ビットコイン相場と金融マーケット
週明け6日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比+4.15%の566万円(51,716ドル)と上昇した。51,139ドルは、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%戻し。
200日移動平均線(46,100ドル)を背にサポートライン(下値支持線)が機能した。売りをこなして揉み合いながら5万ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を上回っており、トレンド継続を印象付ける。
アルト市場も引き続き良好で、国内上場銘柄ではXRP(リップル)が前日比+6.34%で1.3ドル水準を回復したほか、オーエムジー(OMG)が前日比+18.7%と高騰した。
OMGは、ユーザーや企業に通貨や資産管理、送金などを低コストで行える分散型ソリューションの提供を目的とした「OMG Network」上で使用されるトークン。イーサリアム・チェーンにおけるスケーラビリティ向上のためのセカンドレイヤー・ソリューションの一つ。
2017年に「OmiseGo」として開発・運営が始まり、20年6月に「OMG Network」へとリブランディングされた。
国内取引所では、GMOコインが20年7月に取り扱いを始め、21年4月にコインチェック、同年7月にbitbankへと上場していた。
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オンチェーンデータ考察
オンチェーンデータは強気を維持し、仮想通貨取引所における現物の外貨準備高は、数年ぶりの低水準にとどまっている。
UTXO(Unspent Transaction Output)のAge(保有期間)分布メトリックの考察によれば、7月下旬に29,000ドルから42,000ドルまでの反発時に3〜5年の中期保有者が利益確定行動に移った。(下図:2段目)
その後、8月にかけて買い集めを再開している。
UTXOは、「未使用トランザクション(アウトプット)」を示しており、いわゆる通帳のような記帳ベースではなく、ネットワーク上の各取引データに基づいて残高計算する方法だ。
5〜7月に発生した強い下落トレンドでは、1〜6ヶ月の短期保有者が、底値付近でパニック売りしたことを示唆しており、売り一巡で需給が改善されたことにより、上値が軽くなった可能性が高い。
CryptoQuantのオンチェーンアナリストGaahCordeiro氏とCryptopotatoのDanielJoe氏は、12か月以上経過したコインの売り圧力が減少し、蓄積フェーズに戻る現象は強気相場の特徴だと結論付けている。
ブルームバーグのストラテジストは強気
ブルームバーグのストラテジストであるマイク・マッグローン氏は、「金と債券を組み合わせたポートフォリオ(保有資産配分)にビットコインは欠かせない」と指摘。「1BTC=10万ドル、1ETH=5,000ドルに至るこの先のシナリオは最も抵抗が少ないように映る」として、更なる上昇は既定路線との見立てを示した。クリプト・アウトルック2021の9月版で明かした。
一方、JPモルガンのアナリストは、「現在、市場におけるアルトコインの取引が全体の約33%を占めている」と指摘。froth(小さなバブル)状態にある、として顧客向けレポートで警鐘を鳴らした。
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