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中国のビットコインマイナー大量撤退で激変する勢力図、新たなマイニング拠点は?=英ケンブリッジ大学の最新データ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン採掘、最新データが判明

英ケンブリッジ大学傘下の独立プロジェクトであるCBECIは15日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)マイニングに関する最新の統計データを発表した。21年4月時点で、中国内のハッシュレートが減少傾向にあったことが確認された。

最新のデータは、ケンブリッジ・ビットコイン電力消費インデックス(CBECI)のデジタルツールのアップデートを受け、発表されたものだ。BTCハッシュレート(採掘速度)の約37%に相当する大手マイニングプールのBTC.com, Poolin, ViaBTCとFoundryなどがマイニングに関するデータを提供することで、より詳しい実態が明らかになった。

CBECIは、英ケンブリッジ大学傘下のケンブリッジ・オルタナティブ・ファイナンス・センター(CCAF)のデジタル資産プログラムが手がけるプロジェクト。2019年9月よりビットコインの電力消費量に関するデータを統計しており、大手メディアや調査レポートなどで頻繁に引用されている。

今年2月には、大手メディアBBCがCBECIの統計を基に、ビットコインネットワークの年間消費電力量が膨大であるとの批判が持ち上がった。国の電力消費量と並べた際、アルゼンチンやオランダ、アラブ首長国連邦(UAE)をも上回り、TOP30にランクインする規模だと指摘して、仮想通貨の環境負荷に関する議論が再燃した。

関連:ビットコイン高騰でマイニング(採掘)の環境問題が再浮上、今後の課題

最新のデータによれば、中国の採掘能力は統計開始時点(2019年9月)の75.5%をピークに、21年4月時点では46%と総ハッシュレートの内、中国が占める割合が大幅低下。一方、同期間では米国が4.1%から16.8%と2位に浮上したほか、中亜カザフスタンはおよそ6倍の成長を見せた。

直近では、中国規制当局が5月下旬に仮想通貨マイニングに対する取り締まり強化を表明して以来、ハッシュレートの分散化(脱中国)が進んでいるが、それ以前から中国のマイニング領域における占有率は低下傾向にあったことが伺える。

出典:CBECI

その他、ハッシュレート上位を記録した国家は以下の通り。

  • 中国:46%
  • アメリカ:16.8%
  • カザフスタン:8.2%
  • ロシア:6.8%
  • イラン:4.6%
  • マレーシア:3.4%
  • カナダ:3%
  • ドイツ:2.8%
  • アイルランド:2.3%
  • その他:5.9%

ロシア連邦は、第4位の6.8%に。米国による経済制裁に対抗する手段として、マイナーが採掘した仮想通貨を貿易資金として活用するイランが第5位にランクインした。なお、日本のBTCハッシュレートは世界の0.18%に相当するという。

関連:イラン中銀、仮想通貨を「貿易資金」として利用検討

また、ケンブリッジ・オルタナティブ・ファイナンス・センター(CCAF)のデジタル資産部門主任のMichel Rauchs氏は、これまで逸話的にしか観察されていなかった中国における季節的なマイニング拠点の移動パターンを初めて確認することに成功したと言及。ハッシュレートの37%に相当するデータはビットコインの採掘事情について実証的な見解をもたらすと述べた。

出典:CBECI

Rauchs氏は、乾季と雨季の間でマイナーが北部の新疆ウイグル自治区から南部の四川へ移動されていることが確認されたと指摘。四川省は豊富な水資源を活かした水力発電が発展しており、雨季には水力発電由来の安価な電力を使いに南部へ移動、乾季には火力発電が大半を占める新疆へ拠点を移動している傾向が伺える。

雨季に当たる2019年6月、英仮想通貨企業CoinSharesが発表した調査レポートでは、世界のハッシュレートの50%が四川省から起因しているデータも出ていた。

関連:ビットコインマイニング業者の生態から見る、仮想通貨市場への影響

データの統計方法

なお、CBECIの提供するビットコイン・マイニングのデータは、ビットコインネットワークの算出能力(ハッシュレート)の約37%に相当する大手マイニングプール4社の位置情報を基にしている。ビットコインネットワーク全体のマイナーのデータは含んでいないため、実際のデータとは異なる可能性があるほか、VPNなどを利用して位置情報が実際とは違う場合もあると統計の制限を明記している。

また、歴史的には中国に拠点を置いてきたマイニングプールが多い為、実際には中国のハッシュレートが統計より少ない場合も有り得るとした。

今後の調査

さらに、CCAFは今後、電力消費量とハッシュレートの位置情報を基に、ビットコインの温室効果ガス排出量を算出する新たな統計モデルを検証してると言及。現在と異なる観点から、BTCマイニングの環境への影響を査定する指標の再生に取り組んでいると説明した。

Rauchs氏は機関投資家が仮想通貨市場を監視する中、今後もESG投資の観点から、環境への悪影響の削減は課題になるだろうと予想。マイニングにおける脱二酸化炭素は業界において、引き続き重要な要素になるとした。

ESGとは

環境(Environment)社会(Social)ガバナンス(Governance)の略称。事業面のポテンシャルだけではなく、多角的な側面から産業の影響を考慮した上で、環境問題や社会問題、国連の持続可能な開発目標(SDGs)などに貢献することが企業責任となりつつある。

▶️仮想通貨用語集

今月1日、北米の仮想通貨企業を中心としたビットコインマイニング評議会(BMC)が発表した四半期レポートでは、BTCネットワークのハッシュレート32%に相当する23社の内、67%が再生可能エネルギーを利用していると回答。2Qにおける使用電力は世界全体で見ると0.117%に満たないと報告し、ビットコイン全体では約56%が再生可能エネルギーを利用していると予測していた。

関連:ビットコインネットワークの56%が再生エネルギー利用か=BTC採掘評議会

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