はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン大口投資家の動向とマーケットへの影響|CryptoQuant寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

データから分析するビットコイン:CryptoQuant寄稿

暗号資産(仮想通貨)のデータ提供サイトCryptoQuantsによれば、ビットコインが高騰するなか、採掘するマイナーがポジション清算する兆候はあったものの、下落を示す決定的なデータは得られなかった。

このような状況は先週も続いており、高い資金力を有する機関投資家の参入は、共通のテーマとなっている。

経験豊富なベテラン漁師は、「潮の流れ」を見るという。潮の流れとマーケットの動きは似通っており、オンチェーン上に記録されるマーケットにおけるクジラ(大口投資家)の動向も、また同様だ。

単に取引所を回遊するクジラの増減数ではなく、いつ・どのように価格が動いているのかについて、それらの背景にある要因を分析する必要がある。

クジラの生態と市場の思惑

出典:CryptoQuant

売り圧力を示唆する、クジラによる取引所への資金移動(インフロー)は、大きく2種類に分けることができる。下落局面で発生する資金移動と、上昇局面での資金移動だ。

CryptoQuantsの提供する下記指標は、「取引所のクジラ比率(Exchange Whale Ratio)」を示している。これは、クジラを示す入金額(出来高)トップ10の金額を、取引所への入金総額で割って計算することができる。同指標が85〜90%まで上昇すると売り圧力の上昇が懸念され、90%を超えると警戒すべき水準にあることを示している。

出典:CryptoQuant

2020年の強気相場を確認すると、取引所のクジラ率は85%を大きく下回って推移していた。これは2017年の強気相場と同様の傾向にある。

出典:CryptoQuant

一方で、コロナショックで全市場が暴落した2020年3月には、「取引所のクジラ率」が90%を超えていたことが判明している。

出典:CryptoQuant

なお、2019年4月から6月にかけての強気相場では、「取引所のクジラ率」は85%を下回っており、2018年の大引けでは、「取引所のクジラ率」は90%に達していた。

今年3月のリスクオフ局面のように、相場急落に伴うクジラの取引所入金が確認された場合、相場のアク抜けとして「押し目買い」の好機とみられる可能性もある。大幅下落後にクジラが動いてもビットコイン価格が安定している場合、底値を示唆するからだ。

この仮説は、CryptoQuantの指標「Exchange Inflow Mean(MA7)」で検証することができる。

この指標は、より長期的な視点(7MA:7日移動平均線)から見たクジラの活動を示している。過去3年間のオンチェーンデータを分析すると、全取引所の平均入金額が2.0BTC付近まで上昇した場合、年に数回発生するかどうかの「買いシグナル」のひとつとなり得る。

反対に、平均入金額が0.5BTCを下回った場合、「売りシグナル」とみなすことができる。

一般的にクジラとされる大口投資家は主に個人投資家から利益をあげており、個人投資家の活動が活発なときほど、クジラにとっての好条件を示している。このデータを裏付けるように、下落トレンドが顕著だった2018〜2019年は、個人投資家の入金額がクジラの入金額を大きく上回っていたことがわかる。

All Exchanges Inflow Mean

これらを踏まえ、昨今のクジラ動向を観察した場合、取引所のクジラ率が下落傾向にあるほか、ビットコイン高騰に対して個人投資家の活動は依然として低いままだ。したがって、最近の上昇トレンドは、主に機関投資家の現物買いに牽引されているという仮説が成り立つ。

CryptoQuantは、テレグラムチャンネル「CryptoQuant Digest」で分析を提供している。

今週のEthereum 2.0

CryptoQuantは、先週より「Ethereum 2.0」のローンチに向けた指標の提供も開始した。

デポジットコントラクトへの入金額は、2020年11月14日時点で63,392ETHとなっており、検証済みのバリデータは355人に達したが、目標進捗はやや遅れている。ネットワークを保護するコンセンサスメカニズムが機能し、ETH2.0 Beacon Chainのネットワーク・アクティベートを実現するためには、12月1日までに16,384のバリデーター(承認者)及び、524,288ETHが必要となる。

CryptoQuant ETH2.0指標

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧