はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

森長官の4期目はあるのか|金融庁長官人事が仮想通貨業界に与える影響とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁の人事異動とその影響
一部のメディアから史上最強と評されるほど、金融庁長官として異例の3期目を務めている「森」氏。 この夏、新しい長官人事が発表される事が予想される中、森長官の4期目はあるのか、森長官は仮想通貨に対してどのようなスタンスなのか、あるいは人事交代が仮想通貨業界にどのような影響を及ぼすのか、今回CoinPost編集部にて考察しました。
金融庁とは
金融機関を検査・監督していた金融監督庁と、金融制度の企画・立案を担っていた旧大蔵省の金融企画局を統合し、2000年7月に発足した行政機関のこと。日本の仮想通貨業界を監督する立場でもあり、仮想通貨取引所に対する認可登録の権限を持つほか、業務改善命令などの行政処分を下すなど、利用者保護を第一に業界の健全な発展を目指している。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

森体制の4期目続投はあるか

金融庁長官は2期までが通例でしたが、森長官は、麻生太郎財務大臣や菅義偉官房長官からの信頼が厚く、異例の3期目続投で現在に至っています。

銀行、証券、保険など金融分野を監督している他、「許認可の権限」を持つ事から、財務省を凌ぐ現在の最強官庁との呼び声も高いです。

そのため、時の権力者のように語られる事が多いのですが、森長官が大事にしているのは「消費者保護」と「消費者の利益」であり、投資家の利益を大事にされている方で、手数料の獲得を第一とする証券業界の投資信託販売姿勢に対して厳しく批判をしたり、貯蓄から投資へのシフトが進まない現状に対して意見を述べるなど、利用者目線での対応も多く見受けられます。

異例の3期目となっている森体制。その体制が、仮想通貨業界にどのように影響しているのでしょうか。

仮想通貨業界への対応、そして現在

森長官は、規制監督の長でありながらも、「フィンテック」という新しい金融の流れには、ある程度肯定的立場だと考えられます。

昨年開催されたある講演においても、ブロックチェーン技術に対して自身の仮説を述べております。

仮想通貨産業についても、当初は”産業の育成”を第一に掲げており、上記で述べたような証券会社に対する発言やその他の金融機関と異なり、非常に柔軟な対応を示しました。

しかし、2018年1月26日に発生した、日本最大手の取引所である「コインチェック」社の580億円相当のNEM流出事件を受けて、状況は一変します。

同社の資金流出事件が社会問題となり、金融庁の監督責任や利用者保護の観点からも規制を進めざるを得ず、仮想通貨交換事業登録業者、みなし業者に対する緊急の立ち入り検査、及び業務改善命令(業務停止命令)などの重い行政処分を立て続けに実施。

この件で、登録業者をはじめとする交換事業者の管理体制の不備やセキュリティ対策の甘さなどが指摘・糾弾され、メディア等でも多くの厳しい論調が続き、結果的に仮想通貨事業に対しての対応が後手に回ったとして、金融庁にも批判の矛先が向かう形となりました。

他にも、スルガ銀行によるシェアハウス向けの不正融資問題等を受けて、金融庁の森体制は苦境に立たされていると言えるでしょう。

森長官の4期目はあり得るのか(今後について)

上記のような状況や、今まで金融庁長官を4期務めた方はいないことから(3期を務めた方は、他に2人いる)、今夏で森金融庁長官の勇退が見込まれており、メディア等では次の金融庁長官人事について様々な憶測が流れております。

仮想通貨業界の方々は、規制監督庁である金融庁に対して、嫌悪感をもたれる方も少なくないと思われますが、森長官は仮想通貨産業の発展に肯定的な姿勢も見せ、貢献した人物と評する事もできるため、森長官の交代は仮想通貨業界にとって一つの転換期となる可能性が高いと考えられます。

現在の世論は、ハッキング事件などを受けて仮想通貨に対して批判的な論調が台頭しているほか、金融庁の研究会等でもやはり厳しい意見を中心に議論が交わされており、ブロックチェーン産業の急発展や国際的なルール整備が前向きに進む一方で、日本の仮想通貨業界には逆風が吹いていると言えるでしょう。

新しい長官での体制下では、金融庁の方針が変わり、規制強化にますます傾倒する可能性も否めません。

この夏、金融庁長官の人事が仮想通貨業界に一定以上の影響を及ぼす可能性を鑑みつつ、新たに就任された方が「仮想通貨に対する発言などから、どのようなスタンスを見せる」のか、(規制強化が仮想通貨業界の健全な発展に寄与することを願いつつ)しっかりとチェックしていく必要があると思われます。

CoinPostの関連記事

G20の合意で韓国が政策軟化へ|金融資産として認める方針
G20が仮想通貨を「金融資産」として認めることに同意したことを受け、韓国もこれまでの各政策を軟化させる方針。G20は各国に対し、仮想通貨業界におけるグローバルスタンダードとなる「統一された規制」の提言提出期限を7月までに定めている。
第3回金融庁研究会:発行主体・中央管理者が存在する通貨への規制提言など論点まとめ
仮想通貨やブロックチェーンにはどんなリスクがあるのか、仮想通貨交換業者に対する規制枠組みのあるべき姿について話し合われたほか、ウォレットの議論に関する提言や、発行主体及び中央管理者が存在する通貨への規制提言なども議論されました。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/08 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、個人マイナーのBTC採掘成功や企業のETH・XRP・SOL購入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1450万円まで下落、米雇用統計とCPI発表を前に底値模索|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏の週次分析。ビットコインは米中関係悪化とトランプ・マスク対立により1500万円から1450万円まで下落。来週のCPI発表次第では10万ドル試す可能性。STH平均取得単価97,000ドル周辺がサポートと予想。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金持ち父さん著者キヨサキの株式市場暴落予測に高い関心
今週は、トム・リー氏によるビットコイン価格予測、企業による仮想通貨採用状況、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏による株式市場暴落予測に関するニュースが最も関心を集めた。
06/07 土曜日
13:25
ドイツ銀行、独自ステーブルコイン発行やトークン化預金を検討=報道
ドイツ銀行が独自ステーブルコイン発行とトークン化預金を検討中だ。カストディ企業トーラスとの提携やPartior出資などでもデジタル資産分野に進出を始めている。
11:20
9ヶ月で約1400億円の収益、トランプ大統領 仮想通貨事業で純資産56億ドルに=フォーブス報道
Forbes誌がトランプ大統領の仮想通貨資産を分析。ミームコイン「TRUMP」とWorld Liberty Financialで約10億ドルを獲得し純資産56億ドルに。
10:20
シンガポール金融管理局、仮想通貨企業の新規制ルールを明確化 混乱受けて
シンガポール当局が仮想通貨企業向け新規制の適用範囲を明確化した。海外のみにサービス提供する事業者は7月よりライセンス必須となる。ルール対象外となるトークンも挙げた。
09:00
モバイルゲームFIFA Rivals、6月12日リリース決定 アディダスと提携でNFT導入
アディダスと契約 ブロックチェーン技術を活用したモバイルサッカーゲーム「FIFA Rivals」が6月12日にiOSとAndroid向けにリリースされると、開発元のMythic…
08:25
ミームコイン発行のPump.fun、10億ドルトークン販売で収益共有制度導入か=報道
ミームコインプラットフォームPump.funが10億ドル規模のPUMPトークン販売を計画。プロトコル収益の一部をトークン保有者に還元する買い戻し制度を検討中。累計収益は6.77億ドル。
07:40
日本政府、資金決済法改正で仮想通貨仲介業を新設へ
仮想通貨規制を盛り込んだ改正資金決済法が参議院本会議で可決して成立。仮想通貨仲介業の新設や顧客資産の保全強化策などを盛り込んでいる。
07:20
取引所GeminiがIPO申請、仮想通貨企業の株式公開ラッシュ加速
ビットコインOGのウィンクルボス兄弟が創設した仮想通貨取引所GeminiがSECにIPO草案を提出。Circle上場に続き、米仮想通貨企業の株式公開ラッシュが加速。
07:02
イーロン・マスクのX、Polymarketと提携 仮想通貨予測市場に本格参入
イーロン・マスク氏のXがPolymarketと公式パートナーシップを締結。AI「Grok」を活用した仮想通貨予測市場サービスで、リアルタイム情報分析を数百万ユーザーに提供へ。
06:45
マイケル・セイラーのストラテジー社が新優先株発行、約10億ドル調達でビットコイン購入資金確保へ
ストラテジー社が10%配当の永続優先株STRDで約9.8億ドルを調達。ビットコイン追加購入と事業運転資金に充当予定で、6月10日に取引完了。
06:05
Circle株価30%続伸、アップルやグーグルもステーブルコイン導入検討=報道
Apple、Google、X、Airbnbが仮想通貨企業とステーブルコイン統合協議を開始。国際送金コスト削減目的でIT大手各社の仮想通貨採用が本格化へ。サークルの株価はニュースを受けてさらに高騰した。
05:50
エリック・トランプ主導でTRUMPミームコイン取得加速 WLFIが統合
World Liberty FinancialがTRUMPトークンの大規模ポジション取得を発表。Fight Fight Fight社のウォレット開発中止により、トランプファミリーの仮想通貨事業統合に新たな進展。
06/06 金曜日
18:21
メタプラネット、ビットコイン保有計画で26倍超の上方修正 21万BTCの保有目指す
メタプラネットが日本の資本市場史上最大級となる7,674億円の新株予約権発行を決議した。「555ミリオンプラン」により、ビットコイン保有目標を従来の2万BTCから21万BTCへ26倍超に上方修正。アジアを代表する仮想通貨ビットコイントレジャリー企業としての地位確立を図る。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧