GDA社、新たな採掘拠点設立へ
暗号資産(仮想通貨)マイニング企業のGenesis Digital Assets(GDA)社は28日、1億ドル以上(約140億円)の資金調達を完了したことを報告。米国と北欧地域におけるマイニングを目的としたデータセンターの建設に充てる計画を明らかにした。
Genesis Digital Assets社は2013年設立のビットコイン(BTC)マイニングの大手ファーム。発表によれば、ビットコインのマイニングハッシュレート(採掘速度)の2.6%以上に相当する2.6EH/sのデータ処理能力を保有。
2013年末までに建設される米国と北欧地域のデータセンターからさらに5.5EH/sのハッシュレートを増やし、最大出力を1ギガワットに到達する見込みだという。
140億円相当(1.25億ドル)の資金を出資したのは英国のプライベート・エクイティ・ファンドであるKingsway Capital社。資産運用残高(AUM)は20億ドル(約2,200億円)に上る。
また、Kingsway Capital社の出資に伴い、同社のManuel Stotz CEOもGDA社の取締役会への就任が決定し、Stotz氏は以下のようにコメントした。
ビットコインは、世界の貧困層や銀行口座を持たない人々の金融包摂にとって最も重要な技術になる。マイニングはこれを可能にするセキュリティを提供している。
GDAは、ビットコインマイニング業界が誕生してからまだ12年しか経っていない中、8年近くにわたって収益性の高い大規模なビットコインマイニングファームを構築してきた。マイニング業界でこれほどの経験を持つ企業は他になく、同社の更なる成長と長期的なビジョンをサポートできることを非常に嬉しく思う。
情勢変わりつつあるマイニング
中国からマイナーが撤退を余儀なくされている中、ビットコインをはじめとする仮想通貨マイニングの情勢が変わりつつある。
これまでビットコインネットワークのハッシュレートの6割を担った中国から、マイナーは米国やカザフスタンなど、各地へ拠点を移動中。最新のケンブリッジ大学の統計では、中国の取り締まり強化が明らかになった5月以前の21年4月時点から中国のハッシュレートが46%まで低下していた。
米国では各州がマイニング企業を誘致する政策を進める動きが活発化してきており、GDA社の新たなデータセンター開設もこのような動きの一部と捉えられるだろう。
関連:中国のビットコインマイナー大量撤退で激変する勢力図、新たなマイニング拠点は?