エストニアが取り締まり強化
北欧の国エストニアで、過去に起きた2200億ドル(約23.5兆円)規模のマネーロンダリングに対する捜査が、事業ライセンス取得済みの仮想通貨(暗号資産)企業に及んでいることが分かった。ブルームバーグが報じた。
欧州最大規模のマネーロンダリングが発覚したのは、デンマークを拠点にするダンスケ銀行のエストニア支店だ。しかし金融犯罪防止の一環として、銀行以外にも、仮想通貨の取引や保有を行う企業にも捜査が行われている。
巨額のマネロン疑惑を受け、バルト三国の金融インテリジェンスユニットのマディス・ライマン氏は認可された仮想通貨関連企業がライセンスを悪用している可能性がある点を指摘、ライセンスの取り消しを行なった。
仮想通貨企業で取り締まりの対象となっているのは、大部分がライセンス取得後、半年以内に事業を始められなかった企業で、現時点で、全体の約3分の1に当たる500社超のライセンスが取り消しされたという。
エストニアは国家のデジタル化をいち早く進めた国で、ブロックチェーン先進国とも呼ばれる。2017年にEUで初めてライセンス制を導入しており、仮想通貨にも好意的だ。一方で規制当局は、こういった信用を犯罪に悪用していると指摘する。
バルト3国を担当する規制当局の責任者はブルームバーグに対し、「この取り締まりは市場の健全化に向けた最初の一歩だ。我々は緊急要する問題に対応できるようにするために、国家の監督下で強制力のある対策を講じられる企業にだけライセンスを与えるべきだ」と語った。
規制当局が発表したレポートによると、2019年に行なった56件の調査の内、34件が仮想通貨企業に関連している。横領に関与したり、正式な認可を取得せずに海外でサービスを提供した企業がある。急速に業界が発展する中で、犯罪のリスクが高まっていったとみられており、エストニアの規制機関からは、容易にライセンスを与えすぎていたのではないかという声が上がっている。
今後は、実際はエストニアで事業を行っておらず、マネージャーが国外にいるとの指摘により、残り900社のうち半数以上がライセンスを失う可能性があるという。
参考資料 : ブルームバーグ
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