仮想通貨KINを有価証券と判断 NY連邦地裁が判決

暗号資産(仮想通貨)関連企業Kik社のKINトークンの有価証券問題を巡る裁判でニューヨーク南部連邦地区裁判所は30日、米SEC(証券取引委員会)の勝訴判決を言い渡した。ICO資金調達によるトークン販売の有価証券判断において、重要な先例判決となる。

Kik社が証券登録あるいは登録免除を申請せずに有価証券の販売を行なったことが証券法に違反したとして、KINトークンを有価証券とすると判断した。

この係争は2019年6月より始まったものだ。SECは当時、Kik社を未登録有価証券を販売したことで告訴。被告側のKik社はこれまで「SECに事実を歪曲された」などの理由で、SECの主張を反論してきた。今回の判決を受け、同社は上訴を宣言している。

解決案として、10月20日にSECとKik社側が協議し、金銭的解決案を含む提案を提出するよう設定されている。仮に協議で意見が一致しない場合、書類でそれぞれの意見を提出する必要があるという。

仮想通貨セクターに精通する弁護士Jake Chervinsky氏は解決案について、Kik社が投資家に返金するか、返金の上にKINを有価証券として登録するか、あるいは罰金が科せられるかは未だ決められていないとコメントした。

これまでもSECは複数の仮想通貨プロジェクトに対しても未登録有価証券として、調達した資金の返済を命じていたが、実際返済した事例が限られているため、Kik社の返済が仮に決定された場合、返済に関する詳細は注目点となる。

判決の重要性

Jake弁護士は、今回の判決はテレグラムのGRAMトークンの判決以来のICO販売における重要な判例となったとしている。

人気SNSアプリのテレグラムは2018年に、GRAMのICOを行なったが、2019年にSECは証券法違反として提訴し、今年6月にテレグラムは敗訴した。懲罰として、1850万ドル(約20億円)の罰金をSECに支払い、GRAMの投資家には計11.9億ドル(約1275億円)を返金することが命じられた。

Kik社の事例も、テレグラムの事例も未登録有価証券をめぐる問題で、今後SECが、登録せずにICOを行なっていたプロジェクトに対して、同じような先例を基に提訴する可能性があり、これまで裁判で勝訴していたため、法的根拠はより固められている。


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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します