はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アルゴランドが分散化へ、コミュニティへトークン管理権の譲渡を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コミュニティが32億Algoを管理

分散型パブリックチェーン「アルゴランド(Algorand)」の運営主体であるアルゴランド財団が、さらなる分散化に向け、新規ガバナンス提案を提出した。

同提案がコミュニテイにより可決された場合、「ガバナープログラム」と呼ばれるプログラムが始動し、現在は財団が管理している32億Algo(アルゴランドのネイティブトークン、4,300億円相当)に関する決定権が、コミュニティへ譲渡されるという。

ガバナープログラムの実装

アルゴランドの創設者、Silvio Micali氏のガバナンス提案を基に、コミュニティからの声を反映し起案された今回のガバナープログラムは、アルゴランドガバナンスの更なる分散化を目的としている。

この提案がコミュニティにより承認された場合、ガバナンス参加報酬、リサーチおよびイノベーション基金、ならびに助成金プログラムなどへ割り当てられている、計32億Algo(4,300億円相当)の管理権が、財団からガバナーという役職に代表されるコミュニティの手へ渡ることになる。この32億Algoは、アルゴランド・エコシステム・リソース・プール(AERP; Algorand Ecosystem Resource Pool)と呼ばれている。

出典:Algorandガバナンス提案

ガバナーとは、アルゴランドのガバナンスを担当するAlgo保有者であり、上述のようなガバナンス資金の使い道を含むエコシステム開発の重要な事項の決定に、投票を通じて参加する権利を持つ役割を担う。Algo保有者なら誰でもガバナーになることができるが、投票するごとに3ヶ月間、手持ちのAlgoをステークする必要がある。各投票の重みは、ガバナーがステークしたAlgo量によって決定される。ガバナーとしてAlgoを3ヶ月間ステークしたユーザーは、対価として報酬を受け取ることができる。

現在は財団が主導で投票までの段取りが進められているが、財団自体はガバナープログラムに参加しない。また、ガバナープログラムの始動にはコミュニティの承認が不可欠であり、提案の可否を問うコミュニティ投票が今後実施される。

今後のスケジュール

コミュニティの承認を受けた後、二段階に分けてガバナーシステムが実装される予定だ。21年Q4を目処に第一段階が開始され、システムの一部がオフチェーンで実装される。その後22年前半までに、システム全体がオンチェーンで実装され、スマートコントラクトにより管理されるようになる。

1Algo以上を保有しているAlgo保有者全員へ報酬を付与している現在のガバナンス参加報酬システムは、21年末まで継続する予定であるため、21年Q4にガバナンスに参加したユーザーは、現在のガバナンス参加報酬、およびガバナープログラムでの報酬の両方を受け取ることができる。

提案承認後、32億AERPのうち20億Algo(約2,800億円)が即座にロックされ、一定期間解除不可能になる。この時点で財団は、この20億Algoの管理権を手放すことになる。ガバナープログラムの立ち上げ期間が終了し、スマートコントラクトが管理するオンチェーンガバナンスが確立されると、20億Algoのロックが解除され、ガバナーシステムへと移行される。

AERPのうち残りの12億Algo(約1,600億円)は、ガバナープログラム立ち上げ期間の活動に利用され、オンチェーンシステムの準備が完了すると、他の20億Algoと同じスマートコントラクトへロックされる。AERPはスマートコントラクトによって管理され、ガバナーの承認投票がなければロック解除できなくなる。

長期アルゴ・ダイナミクスモデル

アルゴランドは、今回の提案発表に先立ち、Algo分配方法の変更を述べた計画「長期アルゴ・ダイナミクスモデル」を公開しており、ガバナーの導入は、この計画の第二段階に当たるという。

そもそもAlgoとは、アルゴランドブロックチェーン上のネイティブ通貨であり、チェーンのローンチ時に100億Algoがジェネシスブロック(最初のブロック)で発行されている。今後追加発行や発行枚数の変更は行われない。発行された100億Algoは、当初財団が保有しており、市場へのAlgo投入は財団が管理していた。

2019年6月の最初のオークション、その後のコミュニティへの報酬、初期投資家やリレーノード稼働者への報酬、助成金、および販売を介して、現在までに総発行数の半分以上が市場へと放出された。

最初の計画では、100億Algoのうち30億が自由裁量で使える資金に割り当てられており、ローンチから4年経った2024年までに30億Algo全てを配布する予定だった。

しかしアルゴランド財団は、長期的なAlgoの保有、ならびにブロックチェーン上での経済的およびビジネス的活動を推奨し、トークン経済へ好影響をもたらすことを目的として、「長期アルゴ・ダイナミクスモデル」と題した計画の下、配布期間の終了を当初の2024年から2030年に再設計した。

当初のAlgo分配計画では、Algoネットワークにいる全ての参加者が利益を得られるように設計されていた。長期アルゴ・ダイナミクスモデルでは、ガバナンスに参加し、Algoを長期間ロックすることによりネットワークへ積極的に貢献している参加者へ、利益が還元される仕組みになっている。

また、資金の割り当ておよび配布計画が明確に規定されているため、インフレを回避し、市場でAlgoの希少性を維持することを目指して設計されているとのことだ。

創設者の展望

アルゴランドの創設者、Silvio Micali氏は、今回のガバナンス提案の基盤ともなっている過去のガバナンス提案にて、アルゴランドにおけるガバナンスには、以下の要素が必要であると主張している。

  • 自発:アルゴランドのアカウントは、ガバナンス参加または不参加を自由に選択可能
  • 補償:ガバナンス参加者は補償を受けられる
  • 監視:実際にガバナンスへ参加しているかどうかを確認するために、ガバナンスに参加するアカウントは監視される
  • ロック:ガバナンスはアルゴランド・エコシステムの成長に大きく関係しているため、ガバナンスに参加するアカウントは、自身のトークンをロックしなければならない

またMicali氏は、ガバナンスプロセスにおける財団の役割は、あくまでコミュニティを手助けすること過ぎず、決定を下すのはガバナーであるということを強調しながら、従うべきガバナンスプロセスの指針として、以下を挙げている。

  • 名前、ID、概要などを含む投票セッションの実施
  • 投票期限の設定
  • 透明性の維持
  • 検閲耐性の維持
  • スパム禁止
  • 「財団と同じ投票」オプションの導入
  • ガバナーのみ投票可能、票の重みはロックされたトークン量に比例
  • ガバナンス参加を監視
  • 高い利便性
  • ガバナンス鍵の分離

関連:アルゴランド版USDCが利用可能に──Algorand 11月マンスリーレポート|公式寄稿

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/18 木曜日
18:27
ユニスワップ、1億UNI焼却提案の最終投票開始へ 流通量の16%
分散型取引所ユニスワップが1億UNI焼却を含む「ユニフィケーション提案」の最終投票を12月19日に開始。可決されれば手数料スイッチが起動し、UNIトークンは収益を生む資産へと転換する。
17:22
YO Labs、トークン化ゴールド「yoGOLD」の事前預入を受付開始
YO Labsがトークン化ゴールド(XAUt)で利回りを獲得できるイールドボールト「yoGOLD」を発表。金を預けて利回りを得られる。現在、事前預入を受付中。
16:43
トランプ大統領、次期FRB議長に「大幅利下げ支持」と宣言 
トランプ米大統領が次期FRB議長について「大幅な金利引き下げを支持する人物」と表明。金利1%以下を主張し、FRBの独立性を巡り議論を呼んでいる。QT終了や史上最大の税還付シーズンと相まって、仮想通貨市場への影響が注目される。
15:08
ハイパーリキッド、約1557億円相当のトークンをバーン認定へ 供給量13%削減目指す
分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが約1,557億円相当のHYPEトークンをバーン認定する提案を発表。承認されれば流通供給量の13%が永久除外される。取引手数料の99%を自動買い戻しに充てるアシスタンスファンドのトークンが対象で、秘密鍵のないアドレスに保管され引き出し不可能。バリデーター投票は12月24日締切。
13:45
ソラナ、テストネットで耐量子署名を導入 量子コンピュータ対策で業界をリードか
ソラナ財団は量子コンピュータの脅威に備え、テストネットに耐量子署名を導入した。Project Elevenとの提携により実証実験に成功し、実用的な量子耐性が確認された。
13:15
仮想通貨詐欺対策強化 米上院議員、セーフクリプト法案を提出
米上院議員がビットコインなど仮想通貨関連の詐欺に対策する法案を提出した。米財務省や規制当局が連携するタスクフォース設置を目指している。
12:35
バイナンス、7つの個人・団体をブラックリスト入り
バイナンスが7つの個人・団体をブラックリスト指定。詐欺行為の通報者に最大500万ドルの報奨金。内部情報漏洩事件を受け、上場プロセスの透明性を強化。
11:55
ビットコイン一時9万ドル回復も急反落、市場の脆弱性露呈と日銀会合への警戒感が台頭
ビットコインがFRBハト派発言で9万ドルまで急騰後、88,500ドル付近に反落した。過去2日間でBTC・ETHのETFから10億ドル超の純流出を記録し、市場構造の脆弱性が露呈。日銀利上げ観測と米CPI発表を控え、短期的な下押し圧力が継続する見通し。
11:25
米SECが「仮想通貨証券」の保管規則を明確化、ブローカーディーラー向けに指針を提示
米SECが仮想通貨証券の保管に関する見解を発表しブローカーディーラーが物理的保管とみなされる条件を明確化した。分散型台帳技術の評価や秘密鍵の保護、緊急時の対応計画などが求められている。
10:53
イーロン資産が93兆円突破、トム・リー「CEO個人価値のトークン化」構想とは?
イーロン・マスク氏の資産が史上初の6000億ドル(約93兆円)を突破。スペースX急騰が背景に。一方、トム・リー氏が提唱する「CEO個人価値のトークン化」構想が注目を集めている。企業価値から経営者の影響力を分離して投資できる革新的手法とは。
10:45
ブータン、ビットコインを特別行政区「GMC」に拠出へ
ブータンの特別行政区GMCは、ブータンが国としてGMCの長期的な発展を支援するために最大1340億円相当の仮想通貨ビットコインの拠出を誓約したと発表。今後の計画について説明した。
10:30
「ビットコインは脆弱な構造の中で推移」グラスノードの最新レポート
グラスノードの最新レポートによると、仮想通貨ビットコインは需要衰退で脆弱な構造の中取引されている。今後は10万ドル回復が上昇の鍵だと分析している。
10:10
ビットコイン乱高下、日銀政策決定会合を控え警戒感高まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で約80万円の乱高下となった。米株式市場の取引開始前、FRBのウォーラー理事が今後も利下げを継続すべきとの見解を示したことを受け、リスク資産全般が買われ、一時は9万ドルを突破した。
09:45
カリフォルニア州知事がトランプ大統領の仮想通貨関連恩赦を批判、CZ氏ら含む
米カリフォルニア州のニューサム知事がトランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判している。バイナンス創設者CZ氏やシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、ビットメックス共同創設者らへの恩赦が対象となっている。
08:35
米コインベースが株式・予測市場など新サービス展開、総合取引所へ移行
米コインベースが単なる仮想通貨取引を超えた大規模拡張を発表した。株式取引、予測市場、ソラナDEX統合、カスタムステーブルコインなど複数の新機能を導入し多様な資産を扱う総合プラットフォームを目指す。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧