投資家教育や業界標準の策定へ
仮想通貨取引所のフォビのHuobi DeFi Labsは18日、DeFiに特化した新たなアライアンス「Global DeFi Alliance」をローンチした。
「集権型、分散型金融サービス提供者とプラットフォームの国際コンソーシアム」を掲げている。
設立メンバーとして、DeFiプロジェクトのMaker Foundation、Compound、NEST、dYdXの4プロジェクトの連携が発表されており、今後DeFiに関する研究及び開発を共同で進めていくという。
設立にあたり、フォビの最高投資責任者Sharlyn Wuは以下のようにコメントしている。
DeFiは人類史において信用リスクなくして現代の金融システムを構築する初の試みであり、グローバルな規模で自由経済のパワーを解き放とうとしています。
様々なDeFiコミュニティを統合し、この新興分野に健在する様々な問題点の解消に取り組んでいくことがアライアンスの目的の一つにある。
盛り上がるDeFiとその影
DeFi関連のプロジェクトはここ数か月で俄かに注目を集め、トークン価格の高騰や新規トークンの発行など、日々新たなニュースが出てくる活況を呈している。
人気の一因は、DeFiプロダクトを利用することで得られる独自トークンを効率よく獲得し、利益を得る投資手法が注目を集めたことにあった。
一方で、DeFiの過熱には懸念の声も上がる。
一般的に、管理者のいないDeFiプロダクトは、中央集権的な取引所が抱えるようなカウンターパーティーリスクもないことなどが利点だ。
しかし、プログラムのバグやシステムの脆弱性が存在した場合、致命的な事態を招くこともある。今月5日ごろに、分散型取引所のひとつであるOpynは、脆弱性を悪用されたことで4000万相当の仮想通貨が流出する事件を起こしている。
ほかにも、ユーザーが被害を被ったとしても、補償を行うことを記す明確な規制や、消費者の救済措置なども存在していないケースがあり、一定のリスクを孕む。
こういった問題に対し、プロジェクト間で知見を共有し、取り組みを行っていくことがアライアンスの活動の一つになると思われる。また、DeFi業界における協力体制の構築に向け、フォビのWu氏は地域間でのコミュニティの分断の存在も指摘する。
一方で、理論研究や技術開発からエコシステムの開発まで埋められるべき多くのギャップが未だに存在している。暗号資産ネイティブのコミュニティは集権的な金融機関からほど遠いだけでなく、アジアと西洋のDeFiコミュニティの間にも分断が存在している。
具体的なアライアンスの活動は教育、研究開発、標準化、セキュリティ、普及、持続可能性、成長、コラボレーションの8つの領域にわたる。
投資家への教育や、共同研究の実施、DeFiの業界標準の策定から、エコシステムの繁栄で実に幅広い領域となっており、アライアンスはプロジェクトごとに分断されているDeFiコミュニティの統合に向けた中心的な存在となることを目指している。
参考:プレスリリース