チャールズ・シュワブ、仮想通貨事業参入を検討か
米国の大手金融持株会社チャールズ・シュワブが年内に暗号資産(仮想通貨)ブローカー事業の発足を検討していることが判明した。CoinPost提携メディアのThe Blockが、関係筋の情報として報じた。
3名の関係者によれば、チャールズ・シュワブ社は2021年内に顧客に仮想通貨のトレード提供を目指しており、既に複数の仮想通貨企業と対話を重ねてきたという。同社の最高コンプライアンス責任者(CCO)や最高技術責任者(CTO)など幹部らも会議に参加した。
チャールズ・シュワブ社は既にCME(シカゴ・マーカンタイル・取引所)のビットコイン先物やグレースケールのビットコイン投資信託(GBTC)やイーサリアム(GETH)などを同社のプラットフォームで提供している。仮想通貨ブローカーの検討について、シュワブ社の担当者は「引き続きクライアントのフィードバックに耳を傾け、ニーズを満たす商品を提供していきたい」とコメントした。
チャールズ・シュワブ社は世界有数の大手オンライン証券企業。Fortune 500企業の一角で、米国を拠点に世界各国で事業を展開する。2020年にはナスダック上場企業で仮想通貨マイニング事業を手がけるRiotブロックチェーン社の株式52,000ドル(約550万円)分を購入した経緯がある。
仮想通貨取引所を保有するTDアメリトレードの買収
金融大手のチャールズ・シュワブ社は2019年11月に、ライバル企業のオンラインブローカー企業TDアメリトレード社の買収を発表。20年10月に最終合意に至り、総額220億ドル(約2.4兆円)で買収が決定した。合併後は総額650兆円の資産運用額(AUM)を誇る大型金融機関となる。
合併プロセスは現在も続いており、2月時点で1200人の解雇が発表されている。
特筆すべきはTDアメリトレード社が機関投資家向けの仮想通貨取引所であるErisXに出資している点だ。買収前にはErisXと連携して、仮想通貨取引のサービス提供を目指していた。
米国の金融大手ではツイッター社CEOのジャック・ドーシー氏が創設したSquare社が2018年よりビットコインの売買機能を提供しており、20年には仮想通貨の販売事業から約100億円以上の利益を得たことがSECに提出した書類から判明していた。