TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

デジタル通貨(CBDC)の恩恵とリスク──ダボス会議2021

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

中国とシンガポールの代表者がCBDCを語る

オンラインで開催中のダボス会議で、「デジタル通貨のリセット」と題されたパネルディスカッションが行われた。中国国立金融研究所の朱民所長、シンガポール政府のTharman Shanmugaratnam上級大臣らが参加し、CBDC(中央銀行が発行するデジタル法定通貨)についての議論を行った。

朱民氏は、中国人民銀行(PBoC)が行ったデジタル人民元の実証実験について言及。デジタル人民元計画は初期段階にあるものの、すでに平等性、透明性を高め、社会政策の遂行を促進する能力があることが明らかになったと報告した。

また、デジタル人民元のスケジュールについて聞かれ「定まったスケジュールはない」と答えた。

「金融や公共サービスにとっては、セキュリティと安定性が最も重要なこと」であるため慎重にシステムをテストしていく必要性を強調。今後も実証実験の数を増やしていく予定を明らかにした。

デジタル人民元が米ドルと競争することに関して中国に影響を与えるかという質問に対しては「そうした方向に進んでいるとは思わない」と否定。その上でCBDCは国境を超える性質を持つもので、その流通は決済システム、資本の流れ、外貨交換などといった市場の動きにより決定されるものだと説明した。

また各国政府の取り決めにも依存していると説明し、 例えばシンガポールと中国が互いにその発行するデジタル通貨を受け入れることに賛同すれば、両国はそのための契約に署名することが可能だと述べた。(シンガポールと中国はあくまでも一例として持ち出されたもので、実際にこうした契約が発表されたわけではない)

さらにプライバシー保護の側面については現時点で「大きな問題とは思わない」と語り、市場が発展していくときに、技術面などから解決していく問題であるとした。

中国では2月上旬に4回目のデジタル人民元実証実験が計画されており、約3億円相当のデジタル人民元が約3500以上の店舗で決済利用可能となる予定だ。

関連:中国デジタル人民元の実証実験、「春節」直前の2月上旬に第4弾開催へ

「デジタル通貨の多様性を回復する」

シンガポールのShanmugaratnam上級大臣は「eコマースは今や大きな力となっており、旧来の通貨世界も、現実に追いつく必要がある」と現在の状況を指摘する。

効率的決済システムを作る上で中央銀行の役割は、独占を防ぎ「多様性を回復すること」だという。「決済システムは公共財」であり、中央銀行には様々な選択肢にオープンであることを求めた。

またShanmugaratnam大臣は、小国にとってのCBDCのリスクについても言及。自国通貨が安定していない国では、人々は自国通貨が不安定になる局面で米ドルなど主流通貨に交換する傾向を一例ににデジタルなCBDCではより円滑に交換が可能であるため、こうした動きが加速してしまう可能性に懸念を示した。

大臣は、多くの選択肢にオープンである必要があると語ったが、多くの政府がFacebookの主導するステーブルコイン計画に懸念を示す中、シンガポールの国有ファンド「Temasek」はディエム(旧称リブラ)協会に参加しており、柔軟な姿勢の一端を示している。

また2020年6月には、シンガポールと中国がCBDCについて知識面で多くの交流を行っていることが報じられていた。

関連:シンガポールと中国、デジタル通貨分野で協力へ

ジェンダーギャップ縮小の可能性も

国際開発と人道問題に関する独立シンクタンク「海外開発研究所」の最高責任者Sara Pantuliano氏は「CBDCは、既存のフレームワークよりもはるかに高速で、はるかに安価な国際送金システムを構築する可能性がある」と発言。

その他にも女性がより安全・確実に自分の給料を受け取れるメリットなどがあると述べ、現在の金融システムに内在する「ジェンダー格差の縮小に役立つ」と指摘した。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧