最大一カ月間のユーザー資金凍結
シンガポールを拠点とする仮想通貨取引所COSSが、突然ユーザー資金を凍結。利用者間で混乱を招いている。
発表は、約20万人のユーザーの資金200万ドル(約2億円)相当を、最大一カ月間凍結対応(ロック)するというものだった。
COSS is upgrading to a more advanced platform with the following features:
— COSS Official – Crypto One Stop Solution (@COSScrypto) January 7, 2020
👉 Low latency for automated trading
👉 Super fast order matching engine
👉 Advanced APIs
👉 Built-in liquidity solution
👉 iOS and Android applications
👉 Margin tradinghttps://t.co/vn5AXdz5gD pic.twitter.com/KAG2AZPTVa
上のツイートに見られるように、COSS側のアナウンスによれば、今回の資金凍結はプラットフォームをアップデートする目的としているが、ユーザーは1ヶ月間資金が動かせなくなることで、事態の悪化や機会損失を危惧している。
COSSは、「パニックになる必要はありません。誤ったメッセージや噂を信じないでください」とのメッセージを公開したが、アナウンス時刻が資金凍結が実施されるわずか三時間前であったことで、対応に遅れたユーザーも多くいる模様だ。
なお、凍結理由とされる新しいプラットフォームでは、「超高速オーダーマッチングエンジン、高度なAPI、ビルトイン流動性ソリューションiOSおよびAndroidアプリケーション、証拠金取引」などが追加される予定だと説明している。
現時点で仮想通貨の取引、引き出し、入金が停止されており、その状態は、取引所がメンテナンスを行う今後3~4週間に渡って継続するとされている。
COSS広報担当者の説明
この件を巡り取材を行なった、仮想通貨メディアDecryptによると、数カ月前から事前通告すれば、ユーザーが資金を大量に引き出してしまうのではないかを恐れていた、とがCOSSの広報担当者が述べているという。
ユーザー離れを防ぎつつも、時代遅れのプラットフォームをより機能的なものにするというが、突如資金が凍結されたユーザー側は被害にあったと言わざるを得ない状況だ。
COSSの運営状況については、コストカットのために、技術チームをインドにアウトソーシングを実施。
競合取引所が「ミラー化されたオーダーブッキング」などの複雑な機能を標準として提供する中で、COSSのシステムは更新されておらず、2019年には、取引所を流れる金額は、3月の1日あたり約1300万ドル(約14億円)から、最近の1日あたり約100万ドル(約1億円)に減少していたという。