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ビットコインの電力消費量、数ヶ月で大幅低下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTCの電力消費量が低下中

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の電力消費量が、ここ数ヶ月で大幅に減少している。ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターの算出する「ビットコイン電力消費指数(CBECI)」のデータで分かった。

CBECIは、正確な電力消費量が確定できないことを前提として、ビットコインの年間総電力消費量について、理論上の下限値と上限値も算出している。まず下限値は、すべてのマイナーが市場で入手可能なマイニングマシンのうち、最もエネルギー効率の高いものを使用しているとの仮定に基づく。

上限値は、すべてのマイナーが最もエネルギー効率の悪いマシンを使用していると想定した場合の推定電力消費量だ。その上で、マイナーが収益をえられる限り様々なマイニングマシンを使用するという設定の、より現実に近いと考えられる数値を公式の推定値としている。

マイナー

マイニングを行う人や組織を指す。主に「採掘業者」のこと。

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推定値は24時間ごとに更新されており、記事執筆時現在で、約67 TWh(テラワット・アワー)だ。約144 TWhの史上最高値を記録した5月から大幅に減少している。

また理論上の最大値は5月の520 TWhから162 TWh、最低値は47 TWhから24 TWhと、どちらも急激に減少した。

出典:CBECI

この背景としては、中国での仮想通貨規制強化も大きいとみられる。中国の金融監視機関は5月19日に仮想通貨禁止方針を改めて強調、5月21日に国務院でマイニングや取引の取り締まり強化が発表された。この頃より、消費電力推定値も急落を始めている。

炭素排出量は低下し続けるとの分析も

ビットコインについては、その電力消費に伴う炭素排出量が議論されてきた。元エンジニアで、2014年よりビットコインについてリサーチしているHass McCook氏は、Bitcoin Magazineで今後ビットコインの炭素排出量は低下していくだろうとの予測を発表した。

その上ではマイニングマシンの電力効率性向上、国際的にすすめられる炭素排出電力の削減や、再生可能エネルギー源の増加を前提とした。また、ビットコインマイナーはコスト削減のために安価な電力を求め、安価な電力は再生可能エネルギーにより生み出されている場合が多いことも考慮。

こうしたことを考え合わせてMcCook氏は、2026年にはビットコインからの炭素排出量は現在の3分の1以下になり、2031年にはゼロになると分析している。McCook氏は次のように述べた。

ビットコインの炭素排出量は数ヶ月前にピークを迎えたようにみえる。また中国でのビットコインマイニングが禁止されたことで、排出量ゼロへの積極的な歩みを開始したと考えられる。

5年後のビットコインの排出量は、現在の排出量の3分の1以下になり、10年後にはビットコインの排出量はゼロになると予想される。

仮想通貨マイニングが盛んになり始めた北米では、再生可能エネルギーによるマイニングに注力する企業も増えてきた。

一例として6月には、ツイッター創設者Jack Dorsey氏が率いる米決済企業スクエア(Square)と、ブロックチェーン技術企業Blockstreamが提携し、米国で太陽光発電によるマイニング施設を設立する計画を発表。

再生可能エネルギーを100%使用したマイニングについて実証する試みともなり、一般に運営データを公開して業界が参照できるモデル事例を作るとしている。

関連「太陽光発電によるビットコインマイニング」のモデル事業を 米スクエアとBlockstreamが提携

またBTC採掘評議会は先日、世界のビットコインマイニング企業が使用する電力の56%が再生可能エネルギーだという調査結果を発表したところだ。

関連ビットコインネットワークの56%が再生エネルギー利用=BTC採掘評議会

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