- Q. 仮想通貨の取引所を立ち上げるまでの経緯を教えてください。
- A. ブロックチェーンという技術が今後のインターネット全体に普及する時代がくる可能性があると考えており、「エンタメ金融」でも大きな変革が起きるかもしれません。そんな将来に向け、まず取引所やウォレットが整備される必要があると考え、設立に至りました。
- Q. 様々な取引所が存在する中、CAbitcoinの優位性は何ですか?
- A. 現在の仮想通貨取引所はITリテラシーの高いマイノリティ向けに設計されていますが、CAbitcoinはマジョリティ向けに最適なUI/UX設計のノウハウがある点です。
- Q. 取引所のセキュリティー対策はどのようにお考えですか。
- A. bitbankと提携し、不正対策を行っていきます。また、他の事業で培ってきたセキュリティ監査技術も加え、 CAグループ主体で対策を進めます。
サイバーエージェントビットコイン(以下CAbitcoin)は、サイバーエージェント(以下CA)が立ち上げた仮想通貨取引事業子会社で、2018年春の運営開始に向けて仮想通貨交換業者への登録を進めています。
CAグループは、メディア事業として、アメーバブログやAbemaTVなど、時代の変化に応じたソーシャルメディアサービスを提供しています。
また、ゲーム事業としては、グランブルーファンタジーのCygamesをはじめ、ゲーム制作子会社が人気コンテンツを提供しています。
CAグループが目指す「エンタメ金融」の発展に向けて、CAbitcoinは重要な役割を果たすでしょう。
今回は、CAbitcoin代表取締役の卜部宏樹氏へのインタビューを掲載いたします。
長時間のインタビューにご協力頂いた卜部宏樹氏に御礼申し上げます。
インタビュー内容一覧
もともとCAグループ内で仮想通貨事業への関心が集まっており、取引所事業に限定せず仮想通貨に関連したさまざまな事業アイディアが漠然とありました。
金融庁が正式に仮想通貨交換業者の登録を開始し、仮想通貨取引が社会に根ざしていく可能性が高まりました。
そこで、仮想通貨事業への参入の一歩として、まずは仮想通貨の取引所やウォレットといった基盤をしっかり作っていくことが先決であると考え、CAbitcoinの設立へと至った次第です。
CAグループは常に新規事業の模索を続けているため、以前から仮想通貨事業に興味を示す社員は何名かいました。
役員会で参入するのが正式に決定したのは、CAbitcoinが設立した2017年10月2日の1ヶ月ほど前だと思います。
今春に向けてサービスのリリースを開始する予定で、その準備は順調に進んでいます。
金融庁への登録も並行して進めています。
CAbitcoin専属で取り組んでいる社員が10人ほどです。
金融庁への対応も含め、本社の経営本部からのバックアップもあるため、それも含めると2,30名ほどで事業を進めています。
UI/UX(WEBサイト、アプリがユーザー使用のために最適化される使いやすさ)の特化が一つ優位点として挙げられます。
CAグループでは従来AbemaTVなどの他事業でUI/UXの高い評価を受けており、社内にそのノウハウが蓄積されています。
今の仮想通貨取引のボリューム層はいわゆるITリテラシーが高い人であると思っていて、取引所はある意味そういった方向けに作られている印象を受けています。
一方、マジョリティ向けの最適なUI/UX設計はCAグループの得意分野であると所だと考えています。
金融庁は認可に際してユーザー保護の観点を重要視されているので、やはりプライバシーには細心の注意を払っています。
CAbitcoinのUI/UX設計チームには、社内でもトップのエンジニア、クリエイターを集めています。
ブロックチェーンという技術が今後のインターネット全体に普及する時代がくる可能性があると当社では考えており、ゲーム、メディア、広告事業など他の分野でも大きな変革が起きるかもしれません。
そんな将来に向け、仮想通貨やブロックチェーン技術のプラットフォームとして取引所やウォレットが整備されていることが、CAグループ全体にとっても大きなプラスになると思っています。
新規事業で設立からまだ半年も経過していないため、まだ正式に決めているものはありません。
ただ、仮想通貨そのものを一般の人たちに普及させていくのが我々の信念であると考えています。
まずはユーザーフレンドリーで安全な取引所を作ることが先決です。
一部、ゲーム事業やAbemaTVとの連携についても模索していますが、まだアイディア出しの段階です。
社内では、CAbitcoin主導でグループ内に向けたブロックチェーンの勉強会などを開いたりもしています。
CAグループは全体で約5000人の社員が在籍していますが、勉強会で300人ほど集まることもあります。
エンジニア限定の勉強会だけでも100人集まるほどです。
CAグループは基本的に新しいことが好きな人が多いので、今は仮想通貨、ブロックチェーン技術について知識の底上げを図っている段階です。
これらの分野に対して社内全体の理解が増えると、各部署からアイディアが浮かんでくるだろうと考えております。
そこでCAbitcoinによる取引所があることで、そこを基盤としてさらなる事業展開に繋がるという掛け算を期待しています。
ゲーム、メディアがあり、そこに仮想通貨が絡んでくることでエンターテイメントを基盤としたCAグループ全体のエコシステムを大きくしていくことが最終的な狙いです。
ユーザー保護のため、セキュリティ面にはかなり力を入れて開発を進めております。
取引所の開設にはbitbankが提供するホワイトラベルを利用するため、bitbankと連携してしっかりとした不正対策を行っていく考えです。
また、CAグループには様々なコンテンツを運営してきたノウハウがあるので、他の事業で培ってきたセキュリティ監査技術も加え、グループ主体で対策を進めます。
まさに二人三脚で開発を進めております。
CA側はUI/UX設計を徹底しています。
HFの対応など、仮想通貨取引そのものについてはbitbankの得意分野のため、開発にはしっかりと住み分けを行っています。
あまり考えておりません。
会社としてはあまり得意分野ではないかなと思います。
本人確認やカスタマーサポートなどでは応用できるノウハウがあると思います。
しかし、当社のスタンスとして、仮想通貨を投資商品としては考えておらず、エンターテインメントの中で互換性のある便利なツールとして普及することを望んでいます。
仮想通貨を「エンタメ金融」として捉えている点では、FXや株式投資とは全くの別物として扱う考えです。
直近のことばかりですが、まずは使いやすいUI/UXで安心安全に使えるものをリリースすることに全神経を注いでおります。
カスタマーサポートやセキュリティについても、きちんとした取引所提供のためさらなる対策を考えております。
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