錯綜する中国のマイニング情報
中国の暗号資産(仮想通貨)マイニング主要地域である雲南省で、マイニング禁止令の通知が下されたという一部の報道があったが、それが確実な情報ではないとの指摘が確認されたようだ。
その経緯は、Forkast NewsやThe Paperなどの関連メデイアが雲南省のエネルギー管理局の文書を引用したことにある。11日の報道によると、当局はマイニング業者に直ちに業務をシャットダウンすることを伝える内容だという。
しかし、CoinDeskが取材した内容によると、大手マイニングプールBTC.topの代表は当局から通知を受けたことを否定し、エネルギー管理局の文書の真偽を確認できないとコメント。「うちの従業員の1人はForkast Newsに政府がシャットダウンする*可能性を話したが、実際政府がそれを実行するか、執行ポリシーを制定したかに関しては不明確で、『確実に起こる』とまでは断言していなかった」と説明した。
WuBlockchainによると、雲南では水力発電によるグリーンのエネルギーが主な電力ソースだという。
This is inaccurate and should be verified by multiple miners in China. The government documents circulating on the Internet today are false. Yunnan mainly uses green hydropower, and the miners have not stopped all of them for the time being. https://t.co/5twaWS55LY
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) June 11, 2021
そのほか、CoinDeskは複数の情報筋に取材し、引用された文書はおそらく偽造されたものの可能性があると報道。例えば、中国での仮想通貨マイニング事業に関わるWaterdrip CapitalのパートナーであるYushan Zheng氏は「知る限りでは、雲南省のマイナーはそのような通知を受けていないと思う」とコメントした。
また、Zheng氏は書類のタイトルや印鑑の位置などから、本物の政府公式書類ではない可能性が高いと指摘したという。
現時点では、公式の書類発表は確認できないため、より正確な情報は判明できないが、中国は省・地域ごとにそれぞれの方針や措置があるため、関連する情報もますます複雑となった。また、先日新疆と青海政府は内モンゴルに続き、5月末に国務院が公表した仮想通貨マイニングの全面的廃止方針への実施方向に動き出した背景もあるため、中国のマイニング業者にはよりセンシティブな状況となってきている。
Forkast Newsなどはすでに記事内容を訂正している。