名方式であるとして、ビットコインへの実装が議論されてきた技術だが、ビットコイン開発当時は特許取得済みの技術だっため、使用できなかった経緯がある。

その後、特許が失効したため、同技術のビットコイン導入が提案されている。

ECDSA方式では受信者が同じでも、トランザクションごとの署名が必要とされるが、シュノア署名方式では、単独の受信者の場合、全てのトランザクションの署名を一つにまとめることが可能で、署名データサイズを削減できる。

その結果、大幅な署名データの削減が見込まれるため、トランザクション処理の効率化をもたらし、スケーラビリティ問題解決に寄与することにもなる。同時にシュノア署名方式では、秘密鍵と公開鍵のペアを「調整」することが可能で、プライバシーの強化にもつながると言われている。

重要なアップデート2:Taproot

さらにプライバシーを強化する技術として注目されるのはTaprootで、MAST(Merkelized Abstract Syntax Tree = マークル化抽象構文木)とシュノア署名の利点を融合することを目的としたソリューションだ。シュノア署名の実装が前提となる。

MASTは、ビットコインのスマートコントラクト機能を強化するものだが、トランザクションのデータサイズを削減し、必要な条件だけを公開することでプライバシーを高めることができる。

Taprootでは、ブロックチェーン上における様々なトランザクションの見え方を均一にし、区別することをできなくする。

 

現在、ブロックエクスプローラーなどのサイトでは、トランザクション毎のインプットとアウトプットが確認できるが、Taproot実装後は全てのトランザクションが類似することになるため特定が困難になり、プライバシー強化につながる。

2017年のSegwit実装により、シュノア署名アルゴリズムの実装がソフトフォークで可能になり、導入の実現が一方近づいたことも、今後のアップデートの基礎を築いたと言えるだろう。

ビットコインの半減期

一方、昨年から注目を集め始めたビットコインの半減期も控えている。ブロック速度に依存するが、今年5月に起こると推定されている。

ビットコインは、2012年と2016年に2回の半減期を迎え、マイナーが獲得するブロック生成報酬はそれぞれ50BTCから25BTC、そして12.5BTCへと半減した。

ビットコインから分裂して誕生したビットコインキャッシュ(BCH)やビットコインSV(BSV)も日付こそ異なるものの(ブロック生成の速度で差が出たため)、2020年に半減期を控えている。

2020年の半減期イベントでは、過去2回のBTC価格の傾向による期待感のほか、これらBTC・BCH・BSVの半減期時期の差からマイナーの推移や傾向が初めて見られる点も、市場への影響で注目される理由に挙がる。

半減期のイベントと価格上昇については、bitFlyer Blockchainの代表取締役社長 加納裕三氏がツイッターで以下のように解説した。(要旨)

ビットコインは10分に一回12.5BTCを採掘するため、年間で657,000BTC(約5120億円)もの新規供給がある。

これがマイナーの収益に関係するが、半減期を経ることで、IRR(内部収益率)は大幅に減少。キャッシュアウト済みのマイナーは以下の選択肢を選択することになる。

  • 電気代を払ってマイニングする or 採掘を停止する
  • BTCを掘ってすぐに売る or 値上がにかけて持ち続ける

今回注目するパターンは2つ目で、電気代は賄えるが、すぐに売ると減価償却に勝てないケースがある。その場合はBTCの価格上昇に賭ける人が増えると考えている。

約5120億円もの新規の発行とそれに伴う売却があると言うことは、理論上は新規の5120億円の現金の流入がなければ、価格は維持できない。

価格が維持されている限りは、ニューマネーの流入があると考えることができる。

その状況下で半減期を迎えることで、マイナーのIRRが悪くなり売却を手控えると需給バランスが変わり価格上昇が起きる。

これが過去に半減期で価格が上昇している理由の一因かと考える。

記事修正について

記事内でSegWitのハードフォークとの記載がありましたが、正しくはSegWitの実装となります。

該当箇所の修正を行いました。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧