Vasil(バシル)ハードフォーク
暗号資産(仮想通貨)エイダ(ADA)のブロックチェーンを開発するIOHKは29日、次期ハードフォーク「Vasil(バシル)」の最新のスケジュール感を示した。
Once the changes have taken effect after the start of epoch 215 at 20:20 UTC on 3 July, the #Cardano testnet will start to enjoy the new #Vasil enhancements and capabilities that we’ll soon see on mainnet.
— Input Output (@InputOutputHK) June 28, 2022
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Vasilはカルダノ・ブロックチェーンのスケーリング機能向上を目的としたハードフォーク。当初は6月29日のメインネット実装が予定されていたが、バグの確認のために延期されていた。
IOHKによると、7月4日5:20(日本時間)に始まるエポック215期で、テストネット上でVasilハードフォークが実行される。これはカルダノ・メインネット実装へのカウントダウンを意味する。
テストネット上でのVasil起動後からカルダノ・メインネットでの実行までに、ステーキングプール、プロトコル開発者、取引所サイドの検証作業に最低4週間を要するという。準備完了次第、テストネット同様にメインネットでVasilが起動するエポックが指定される。
次期ハードフォーク「Vasil」では、カルダノ・ブロックチェーンのネットワーク処理性能の大幅な更新、dApp開発者向けのPlutusスマートコントラクト言語の改善、そしてノード間でのブロック伝送効率の向上が期待されている。IOHKは、Vasilがカルダノにとって過去最大かつ最高のアップグレードであると述べている。
ハードフォークとは
主にブロックチェーンのアップグレードを意味する言葉として利用される。前後で互換性を保てない仕様上、プロトコルルールに適応するためにすべてのノードが最新バージョンのソフトウェアにアップグレードする必要がある。
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例えば、「Diffusion pipelining(伝播パイプライン)」の実装により、迅速にブロックを送信できるようになる。ブロック・ヘッダーやメタデータ、前のブロックに紐づくハッシュのみを伝播し、他のデータは次のブロックに含めることでノード間のブロック伝送を改善する。
また、ブロックサイズが拡張されるため、ブロック毎により多くのデータを保存できるようになる。カルダノの関連企業EMURGOは、「最終的にこれらの改善と最適化により、高速でスケーラブルなネットワークが実現する」と説明している。
エイダの大規模アップグレードは、21年9月に実行された「Alonzo」以来。Alonzoでは、カルダノ・メインネットにスマートコントラクト機能が追加され、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などの開発・提供が可能になっていた。
24日付のIOHKの開発レポートによると、1,022のプロジェクトがCardano上に構築されており、NFT(非代替性トークン)のプロジェクト数は5,868に上る。今夏には、分散型アイデンティティ(DID)対応のカルダノ軽量ウォレット「Lace」のリリースが予定されている。
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