エジプト初、銀行のブロックチェーン採用
リップル社が、エジプト国立銀行との協力協定を締結した。海外のエジプト人から送金を受け取るための、新しい送金経路を構築することになる。
エジプトの銀行が、ブロックチェーン関連技術を使用するのは今回が初めてのケースだという。
エジプト国立銀行は、1898年に設立された同国最大の歴史ある銀行であり、中東や北アフリカ地域の中で、リップル社にとってこのパートナーシップは重要なものとなりそうだ。
取締役副総裁のDalia El-Baz氏は、リップルのネットワークは世界中の300以上の銀行と金融機関によって活用されていることに言及した。
エジプトで最大規模のエジプト国立銀行との今回の合意により、ネットワーク上の加入者の数は大幅に増加すると予想。リップルのネットワークによって提供される流動性により恩恵を受け、外貨収益が増加することも期待されている。
提携にあたっての報告書では、今回の合意により、米国、英国、カナダなど他の国のリップルに対応する銀行とも連携できる可能性が高まることも述べられた。
今回の協定締結前には、必要な動作テストも実施されたという。
中東にもビジネスチャンス
リップル社は、中東にも大きなビジネスチャンスを見出している。
以前、同社の南アジア&MENA(中東・北アフリカ)運営責任者Navin Gupta氏は、中東は今や、世界最大の送金市場となっており、5年以内に、GCC(湾岸協力会議、Gulf Cooperation Councilの略称でアラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6か国)の国々から送金分野で複数のグローバルブランドが生まれても不思議ではないと意見を表明していた。
特に、アラブ首長国連邦(UAE)では国内外国人労働者の多くがアジア圏の母国へと送金を行っている。
UAEを本拠地とするFinablr社は、リップルネットへ加盟し、タイへの送金経路を確保した。クウェート国立銀行(NBK)もリップルのxCurrentベースの送金サービスを行っている。
現在、国境を越える取引の大部分は、従来の銀行や決済サービスプロバイダーによって占められており、リップル社は、より効率的で低コストな代替送金経路を提供することにチャンスを見出している。