クラーケンの7月度レポート
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンが、7月度の市場レポートを発表、ビットコイン(BTC)関連のデータや動きについても観測し、今後のトレンドについて予測を述べた。
ビットコインは7月度、+18%の騰落率を記録。アルト銘柄の+7%を上回ったが、年初来騰落率ではアルトコイン優勢な傾向が伺える。1位は400倍のドージコイン(DOGE)。
また、アルト銘柄の中ではユニスワップ(UNI)が13%の騰落率を見せた。
また、ビットコインとゴールド(金)の相関性が2月以来、6ヶ月ぶりにプラスに。株式市場が過去最高値を続々と更新した中、BTC価格と金の値動きが類似した動きを見せた影響だと分析した。
さらに、仮想通貨市場の過熱感を示すFear & Greed Indexは7月下旬に急激なペースで「強欲」エリアに到達。この上昇は相場のブレイクアウトと一致していたため、相場のセンチメントを反映していると仮定した場合、今後の先行きは明るい可能性があると予測した。
他にも、オンチェーンデータからは大口のBTC保有者やマイナーが買い増しを続けたと指摘。貯蓄傾向が続いたことで、流通市場におけるBTC供給量が減少し、BTC市場にとっては前向きなシグナルであると捉えた。
好調なNFT銘柄
カテゴリー別ではNFT銘柄が+112%の月間騰落率を記録し、市場の活況ぶりをうかがわせる結果となった。シャープレシオはビットコインの6を大きく上回る17.4に達した。
シャープレシオとは
投資リスクに対しどれだけ収益が見込まれるかを示す指標。リスクの低い債券と比較して、どれだけの収益があるかを可視化したもので、1963年にウィリアム・シャープ氏が考案した。
▶️仮想通貨用語集
特に上昇が顕著だったのは人気が高まっているアクシーインフィニティで、ネーティブトークンのAXSは月間640%の急上昇をマーク。
CMCの時価総額ランキングでも50位以内へ浮上した。
関連:NFTゲーム「アクシーインフィニティ」、取引総額が1,200億円突破
NFT銘柄の人気が再度高まったことや、アルト銘柄の好調を受け、注目が集まる「アルトシーズン」の到来については、ビットコインのドミナンスがカギを握るとKrakenは分析。7月には直近3ヶ月では最高の48.4%を記録したという。
8月の歴史的データ
レポートによると、ビットコインは今年7月にかなり良いパフォーマンスを見せており、所有者は+18%のリターンを得ている。過去における7月の平均リターンは11%で、これを上回った。
一方、過去データを参照すると、7月に比べると8月のパフォーマンスは冴えないことが多い。「平均リターンは2%、中央値は-7%」で、「2011年以降、8月が7月のパフォーマンスを上回ったのはわずか3回だけである」という。
ただ歴史的には、3Q(第3四半期)全体の騰落率は偏差が大きいことで知られているため、中長期の動向を予測するのは困難であるとした。
「クジラ」やマイナーの動き
Krakenによると、1,000 BTC以上を保有するクジラ(大口投資家)の群れは、6月に約30,000BTCを手放していたが、7月20日にビットコイン価格が3万ドル(約330万円)から反発を始めた後、再びビットコインの蓄積を開始。これは、大口投資家が価格の上昇を予測していることを示すと捉えた。
また、BTCマイナーも、7月には1か月を通して、新たに採掘したコインを売却せずウォレットに蓄積したと指摘。「マイナーはビットコインの見通しが明るいと考えている」と、次のように説明した。
7月にビットコインが大幅反発したことで、8月はマイナーの蓄積が活発化することが予想される。今後1ヶ月間はマイナーの蓄積が活発化し、市場で取引可能な供給量がさらに減ることになるだろう。