今週の相場の動きは
今月10日、ビットコイン(BTC)高騰にアルト市場も連れ高し、全面高となった。その後、16日に中華系大手仮想通貨(暗号資産)取引所OKEx、すべての仮想通貨銘柄の出金停止を発表したことなどを受け、市場は下げに転じている。
各指標の騰落率一覧
10/16(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
10/9〜10/16のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週(16日正午時点)のビットコイン(BTC)対円相場は、118.4万円〜123.4万円のレンジ内で推移しており、7日から12日までの続伸劇から一服し、調整の様相を呈している(第1図)。
短期的に相場は方向感を示せずにいるが、今週のドル高、米株反落、XRPのSWELL下げによる幅広いアルトコイン相場の連れ安を考慮すれば、BTCはにわかに底堅く推移している。
これだけの逆境の中でもBTC相場が支えられている背景には、①米資産運用会社のストーン・リッジのBTC購入と、②BTCの派生コインであるビットコインキャッシュ(BCH)の上昇があると見ている。
①は、マイクロストラテジーとスクエアに続き、米企業による準備資産としての暗号資産(仮想通貨)購入となる。
発表後の相場の反応としては、先駆者となる2社の発表時と比べて控えめだったが、これはビットコインの資産としての魅力を高めるニュースであり、リテールに限らず仮想通貨が投資対象としてより一般的な存在に近づくことが期待される。
②のBCHは、対ドルでは今月7日から15日まで9日続伸となっており、当方でも今月は他の仮想通貨を凌ぐパフォーマンスとなっている(第2図)。
11月15日のハードフォークの際に、Bitcoin ABCとBitcoin Cash Nodeを筆頭とする2つのチェーンに分岐が見込まれているビットコインキャッシュだが、先週から米ポロニエックスで「プレフォーク取引」が開始され、BCHと引き換えにフォオーク後のトークン2種類を取引できるようになっており、プレフォーク取引需要が相場を押し上げた格好か。
SWELL下げの影響もあってかBCHの買いは市場に広く波及していないが、XRPが売り物一巡となれば市場のセンチメントも改善が期待されよう。
他方、足元でドル高の要因となっているa)米経済対策案を巡る民主、共和、ホワイトハウス間の亀裂、b)英国と欧州連合(EU)間の通商交渉の難航、c)EUでのコロナ感染再拡大と行動規制一部再開は、目先でも継続してドルの支援材料となり得る。
15日のBTC相場は、ドルが主要国通貨に対して全面高となっていたにも関わらず粘り腰を発揮し反発したが、ドルインデックスとの逆相関関係からのデカップリングが進むには、幅広いアルトコインに買いが戻る必要があるだろう。
関連:bitbank_markets公式サイト