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日米株式市場は一夜明けて大幅反発、ビットコインは瀬戸際の攻防に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場と金融マーケット

22日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-7.48%の360万円(32,600ドル)と大幅下落した。

22日9時時点では、サポートラインの31,000ドルまで掘り進む場面もあったが、約1,500ドル幅反発した。

市場予想を上回る早さで、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げの可能性が急浮上した影響でリスクオフに傾いた株式市場では、米ダウ平均株価が6営業日ぶりに大幅反発。日経平均株価も前場に前日比800円高を超えるなど大きく反騰しており、金融マーケットの地合い回復に伴うセンチメント改善も後押しした。

仮想通貨市場では、要所では押し目買い意欲も見受けられる一方、下落トレンドでアルト市場からの資金抜けが顕著となっており、底割れた場合はロスカットの連鎖も発生し得ることから、及び腰になりがちな局面と言えそうだ。

直近相場について、データ分析企業Crypto QuantのKi Young Ju氏は、大口投資家が仮想通貨取引所に資金移動させていることを指摘。小口投資家のリテール動向を大きく上回っていると指摘した。

同氏は、「一つの指標で将来を予測することは難しい」と前置きしつつ、総流入量に対する上位10取引所のトランザクションを推し量る「Exchange Whale Ratio」に基づいたものは、過去何年も使用してきたものだとしてインジケーターの信憑性について強調した。

一方、中国マイニング規制に伴うマイナーの売り圧力懸念については、仮想通貨取引所に送られるBTC量の減少から否定している。後述する中国マイナーの海外移転動向を鑑みても、多くのマイナーによる事業の完全撤退・保有BTCの大量売却リスクは、現時点では低いと見られる。

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ByteTree Asset Managementのデータによれば、今年5月の暴落以降、ヨーロッパとカナダの上場投資信託と、米国、カナダのクローズドエンド型仮想通貨ファンドのビットコイン保有量は大幅に減少。

Galaxy Bitcoin ETF(上場投資信託)、3iQ CoinShares Bitcoin ETF(QBTC.U)、カナダのビットコインETF(BTCC)を含む上場投資信託(ETF)が保有するBTCは、過去30日間で28,785BTC下がっている。

中国が規制強化に本腰

昨今の軟調相場のひとつの要因として、中国マイニング事業者への規制強化が挙げられる。7月1日に迫る中国共産党の「創立100周年」の影響と、政府のコントロール下にある「デジタル人民元」の存在が背景にあるものと見られる。

Global Timesが報じた環球時報のレポートによれば、当初、ビットコインのエネルギー問題を念頭に、水力発電中心の四川省の規制当局は、よりソフトなアプローチを取るとの観測もあったが、そうはならず。結果的に四川省の採掘事業者も規制強化の対象となった。

この点について、オブザーバーは次のように述べている。

「地元経済に一定の利益があるにも関わらず、これを除外した。マネーロンダリングや金融・経済リスクのコントロールを重視し、投機的な仮想通貨取引を制御するという中国規制当局の決意の表れを強調している。」

中国では、すでに新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、中国・雲南省がビットコインの採掘制限に関する規則を発表している。短期的には、中国のビットコイン採掘能力の内、90%以上が閉鎖されると推定されるが、これは国際ネットワークの処理能力の1/3規模に相当することから、ハッシュレートへの影響も甚大だ。

ハッシュレート

ハッシュレートとは

ハッシュレートとは、マイニングの採掘速度を指す。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。

▶️仮想通貨用語集

一方、中国拠点の大規模マイニングファームは、電気代など設備投資が比較的安価な米国、カナダ、カザフスタンの候補地に移転される見込みで、ハッシュレート分散化の観点から、中・長期的にはポジティブに働く可能性が高いと考えられる。

Wu Blockchain(@WuBlockchain)の指摘によれば、ジハン・ウー氏が率いるクラウドマイニング企業Bitdeerは、中国当局の規制強化を予見して、すでに中国から米国、北ヨーロッパ、南アジアに複数のマイニングファームを移転している。

関連:ビットコインの採掘機器、中国から米国へ空輸事例=報道

中国事情に詳しいLinks株式会社COO Sonny Wang氏による動画解説は以下。

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