CoinPostで今最も読まれています

米州開発銀行とCiti、ブロックチェーンを利用した国際送金に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国とドミニカ共和国間の国際送金

米州開発銀行(IDB=The Inter-American Development Bank)は、4月8日、ブロックチェーンネットワークを利用した国際送金の実証実験に成功したと発表した。この実験は、IDBのイノベーションラボと国際金融大手シティのイノベーションラボが共同で実施。IDBラボが主導する世界的なブロックチェーン団体同盟、「LACChain」が独自に開発したブロックチェーンネットワークを利用した。

送金は米ワシントンDCのIDB本部から、ドミニカ共和国の受取人に対し、複数回行われたという。送金プロセスは以下の通り。

1.IDBがシティの口座にドル建ての資金を預け入れる

2.シティのWorld Link決済APIを用いて、ブロックチェーン上で資金にアクセス

3.トークン化後、デジタルウォレットで送金

4.トークンは、シティの設定為替レートで現地通貨のドミニカペソに変換

LACChainのMarcos Allende技術主任は、LACChainのブロックチェーンでトランザクションを確認できるため、「為替レートや支払状況、および手数料は、常に追跡可能で透明性があった」と説明した。

IBDについて

米州開発銀行=IDBは、中南米・カリブ海地域の経済・社会発展に貢献することを目的に1959年に設立された国際開発金融機関。加盟国は、中南米・カリブ海諸国を中心に日米欧などを含む世界48カ国。IDBは融資や補助金、保証などの金融支援だけではなく、最先端の研究活動を通して、地域の課題に対する解決策を提供しており、ブロックチェーン技術の導入にも積極的な姿勢をとっている。

IBD財務部門のプロジェクトリーダー、Ruben Gutierrez氏は、「IDBグループのミッションを実現するために、革新的技術の追求と採用により、決済プロセスを最適化することが不可欠だ」と述べている。

ブロックチェーンに特化したLACChainプログラムは、IDBのイノベーションラボ(IDBラボ)によって2019年に設立された。

LACChain

LACChainは、金融包摂や消費者保護、また市場の健全性を促進するため、コミュニティとインフラに焦点を当てた開発や管理運営を行う、公的に承認された団体。そのため、特定の用途のための新しいプロトコルではなく、「包括的かつ混合的な利用を目指す汎用的な」ブロックチェーンの利用を可能にする「技術的・法的な枠組み」であると、説明されている。

LACChainには、中南米・カリブ海地域のブロックチェーンエコシステム開発促進のために、世界から様々なブロックチェーン関連企業が参加している。

複数のブロックチェーンネットワークが参加

LACChainは、その設立当時から無料のテストネットを提供しており、公式サイトによると、そのネットワークには執筆時現在、75のノードと44の組織が参加している。メインネットワークには企業向けのイーサリアムクライアントであるHyperledger Besu技術を利用しているが、そのエコシステムには次々と新たなブロックチェーンネットワークが参加しているようだ。

今年、2月には、仮想通貨EOSの基盤であるEOSIOネットワークを開発する、Block.oneが戦略的パートナーとなった。既存のインフラプロバイダーであるEOSコスタリカとEOSアルゼンチンが支援するという。

EOSIOブロックチェーン上には、すでに多くの分散型アプリが構築されているが、LACChainエコシステムでは、中南米・カリブ海地域を拠点とする開発企業が、法定通貨のトークン化と分散型金融、デジタルID、また公共インフラのプロジェクトなどに取り組む予定だという。

さらに3月末には、ブロックチェーンの相互運用性ソリューション、「Overledger」を開発するQuantが、LACChainと提携を結んだ。Quantが支援するのは、Quantのマルチレジャートークン技術(Quant Multi-Ledger Token solution)により、Overledgerに対応した他のブロックチェーンとLACChainに、決済をはじめとする相互運用性を提供することだという。

Quantがまず取り組むのは、トークン化された電子マネーソリューションを使った、地域内での低コストのクロスボーダー送金だが、将来的には企業や政府による決済も視野に入れているという。

LACChainは、複数のブロックチェーンをサポートすることを目指しているため、異なるネットワーク間の相互運用性が、エコシステムが発展するための重要な鍵を握ることになるだろう。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/07 木曜日
10:30
米地裁、バイナンスCZ前CEOの有罪答弁を受理
米国地方裁判所の判事は、仮想通貨取引所バイナンスの前CEOであるCZ氏の有罪答弁を受領した。今後、量刑が行われることになる。
10:02
JPモルガンのダイモンCEO「私が米政府にいれば仮想通貨を禁止する」
JPモルガンのCEOは、米公聴会で仮想通貨を強く批判した。ビットコインなどの仮想通貨に強く反対しているとし、もし自身が政府にいれば、仮想通貨を禁止すると主張している。
07:35
Bitcoin Core、最新バージョンをリリース
仮想通貨ビットコインのソフトウェアBitcoin Coreは、最新バージョンv26.0がリリースされた。一方で、OrdinalsやBRC-20トークンの発行ができなくなる可能性が浮上している。
07:20
仮想通貨Worldcoin、分散化目標と助成金プログラムを初公開
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が他のメンバーとともに立ち上げたAI・仮想通貨プロジェクトWorldcoinは、初の助成金プログラムを公開した。開発者の参入を促す狙いだ。
06:30
アマゾン、プライムゲーミングでGods Unchainedのカード配布実施へ
米アマゾンはAmazon Prime Gamingを通じてWeb3カードゲーム「Gods Unchained」と提携し、ゲーム内カードを無料で入手できるキャンペーンを開始した。
06:02
コインベース、Jitoのガバナンストークン「JTO」新規上場予定
エアドロ前に上場発表 仮想通貨取引所コインベースは、ソラナ(SOL)の大手ステーキングプールJitoのガバナンストークン「JTO」の新規上場予定を発表した。JTOはまだ流通して…
12/06 水曜日
16:05
米コインベース関連団体、大統領候補による仮想通貨討論会を開催
米コインベースが立ち上げた仮想通貨の権利擁護団体「Stand with Crypto Alliance」は、米大統領候補による仮想通貨をテーマとした公開討論会を開催すると発表した。
15:59
オプション市場で5万ドルが意識されるビットコイン相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI
1BTC=45000ドルまで上昇した暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)相場とデリバティブの指標について、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト「仮想NISHI」氏が解説。
13:30
ふるさと納税のNFT採用進む、記念SBTで地域振興図る
日本各地の自治体がふるさと納税の返礼品としてNFTを導入する新しい動向を紹介。JPYC商品券の活用や、海陽町、高松市、岸和田市の先進的な取り組みを探り、デジタル技術を駆使した地域活性化の可能性を探る。
12:23
ビットコイン45000ドルまで大幅続伸、「ビットコインETF」巡るSECの動きに高い関心
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが45000ドルまで急騰した。ブラックロックや米SEC(証券取引委員会)を巡る動きを受け、ビットコイン現物ETFの承認思惑が加速している。
12:00
ビットコインマイニング企業Riot、マイニングマシンを6万台以上発注
米上場仮想通貨マイニング企業Riotは、MicroBTに6万台以上の最新ビットコインマイニングマシンを発注した。これまで最大規模の注文となる。
10:50
自民党主導の「デジタル先端金融議連」、ビットフライヤー等も参加
自民党がデジタル先端金融議員連盟を発足。暗号資産(仮想通貨)交換業者のビットフライヤー、コインチェックが参加。金融DX推進、Web3技術活用で現行制度の課題克服を目指す。グローバルな金融革新の状況を解説
10:30
新作Web3ゲーム「Apeiron」、Sky MavisのRoninチェーンに登場へ
アクシーインフィニティの開発スタジオSky Mavisはゲーム開発企業Fooni Magusとの提携を発表。新ゲーム「Apeiron」をRoninチェーンで展開する。
09:45
仮想通貨法人税制、2024年度も見直しへ
自民・公明の与党は、2024年度に向けた税制調査会を開催し、各省庁から出されている税制改正要望を査定。仮想通貨の法人税制を見直すことが決定したという。
08:40
ビットコイン続伸でマラソンなど仮想通貨関連株も続伸
主要な仮想通貨関連株はビットコインが44,000ドルに続伸したことを受け、6日にも続伸した。伝統金融では昨夜は10月の米求人件数データが発表され、労働市場が冷え込みつつあることが再び示されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/12/08 12:00 ~ 13:00
その他 オンライン
2023/12/12 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧