NY市長選、仮想通貨導入も要点に
米国の大都市ニューヨーク市長選で、候補者の2名は暗号資産(仮想通貨)の普及に前向きな姿勢を示している。
共和党派の市長候補であるCurtis Sliwa氏は2日、市長に当選した折にはニューヨーク市を「米国で最も仮想通貨フレンドリーな都市にする」と言及。また、固定資産税、罰金、手数料も仮想通貨で支払えるようにすべきと述べたほか、仮想通貨ATMをさらに増設し、企業の仮想通貨対応を促すインセンティブを設計したいとも発言。ニューヨークの経済圏を近代化し、全ての人が利用できる仕組みを作りたいとした。
Sliwa氏の投稿したイメージ図では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP(リップル)とドージコイン(DOGE)のロゴが描写されている。
As NYC #Mayor, I will make #NYC the most cryptocurrency-friendly city in the nation
— Curtis Sliwa for NYC Mayor (@CurtisSliwa) September 1, 2021
Property taxes, fines & fees will be payable in #crypto
We will open more crypto ATMs & incentivize businesses to accept crypto
We must modernize our economy & make it accessible for ALL! pic.twitter.com/WW2zPncEps
党派越えて仮想通貨支持
一方、民主党派の市長候補であるEric Adams氏も今夏、ニューヨーク市の近代化を政策の一つとして掲げており、要点の一つとしてビットコインの拠点になると述べていた。
1年後には全く別の都市になることを約束する。
我々は様々な企業をここに誘致する。ニューヨークはライフサイエンス、サイバーセキュリティ、自動運転車、ドローン、そしてビットコインの都市になるだろう。
Adams氏は2015年にもビットコイン(ATM)やエアビーアンドビーなどをニューヨーク中に配置したいと述べたこともあり、クリプトだけではなく全般的な近代化を望んでいる格好だ。
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また、6月には市長選から脱退した元大統領候補のAndrew Yang氏も21年2月、「市長としてニューヨーク市をビットコインをはじめとした仮想通貨のハブにしたい」と言及した背景がある。
米国内の対応
連邦政府レベルでは、インフラ法案やSEC(証券取引委員会)とリップル社の訴訟などに代表されるように、米国の仮想通貨規制は明白性に欠けていることが指摘されているが、州・自治体レベルでは仮想通貨に積極的な地域が散見されている。
2021年に入り、仮想通貨を大々的に受け入れた代表例はフロリダ州のマイアミ市だろう。年初にFrancis Suarez市長がマイアミ市の財務資産の一部としてビットコインを組み入れる構想が一躍注目を集めると、2月には市職員の給与支払いでビットコイン対応が可能に。
その後、5月末には「ビットコイン・カンファレンス2021」の開催地としてマイアミが選出されたほか、8月には独自のシティコイン「マイアミコイン」の発行が開始。ローンチから1週間でマイニング収益としてマイアミ市に約1億円が還元されていたという。
州単位では、テキサスやワイオミング、サウスダコタ州なども仮想通貨やブロックチェーン企業優位の法整備を進めている。