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ビットコインと米株市場の相関係数0.35まで上昇、主要金融資産の年間騰落率は3年連続首位に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

5日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比-1.6%の536万円(46,220ドル)で推移している。

BTC/USD日足

引き続きレンジ内を推移するが、上値の重さが目立つ。昨年12月の安値42,330ドルの二番底を試したとしても、強い反発が見込めなければ出来高減少でジリ貧となるおそれもある。その場合、昨年5月〜7月に揉み合った1段下のレンジ下限の3万ドル前後も見えてくるため注意したい。

テクニカルアナリストのAlex Krüger氏は、暗号資産(仮想通貨)市場の傾向として「First Week of The Year Effect」を提唱した。年明けの初週は上昇傾向にあるとするアノマリーで、2018年以降これが続いている。

年末年始の薄商いを見越した手仕舞いや納税換金売りなどでポジションを閉じていた投資家の買い戻し需要などが考えられる。2021年には+36%の上昇を見せたが、これは20年12月に過去最高値を3年ぶりに更新した事による相場のモメンタムと、米国の景気刺激策の影響も加味する必要がありそうだ。

一方、Alex Krüger氏は目先の警戒要因として、12日に発表予定のCPI(消費者物価指数)がマーケットコンセンサスを上回った場合、26日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、リスクオフに陥る可能性があるとした。

インフレ率を示すCPIは昨年12月、1982年6月以来のインフレ水準となる前年比+6.8%に達した。実体経済に影響を及ぼす物価高の高止まりを背景に、米連邦準備理事会(FRB)はテーパリング(量的緩和縮小)の加速を決定した。

出典:米労働省労働統計局(21年11月)

前例のない規模の金融緩和によって経済下支えを図る反面、行き場を失った過剰流動性は、株や暗号資産(仮想通貨)などのリスク資産にも流れ込んできた。テーパリング(金融引き締め)によって、資金抜けの影響が懸念される。

そのような状況において、ビットコイン(BTC)価格と米主要株価指数「S&P500」の相関係数は、21年6月以降上昇傾向にある。2022年1月3日時点で「0.35」に達した。

過去1年間の相関係数(CoinMetrics)

相関係数は、類似性の度合いを示す統計学的指標。1.0は完全相関、マイナスの値は逆相関を示す。

CoinMetricsのデータによると、ビットコインバブルが崩壊した2018年には-0.22まで低下していたが、2020年3月のコロナ・ショックでは、現金化需要が急速に高まりリスクアセット全般が売り込まれたこともあり、相関係数0.4まで上昇している。

下図にもある通り、21年7月には相関係数0.07まで低下しており、年間を通して常に連動しているわけではない。2020年以前は逆相関(無相関)状態で独立して推移したことも少なくない。

2015年以降の相関係数(Coin Metrics)

ただ昨今では、新型コロナウイルスの変異種オミクロン感染拡大初期に動揺した米株式市場の急落に連れ安する場面も多く見られるなど、マーケットの急なリスクオフ局面では同様の傾向も散見され、米NYダウ連動で主体性を失った時期にはダウコインなどと揶揄されることもあった。

機関投資家の資金流入が加速してボラティリティ(価格変動性)が下がり、金に替わるオルタナティブ資産としてインフレヘッジ需要を生み出すなど新しい資産クラスとして市場規模を急拡大する反面、これまでより伝統金融市場の影響を受けやすくなってきたようにも見受けられる。

関連:ゴールドマン・サックス、ビットコイン価格を予測

年間騰落率は

2021年、ビットコイン(BTC)価格は+66%上昇し、3年連続で全ての主要金融商品のリターンを上回った。 Compound CapitalのCharlie Bilello(@charliebilello)氏が言及した。

2020年には+301%、2019年には+95%の上昇を記録している。

2021年騰落率では、金やプラチナなどの貴金属、原油などのエネルギー、農作物などの先物取引価格で構成される「コモディティ指数」の+41.4%、米不動産投資信託「REIT(リート)」の+40.5%を上回った。

なお、「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年は、ビットコイン(BTC)騰落率は+1331%、バブル崩壊した翌2018年は-73%と反動安となった。

過去の相場について、Charlie Bilello氏は、暗号資産(仮想通貨)の全体時価総額について、以下のようにまとめた。

いかに驚異的な速度で資金が流れ込んで来ているかを如実に示したデータと言えるだろう。

  • 2013年:106億ドル
  • 2014年:55億ドル
  • 2015年:70億ドル
  • 2016年:175億ドル
  • 2017年:59​​00億ドル
  • 2018年:1280億ドル
  • 2019年:1900億ドル
  • 2020年:7680億ドル
  • 2021年:2.26兆ドル

昨年は、米SEC(証券取引委員会)によるビットコインETF(上場投資信託)の初承認や中米の小国エルサルバドルのビットコイン法定通貨化など歴史的な動きも観測された。ビットコインのジェネシスブロック誕生から早13年。2022年以降の展望も大きな関心を集めそうだ。

関連:CoinPost仮想通貨ニュース大賞2021

関連:ビットコイン生誕13周年 過去の歴史と軌跡を振り返る

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