再び急落したビットコイン、中期的な弱気相場を示す根拠に「一目均衡表」

仮想通貨市況

米労働省が2日発表した6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比480万人増となり、市場予想(290万人増)を大きく上回った。 経済活動を再開した米国の指標を好感する一方、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念は強く、上げ幅を相殺した。

米ニューヨーク株式市場は、前日比92ドル(0.4%)高の25,827ドルで取引を終えている。

国内でも雇用情勢の悪化が顕著となっている。 厚生労働省が6月30日に発表した5月の有効求人数は、前月比-0.12ポイントの「1.20倍」と、46年ぶり下げ幅に。有効求人数は、仕事を探す求職者に対し、企業から何件の求人があるかを示すものだ。

一方、仮想通貨・ブロックチェーン求人指数(クリプト指標)は前月比-1.9%の「1.08」に。今年1月水準の「1.00」を5ヶ月連続で上回り続けており、底堅い需要を確認できるほか、新型コロナの感染拡大で他の業種ほどの悪影響が出ていないことを示唆している。

関連:ビットコインなど仮想通貨の値動き解明へ|寄稿:仮想NISHI

ビットコイン(BTC)市況

3日のビットコイン(BTC)は、前日比1.5%安の98万円(9100ドル)に。

米雇用統計前後のダウ乱高下に連れる場面もみられ、1時過ぎには一時96.5万円(8946ドル)まで急落。その後若干持ち直した。

一目均衡表を使ったテクニカル分析を得意とするIchimoku Scholar(@IchimokuScholar)は、中期的な弱気相場を示す根拠として「雲」の状況を取り上げた。

Ichimoku Scholar

上図では、一目均衡表の遅行スパンが基準線を下回るなか、トレンドの基準を示唆する基準線と転換線が交差する「TKクロス」シグナルが発動。雲中でベアフラッグ(急落後の上昇チャネル)を形成、近い将来に下降雲(赤)を示唆するなどの共通点が見受けられる。

今年3月に発生した「コロナ・ショック」による全市場の暴落局面では、ビットコインも雲下限を突き破って急落した。ただし、全資産現金化のパニック相場でオーバーシュートしていた点には留意したい。

海外アナリストのビザンチン将軍(@Byzgeneral)は先日、過去1年半のビットコイン価格とボリンジャーバンド幅を比較した上、今年3月水準までスクイーズ(収束)しており、上下に広がるエクスパンション(拡張)でボラティリティが急上昇する可能性があることを指摘している。

Byzgeneral

ファンダは強気

一方、マクロ経済で見ると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大規模金融緩和などの影響から、ビットコイン市場に強気とみる向きが強い。米ドルが信認を失えば、代替資産であるビットコインにポジティブに働く可能性が高いためだ。

コイフィンの最高経営責任者(CEO)で、かつてゴールドマン・サックス副社長を務めたロブ・コイフマンは、次のように述べている。

新型コロナの影響で景気回復が鈍いということは、FRB(連邦準備制度)が予見可能な将来にQEプログラムを緩和出来ないことを意味する。

この方針が続けば「米ドル」にとって大きな転機となり、過去10年間の上昇基調を逆転させる可能性がある。そうなれば、通貨、株式、商品(コモディティ)に幅広い影響を及ぼすことになるだろう。

強いリスク局面で米株式市場と相関していたビットコイン市場であるが、10万フォロワーを擁する著名アナリストJoseph Youngは、直近ではこの関係性が壊れ始めたと指摘した。


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