トルコリラ建で最高値更新
再び高値に迫るビットコイン市場で、一足先にトルコリラ建で過去最高値が更新された。
ビットコイン/TRY(トルコリラ)市場は、4月に更新した最高値を上回り、過去最高値をつけた。
14日のビットコイン市場でもドル建てが前日比5%高で推移する中、TRY建が8%高と高い変動率を記録している。
外国為替市場でトルコリラ(TRY)が急落した影響。「エルドアン大統領がトルコ中銀金融政策委員会(MPC)のメンバー3人を更迭した」とする報道を受け、対ドルで9.1883TRYと過去最安値を更新した。円建てでは昨年11月以来の安値を付けた。
ビットコインの国際取引比率を掲載するCoinHillsでは、トルコリラの取引は6位に位置するなど、取引量も活発になりつつある。 圧倒的なシェアで1位に位置する米ドルに続き、2位がユーロ、3位に日本円がランクインする。
同国通貨の下落で直近のインフレ率が悪化しており、資産保全や投資の手段として仮想通貨の人気が高まっている。
同国の仮想通貨取引所Paribuが行なった最新の調査(Akademetre Researchが調査代行)では、回答者1400人のうち7.7%が仮想通貨取引を行なっていると回答。前年比で11倍水準まで増加した。
一方、トルコ政府は仮想通貨の決済利用を今年、禁止した。カブジュオール総裁は「暗号資産を禁止することで解決することはできない。禁止するつもりはない」としつつも、仮想通貨が中銀などが実施する規制の対象外であり、決済手段に利用して回復不可能な損害が出る可能性を警戒している。
また、国内の取引活発化に伴い、一部で詐欺の疑いが浮上。仮想通貨事業者が相次いで閉鎖し、詐欺の疑いで実施した捜査の結果、関係者が拘束される事例も相次いでいる。
こういった背景の中、規制の整備を急いでおり、仮想通貨事業者への一定の資本を求めるほか、課税も検討している。