CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨テザーによる価格操作疑惑を指摘した報道に対し、米仮想通貨取引所クラーケンが真っ向から反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザーの価格操作疑惑を否定
ブルームバーグが6月29日に公開した、米仮想通貨取引所クラーケンにおけるTether(USDT)に価格操作の疑いがあるとの指摘に対し、クラーケン側は「その意見は、市場の基礎概念である裁定取引、注文板、ペッグ通貨を理解していない」と反論した。
Tether(USDT)とは
性質上、仮想通貨売買における基軸通貨の一つとして扱われている。米ドル(USD)や日本円(JPY)等の法定通貨と連動した価値を持っており、基本的に「1USDT≒1USD」の図式が崩れることはない。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ブルームバーグの指摘内容

Bloombergは6月29日、アメリカの仮想通貨取引所クラーケンにおける仮想通貨Tether(USDT)に価格操作の疑いがあることを示唆する記事を公開しました。

仮想通貨USDTは、テザー社によって発行されており、ユーザーがテザー社に法定通貨を預けると同価値のUSDTが発行され、ユーザーがテザー社から法定通貨を引き出す際は、その引き出した額と同等のUSDTが消失する仕組みとなっているため、基本的には発行されている全USDTは、テザー社が所有する法定通貨によって裏付けられていると定義されています。

これによって、その価格も1USD≒1USDTと米ドル同等の価値を持ち、他の通貨と価値を連動させているペッグ通貨として知られていますが、この裏付け資金に対する疑惑が絶えない状況下にあります。

Bloombergの記事によると、5月1日から6月22日における56,000USDTもの取引を分析した結果、以下の点に注目。

  • 瞬間的に異常な取引量が発生している点
  • 大口取引による価格変動が少ない点
  • 小口取引による価格変動の方が大きい点
  • 一般的にあまり目にしない”少数点以下5桁の取引”が散見された点
「既存金融の市場動向や他の仮想通貨と比較しても異質であり、不正売買が行われているのではないか」

と指摘していました。

さらに、連邦準備制度の前規制官であるMark Williams氏、ニューヨーク大学助教授のRosa M. Abrantes-Metz氏も、「取引所クラーケンにおける、USDTのような価格変動は、これまでに目にしたことがない」と同調したことも、言い分の信憑性を高める一要因となっています。

取引所クラーケンの反論

これを受けて、仮想通貨取引所クラーケンは7月1日、「ブルームバーグの記事は、市場の基礎概念である裁定取引、注文板、ペッグ通貨を理解していない」とする反論を公式ブログにて公開しました。

ブログでは、仮想通貨USDTが米ドルに裏付けられているため、ビットコインや、イーサリアム、リップルのような他の仮想通貨と同様のボラティリティを持ち合わせていないことに言及。

その結果、USDTは非常に狭い幅で取引が行われており、注文板において、取引待ち額が売り買い共に100万ドル(約1.1億円)を超えていることから、「大口・小口に関わらず、注文が入っても価格が変動しにくい特性がある」ことを主張しました。

また、仮想通貨USDTは、取引所クラーケン以外にも競合取引所にて多く取引されており、日間総取引量の内、クラーケンが占める割合はわずか0.1%以下であると記述しています。

公式ブログでは、Bloombergに対して証拠が乏しいといったSNS上のコミュニティからの意見も紹介した一方で、情報リテラシーの低い人々が、大手メディアの情報を鵜呑みにしてしまう危険性についても指摘。

最後にクラーケンは、「Bloombergが、2018年第二四半期の最終営業日に、当該記事を投稿した事実の方がよっぽど市場操作ではないか。」と反論しました。

CoinPostの関連記事

テザー財政審査結果『流通量を上回る裏付け資金』と公表|正式な監査は依然として必要
6月20日、テザー社 (Tether Limited) は、ついに第三者による、USDTの米ドルによる裏付けに関する報告書を発表しました。「透明性の最新情報」と題し、テザー社の一連の疑惑に対する弁明と同社の立場を表明した声明の中に含まれています。
テザー(Tether/USDT) チャート・価格・相場・最新ニュース一覧
仮想通貨テザー(Tether/USDT)のチャート・価格・相場や、最新ニュース一覧を掲載しています。また、テザー(Tether/USDT)とは何か、通貨の概要やその詳細も解説しています。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/19 火曜日
19:10
プライバシー保護特化の「Partisia」、仮想通貨MPCがKuCoinなどに新規上場
Partisiaとは、ユーザーのデータライバシーを重視する新型のブロックチェーンで、MPCトークンはPartisiaの報酬トークンとして使用される。広告業やマッチングマーケット、ゲーミング、ヘルスケア、BTCラッピング、DNA研究などの分野で活用される見込みだ。
16:29
世界最大の機関投資家GPIF、ビットコインや金対象の運用資産多様化について情報提供求める=報道
株式市場のクジラとして知られる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、仮想通貨ビットコインや金を含む「低流動性資産」等に関する情報やアイデア募集を開始した。将来的に分散投資・資産運用の一環でポートフォリオにBTCを組み入れる可能性を示唆した。
13:02
ビットコイン1000万円台割り込む、高騰していたアルト急反落にも警戒感
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが続落。日本円建て価格で1000万円台を割り込んだ。イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などアルトコイン相場の方が下げが顕著で警戒感が強まりつつある。
11:35
CZ氏、世界の子どもに向けた「Giggleアカデミー」を立ち上げ
仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOは、世界の子どもに基礎教育を無料で提供するプログラム「Giggle Academy」を立ち上げると発表した。
11:00
アバランチ財団、ミームコイン5種の保有を発表 
アバランチ財団が暗号資産(仮想通貨)AVAXのエコシステム支援のため、Coq InuやTechなど5種類のミームコイン保有を公表。コミュニティ活性化の一環として選ばれた。
10:20
今後ビットコイン現物ETFにさらなる資金流入可能性 CoinShares分析
仮想通貨投資企業CoinSharesのアナリストは、ビットコインには今後数か月の間に需要急増が起こる可能性があるとの見解を述べた。
08:20
ミームコイン熱狂でソラナのGoogle検索数急増、2018年ICOブームに類似との懸念も
次にヒットするミームコインを探すトレーダーや投資家は「BOME」プレセール型ローンチをはじめ、さまざまなプレセール型ミームコインに資金を流入させ、その多くが「出口詐欺」であることが確認されている。
07:15
SCB銀、イーサリアム現物ETF承認の今後の影響を分析
仮想通貨イーサリアムの現物ETF承認なら最初の1年で6兆円超の資金が流入する可能性があると、英大手銀行のスタンダードチャータード銀行が分析。今後のイーサリアムやビットコインの価格予想もしている。
06:20
OKX、欧州でUSDT通貨ペアを廃止 MiCA法準拠で
USDTはOKXやバイナンス、Bybitなど集権型取引所の出来高の根幹となっているためUSDTペアの廃止は取引所の収益に打撃を与えることになる。
05:50
AI・DePIN関連銘柄「Akash」、コインベースに新規上場
半導体大手エヌビディアが今週「NVIDIA GTC AI 2024」を開催することから、思惑買いで先週末にAKTやRender、ワールドコインなどのAI仮想通貨銘柄は一時的に値上がりしたが、その後反落。
03/18 月曜日
19:46
プライバシー保護と相互運用性に特化した「Partisia Blockchain」の魅力とは 専門家が動画解説|WebX STUDIO
企業や自治体からも注目される、秘匿マルチパーティ計算(MPC)を用いてプライバシー保護と相互運用性に特化したPartisia Blockchainとは。コミュニティサポーター「ぐぬぐぬたい」氏がCoinPost YouTube番組「WebX STUDIO」に出演し動画解説を行なった。
15:25
「Web3の未来をリードするのはアジアの国々」Parity Asia製品工学トップが見解示す
ブロックチェーンインフラ企業Parity Technologies Asiaは、日本で昨年開催されたWebX2023実績などを踏まえ、アジア太平洋地域の国々がWeb3の未来を形作る上で主導権を握るとの考えを明らかにした。
12:47
米検察、FTXのサム前CEOに懲役40年以上を求刑
米検察当局は、22年11月に破綻した仮想通貨取引所FTXの前サム・バンクマン=フリードCEOに懲役40年から50年の判決をくだすよう裁判所に要請した。弁護側は緩和を求めている。
12:35
イーサリアム現物ETFが5月までに承認される確率は? 海外アナリスト6名が見解述べる
米各社のアナリストら6名は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム現物ETFが今年5月までに承認される見通しについて議論し見解を述べた。承認の上でのハードルなどについても意見している。
12:31
ビットコイン一時65000ドル割れも反発、ソラナは時価総額4位に浮上
暗号資産(仮想通貨)市場では週末にかけて急落していたビットコインが反発。前週比30%高のソラナ(SOL)はBNBを超え、時価総額4位に浮上した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/22 18:30 ~ 21:00
東京 東京都江東区
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
重要指標
一覧
新着指標
一覧