はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン投資信託需要が過去最大規模大に、難易度調整後のマイニング情勢も強気傾向

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

8日のビットコイン(BTC)は、前日比+0.33%の106.5万円(ドル)に。 7日夜にかけて下落圧力が強まり、一時102.5万円(9350ドル)まで値を下げたが、9800ドルまで反騰した。

BTCマイニング事情に変化

そんな中、半減期後に2度の難易度調整を終えたマイニング事情に変化が見られる。

Glassnodeのデータでは、マイニングの平均採掘速度の2倍となる「時間あたり12個のブロック」が3回に渡って確認された。

平均ブロック生成時間では、2014年6月以来の高水準で、難易度のリターゲティング基準「10分」と比較して、極めて早いスピードでビットコインのブロックが生成されている。

難易度調整を前回比-9.29%の大幅易化で終え、半減期前水準からは-15%まで下落したことで一定の余裕が生まれ、ハッシュレート(採掘速度)も回復傾向に。

一過性のものでないか今後の推移を見る必要があるものの、7日にはハッシュレートが過去最高値に迫る勢いまで一時上昇。懸念されていた半減期後の「マイナーの降伏」がすでに終了していることを示唆する。

ハッシュレート週平均

ヘッジファンドマネージャーのMatt D’Souzaは、「旧型マシンS9s / mid genは、新型マシンに置き換えられている」と言及し、稼働するマシンの大規模な置き換えタイミングも示唆している。今年3月には、過去の難易度調整前後のビットコイン(BTC)の値動きを分析したデータを公開している。

グレースケールBTC投資信託の需要

昨今のビットコイン上昇の背景には、マクロ経済事情も指摘される。

2020年3月に発生した新型コロナウイルスのパンデミックは、未曾有の経済危機を引き起こし、世界各国の政府や中央銀行は過去最大規模の金融緩和を余儀なくされた。結果として、法定通貨の信認低下、及びインフレ懸念などの副作用が取り沙汰されている。

その点、ビットコインのユニークな特性は、世界経済の不確実性に対して「価値の保存手段」として再認識され始めている。連邦準備制度理事会の総裁Jerome Powellが、ビットコインについて決済手段ではなく「価値貯蔵手段(ストア・オブ・バリュー)」だと指摘したことは記憶に新しい。

2020年以降、投資信託運用会社のGrayscale Investments(グレースケール)のビットコイン需要は大幅に増加した。米仮想通貨取引所コインベースの資産管理部門であるコインベースカストディは昨年9月、グレースケールの運用資産管理を行うことを発表。今年1月には、米証券取引委員会(SEC)から報告会社への認可を受けている。

今年1月に発表した投資報告書では、2019年Q4(10月〜12月)のBTC投資信託への資金流入額は1.9億ドル(約210億円)に、2020年第1四半期には5.3億ドル(580億円)規模まで膨れ上がった。

Grayscale Investmentsは、デジタル通貨を主な投資事業とするDigital Currency Groupの子会社で、金融の中心地である米ニューヨークに本社を置く。「Grayscale Bitcoin Investment Trust」は、市場価格をベンチマークとする投資信託であり、投資対象をビットコイン(BTC)のみとした初の証券となる。

同金融商品は、1受益証券当たりのBTC保有比率が、ビットコイン市場価格に連動する投資成果を目指すものだ。

そのため、仮想通貨特有の問題である「秘密鍵」などの漏洩・ハッキングリスクなどが存在せず、機関投資家を中心に需要が拡大。「プレミアム(価格乖離)」が常態的に発生している。

豪州を拠点にする資産運用企業ListedReserveのデータによれば、グレースケールと送金アプリ「Cash App」を提供するSquareの2社だけで、2020年Q1(1月から3月)に新たに発行されたビットコイン(BTC)の52.56%を販売したことが分かっている。

GBTCが必要とされる理由

とりわけ需要が高いのが、オープンエンド型投資信託の「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」だ。グレイスケールは過去3ヶ月でマイニングされたビットコインの約3割を購入、直近で28,400BTC以上に達した。これは半減期の5月12日以降に新たに発行されたビットコインの数を大きく上回る計算となる。

これらのデータは、機関投資家の高い需要を示している。グレースケールの顧客の90%が機関投資家であり、内44%はヘッジファンドであるからだ。

グレースケール事業開発担当のRay Sharif-Askaryは、この背景について以下のように説明する。

「デジタル資産を購入・保管する必要がない形で、デジタル資産へのエクスポージャーを得ようとしている」

グレースケールの幹部Michael Sonnensheinは、

「機関投資家が、ポートフォリオに仮想通貨を加えることが必要だと考えるようになり始めた。多くの機関投資家はBTCを、債券やゴールドなどと同じように安全資産とみなしている。1年前はこのようなことはなかった。」と明かした。

直近では大型アップデートを控えるイーサリアム需要も急拡大しており、グレースケール投資関係責任者によれば、イーサリアム投資信託で1.1億ドル(120億円)分のETHを買い入れている。

グレースケールが運用する40億ドル(4400億円)の内、87%を占めるのがビットコイン投信「GBTC」で、5日時点で35億ドルに相当。イーサリアム投信は3.4億ドルに相当するという。

出典:Grayscale

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧