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大手ベンチャーキャピタルからの資金流入:高まる仮想通貨業界への関心

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大手VCの仮想通貨・ブロックチェーン事業への投資活動
従来、VCはスタートアップや新興企業の株を中心に投資活動を行なってきました。しかし、テック系VCの多くが昨年ごろから仮想通貨の調査に注力し始めており、法的、経済的な側面からその投資が適切であるかを見極めていたようです。
仮想通貨事業への投資スタンス
米メディアサイトによれば、現在のVCの投資スタンスは大きく4種類に分けられます。積極的なVCでは独自に仮想通貨ファンドを設立するなどの動きが見られますが、依然多くのVCは足踏みを続けています。
日本VCの投資戦略
日本VCの多くも同様にブロックチェーン事業への興味を示しており、ユナイテッド、ジャフコといった代表的な日本VCが先陣を切って積極的な事業投資を進めています。

大手VCの仮想通貨・ブロックチェーン事業への投資活動

昨年度は、多くのVC(ベンチャーキャピタル)が仮想通貨という新しいアセットクラスへ資金投資を行うか否か、模索し続けていました。

これまで、多くの仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトはICOによる資金調達が主流であり、その資金提供の主体は従来のVCではなく一般投資家であることが特徴的でした。

VCは従来スタートアップや新興企業の株を中心に投資活動を行なってきましたが、ビットコインやイーサリアムはともかく、その他の有望な仮想通貨やその他関連事業への投資は基本的に行われてきませんでした。

しかし、テック系VCの多くが昨年ごろから仮想通貨の調査に注力し始めており、法的、経済的な側面からその投資が適切であるかを見極めていたようです。

彼らは、仮想通貨の魅力的なボラリティリティを利用した短期的な収益を目的としているわけではなく、その基盤となるブロックチェーン技術への興味が優っているものと思われます。

すでに様々な大手VCが仮想通貨・ブロックチェーン事業への投資参入を始めており、今まで一般投資家が主体であった資金調達にも、VCの莫大な資金力による流入が今後ますます増加していくことでしょう。

仮想通貨事業への投資スタンス

米メディアサイトのRecodeは、いくつかのトップVCが実践する仮想通貨・ブロックチェーン事業への戦略を4要素に分解し、それぞれの戦略の利点・欠点を説明しています。

積極的な直接投資

ファンドの資金から有望な事業へ直接投資を行う、最もシンプルな方法です。

例えば、大手VCの一つであるLightspeed Venture Partners社は、自社ファンドから積極的にプロジェクトへ投資を行っています。

しかし、資金調達の大きなシェアを特定のVCが占めることにより、ブロックチェーンプロジェクトの本質である分散性・柔軟性が損なわれてしまうといった懸念もあります。

社内に仮想通貨専用ファンドを設立

二つ目は、仮想通貨プロジェクトへ投資する資金ファンドを別途作成してプールする戦略です。

大手VCとして知られるAndreesen Horowitz社などが、自社の持つ一定の資金を仮想通貨ファンドとしてプールしていることが知られています。

この方法により、仮想通貨事業への投資に注力する投資家グループをVC内で構成することができ、投資先の集中と選択を図ることができます。

仮想通貨ファンドへの投資

ニューヨークの著名なVCであるUnion Square Ventures社は自社の資金をプロジェクトに直接投資する代わりに、他社の仮想通貨ファンド自体に投資を行うことで、間接的に仮想通貨事業への投資を行っています。

現在、同社は6つのトークンファンドへ投資していることを明らかにしています。

この戦略では、VC内に仮想通貨ファンドのような部門を設立しませんが、時間や人的資源を消費することなく新規プロジェクトにコミットできることが利点であると考えられます。

現状維持 – 安全なプロジェクトにのみ注力

多くのVCが仮想通貨の保有、ICO投資の合法性を確立するため、顧問弁護士らと相談して規約の変更を行っています。

これらの変更によってVCはフレキシブルな投資を行えるようになりましたが、多くのVCの実質的な投資先は堅実なプロジェクト、例えばビットコインやイーサリアム、大手取引所のCoinbaseなどに留められています。

この堅実な戦略では、大きなリターンを狙うことはできないものの、仮想通貨業界が斜陽産業となった場合のリスクを最小限に留めることができるでしょう。

日本VCの投資戦略

上記で述べた動きは、国外だけでなく日本のVCでも盛んに見られています。

例えば、メルカリ、gumi、メタップスなど上場を遂げたITスタートアップへの投資を行なっているVCのユナイテッドは、仮想通貨事業への参入に向け、子会社として「コイネージ株式会社」を昨年10月に設立しています。

同じく日本のVCであるジャフコは、過去にテックビューロ、QUOINEといった日本発の仮想通貨取引所への投資を行っています。

多くのIT、金融企業が仮想通貨事業への参入を狙っている2018年、VCによる莫大な資金流入を契機として仮想通貨・ブロックチェーン事業が後押しされる事になるかもしれません。

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