中国のブロックチェーンと世界のDeFiを繋げる
中国のブロックチェーンスタートアップ「Conflux Network(以下Conflux)」がグローバルなDeFiアライアンスを立ち上げることが分かった。
「Open DeFi」と呼ばれるプロジェクトで、東洋と西洋のDeFi市場を結び付け、中国を拠点とするブロックチェーン企業と世界のDeFiスタートアップを統合して、国境を越えた市場の成長、持続可能性、イノベーションを促進することを目的とする。
現在、DeFi追跡サイト「DeFi Pulse」に掲載されている38の分散型金融アプリケーションのうち37は、イーサリアムのブロックチェーンを基礎としており、多くのプロジェクトの創設者が欧米を本拠地としている。
そうした状況でOpen DeFiは、アジアの分散型エコシステムを成長させるよう企図された。このDeFiアライアンスは、上海市の科学技術委員会を介して、中国政府によってもサポートされるものだ。
現在のところ、参加メンバーには、DeFiプロトコル「LendfMe/dForce」を開発する中国のdForceや、IT分野中心に投資する米国のベンチャーキャピタル企業セコイアキャピタル、ブロックパワーキャピタル、アンテロープホールディングス、中国のスタートアップ企業DeBankとMCDEXなどが含まれている。
上海政府が支えるブロックチェーン企業「Conflux」
中心となる企業Confluxは北京を拠点としており、2018年に設立。仮想通貨取引所Huobiやセコイア・チャイナから約38億円を調達した。
ブロックチェーンのリサーチや開発を行っており、上海市政府が業務で使えるdAppsも開発。上海政府当局はその研究所やインキュベーションセンターなどの施設に数百万ドル規模の支援を行うという。
従業員の多くが、一流のエンジニアリング教育を受けており、チーフサイエンティストのChi-Chih Yaoは計算機科学における最高峰の賞であるチューリング賞の受賞者だ。
Open DeFiアライアンスは、今月最初の会議を開き、中国のDeFiスタートアップが、西欧の主要プロジェクトに関わっていく方法を考察するという。
DeFiアライアンスの立ち上げ盛んに
DeFi市場は活況を呈しており、それに伴って2020年に入ってからすでに幾つかアライアンスが立ち上げられている。
3月に、複数のブロックチェーン間でdAppsに流動性を提供する「Ren」は、ポリチェーンキャピタルが支援するコンソーシアムをスタートした。
4月には、大手DeFi関連企業Compoundと電子取引プラットフォームを提供するTDアメリトレードが、DeFiスタートアップ企業をサポートする「Chicago DeFi Alliance(CDA)」の創立メンバーとなっている。
さらに8月中旬には、中華系の大手仮想通貨取引所Huobi(フォビ)が、MakerDAO、Compound、Nest、dYdXなどのメンバーからなる、「Global DeFi Alliance」を立ち上げた。今後DeFiに関する研究や開発を共同で進めていくとしている。
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