はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所ウォレットを狙う「三つの攻撃手法」 暗号学者が脆弱性を指摘 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所ウォレットを支える仕組みに脆弱性

先週開催された情報セキュリティ関連会議で、仮想通貨取引所が構築するウォレットのセキュリティの仕組みが、弱点となる可能性が指摘された。取引所には高度なセキュリティが必要とされているため、最先端の技術が導入されていることが多いが、その実装の複雑さが新たな脆弱性につながるかもしれないと暗号学者は語っている。

三つの攻撃手法を指摘

公開鍵暗号方式に代わる技術として、分散化された鍵発行と署名のための暗号理論を使った「閾値署名方式(TSS)」が、仮想通貨ウォレットに実装されるケースが急増していると言われている。しかし、比較的新しい技術であり、その複雑さの隙をついた、これまでにない攻撃方法が発見されたという。

オンラインで行われたITセキュリティ業界向けの会議「Black Hat USA」では、KZen Networks共同設立者Omer Shlomovitsが指摘したTSSの実装過程における脆弱性に対し、暗号学者のJean-Philippe Aumassonがさらに詳しく説明する形となった。この脆弱性に対する攻撃手法は次の三つのカテゴリーに分かれるという。

  1. インサイダーによる攻撃
  2. 取引所と顧客の関係を悪用
  3. 秘密鍵生成時の悪用

インサイダーによる攻撃

まず、ある主要仮想通貨取引所が作成したオープンソース・ライブラリの脆弱性をインサイダーが悪用する可能性が指摘された。このライブラリでは、鍵保有者がサイトのリフレッシュ機能のプロセスを操作して、他の部分を変えずに鍵の一部だけを変更したりすることが可能だったという。古い鍵と新しい鍵の部分を統合することはできないが、攻撃者はサービス拒否を引き起こすことによって、取引所が自己資金にアクセスできないようにすることが可能になると指摘された。

また研究者によると、ほとんどの秘密鍵分散型方式では、完全な鍵ではなくても鍵の大部分が正しければ、取引が承認されるように設定されているという。一部が誤って削除されたり破壊された場合でも、完全に鍵が失われないようにするための予防措置だが、攻撃者にとっては格好の恐喝の材料になる可能性もある。

幸い、コードが公開されて1週間で、この脆弱性について研究者がライブラリ開発者に告知したため、おそらくどの取引所もこのライブラリをシステムに組み込むまでには至っていないだろうとのことだ。

取引所と顧客の認証プロセスを悪用

ある鍵管理会社が提供した、オープンソース・ライブラリにも鍵のローテーションに関する脆弱性が発見された。この脆弱性は、取引所と顧客がお互いに行う認証に失敗するというもの。取引所が顧客に誠実でない場合、もしくは密かに攻撃者に侵入された取引所が、複数回の鍵のローテーションにより、ユーザーの秘密鍵を推測することを可能にする恐れがあるという。

なお、この鍵管理会社は、自社製品にはライブラリを使用していないが、他所で使われた可能性も考えられるとのこと。

当事者による鍵生成時の問題

ゼロ知識証明で使用する鍵として、当事者がいくつかのランダムな値を生成する必要がある。研究者が発見したのは、大手取引所バイナンスが開発し、オープンソース・ライブラリにあるプロトコルが、これらの値をチェックしていなかったことだった。(バイナンスによって3月に修正済み)

前出のShlomovitsは、この脆弱性は即座に致命的になると述べている。悪意のある当事者は、鍵生成時に、他の関係者の数値がわかるように仕組まれた特別なメッセージを送り、その後、得られた情報を利用して、全員分の秘密鍵を手に入れることが可能になるという。

バイナンスは顧客に対し、できるだけ早くこのバージョンのTSSライブラリをアップグレードするよう、注意を促した。

困難な攻撃方法

これらの脆弱性を利用した攻撃を実行することは、実際には非常に困難なことだと二人の研究者は認めている。技術に対する専門知識を持っているだけでなく、取引所で特別な立場を利用できることが前提となっているためだ。しかし、広く普及する可能性のあるオープンソース・ライブラリにこのような脆弱性が発見されたことは、その影響力を考えると見過ごすことはできないという。

さらに、分散型鍵方式はセキュリティ対策として有望だが、実装は複雑でミスを犯しやすいため、取引所が実装するにあたり、注意を喚起することも発表の目的の一つだったと述べた。

参考:Wired

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/23 木曜日
08:45
カルダノ開発元IOグローバルが2026年の財務提案9件を公開、レイオスで取引処理能力を最大65倍に拡大へ
インプット・アウトプット・グローバルがカルダノの2026年財務提案9件を提出した。予算は前年比約50%減で、ネットワーク拡張アップグレード「レイオス」の年内メインネット稼働を中心に据えた内容となっている。
07:40
イーロン・マスク率いるテスラ、1444億円相当ビットコイン保有継続 1Q決算を発表 
イーロン・マスクの自動車企業テスラは22日、保有する約9億ドル相当のビットコインについて、2026年第1四半期も売却せず継続保有したことを確認した。同日発表の決算ではフリーキャッシュフローが予想外の黒字を記録し、時間外取引で株価が上昇した。
06:40
米予測市場カルシ、選挙に賭けた3名の政治家を取引停止 過去最大規模の処分
予測市場プラットフォームのカルシは22日、自らの選挙結果に賭けを行った連邦議会候補者3名に対し、利用停止と罰金の処分を科した。2月の事例を含む過去最大規模の摘発であり、同社はインサイダー規制の強化を継続している。
06:15
マネーグラムとステラが提携を複数年延長、ステーブルコイン送金を南米全域に拡大
マネーグラムとステラ開発財団が2021年から続いてきた提携を複数年延長した。USDC建てのステーブルコイン残高機能をエルサルバドルに拡大し、中南米全域への展開を進める。送金依存層への金融包摂が加速する。
06:00
GSR、米国初のアクティブ型仮想通貨ETF「BESO」を上場
仮想通貨マーケットメーカーのGSRは22日、ビットコイン、イーサリアム、ソラナを対象としたアクティブ管理型ETF「BESO」をナスダックに上場した。ステーキング報酬を還元する米国初のマルチアセット型商品として投資家の選択肢を拡大させた。
05:45
米クラリティー法案、上院採決が5月以降にずれ込む見通し=報道
米上院銀行委員会のティリス議員が4月中の採決を否定し、5月以降の開催を求めた。ステーブルコイン利回りをめぐる銀行業界と仮想通貨業界の対立が続いており、法案成立の見通しは依然不透明だ。
05:00
ロシアが仮想通貨規制法案を審議入り、国内決済禁止・対外取引容認
ロシア国家院が仮想通貨の流通を規制する法案を第1読会で可決した。仮想通貨を財産と定義し国内決済を禁止する一方、対外取引での使用は認める内容で、2026年7月1日の施行を目指している。
04/22 水曜日
18:19
バイビットが仮想通貨ウォレット狙うmacOSマルウェア攻撃を公表 Claude Code検索が標的
バイビットのSOCが、Claude Code検索ユーザーを狙うmacOS向け多段階マルウェアキャンペーンを公表。SEOポイズニングで偽サイトに誘導し、仮想通貨ウォレット情報などを窃取する手口が判明した。
17:19
申告分離課税の対象銘柄は「限定的になる可能性」 税理士・国会議員が語る制度の課題とステーブルコイン課税の論点|BCCC Collaborative Day
21日開催の第9回 BCCC Collaborative Dayより、暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税をめぐる議論をレポート。税理士・国会議員の発言からは、対象となる「特定暗号資産」の定義は未確定で、過去の含み益への適用も確定していないことが指摘された。制度の現状と課題を整理する。
13:45
新作ドキュメンタリー映画「サトシを探して」、21世紀最大の金融ミステリーの真相は?
4月22日公開のドキュメンタリー映画「Finding Satoshi」は、ビットコイン創設者サトシ・ナカモトの正体を特定したと主張する。4年間の調査と法医学的分析、20人以上へのインタビューを経て独自の結論に至った。一方、業界では匿名性の意義を主張する動きもある。
11:30
コア・サイエンティフィック、社債発行で5300億円調達計画 ビットコイン依存脱却へ
仮想通貨採掘企業コア・サイエンティフィックが33億ドルの社債発行を計画。調達資金をAIデータセンター開発資金返済に充当する予定だ。HPCでF1チームとも提携している。
10:40
量子コンピュータ、ビットコインよりPoS銘柄に「追加リスク」か コインベースが提言
コインベース諮問委員会が量子コンピュータリスクの提言書を公開。BTCコアインフラは安全と評価する一方、PoSチェーンのバリデータ署名に追加の脆弱性があると指摘した。
09:50
Kelp DAOハッキングで揺れるDeFi業界、責任の所在から国家レベルの脅威まで議論噴出
Kelp DAOが攻撃を受け446億円相当が不正流出、他のDeFiプロトコルにも問題が波及した。北朝鮮グループの関与が疑われる中、業界でセキュリティをめぐり議論が巻き起こっている。
09:40
米出前大手ドアダッシュ、ステーブルコイン決済を導入 テンポと連携
ドアダッシュがストライプ・パラダイム支援のテンポを通じてステーブルコイン決済を導入。ビザなど大手もバリデーターとして参加し、実需向けステーブルコイン決済の普及が加速している。
09:05
参議院で予測市場が議題に、DEX規制では片山大臣も答弁
参議院の財政金融委員会でブロックチェーン基盤の予測市場が議題に上がった。国民民主党の原田議員が質疑を行っており、他にもDEX規制については片山大臣も答弁している。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧