はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

MakerDAO、米老舗銀行との共同融資が可決

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

MakerDAOが米銀と共同融資

DeFi(分散型金融)レンディング大手のMakerDAOで、米国の老舗銀行ハンティンドン・バレー・バンク(HVBank)と共同融資事業を開始するために融資枠を設ける提案が可決された。

MakerDAOとは、ステーブルコインDAIを発行するプロトコル及び分散型の統治組織。HVBankとの取り組みは、ガバナンストークンMKRの保有者による投票で87%強の賛成票を得た。

DAIとは

仮想通貨(暗号資産)担保型のステーブルコインで、イーサリアムチェーン上で発行されているERC-20トークン規格。米ドルの価値と連動しており、1DAI≒1ドルを維持するよう設計される。DAIの時価総額は67億ドル(約9,000億円)に上り、ステーブルコイン分野で時価総額4位を誇る(執筆時点)。

▶️仮想通貨用語集

MakerDAOは、伝統金融の金融機関同士が融資を折半するために行う「シンジケートローン」に進出する。まずはHVBankが組成するローンに限定して50%ずつ出資、期待利回りは年率3%に置かれている。

Maker側は米ドル・ステーブルコインDAIの融資枠に当初130億円(1億ドル)を設定し、1年で1,300億円(10億ドル)まで拡大する見通し。所定のブローカーを介してDAIと米ドルが交換され、融資や返済、利息の支払いが行われる。

HVBankは、創業150年、資産規模5億ドルのペンシルバニア州の地域銀行。主に不動産担保に融資するモーゲージを組成している。HVBankはMakerDAOとの連携により、共同ローン事業を拡大していくねらい。

HVBankの幹部と共同で作成された提案書によると、新たにデラウェア州に設置される信託会社「MBPTrust」がHVBankと主契約を締結。HVBankで個別に組成される融資毎に子契約書がMBPTrustに送られ、これを担保にDAIが融資される。

関連:初心者でもわかるDeFiプロジェクト「Maker」とは|特徴や仕組みを解説

実世界の資産(RWA)

Makerにとって、DAIの運用先として現実世界の金融を追加し、規模拡大を図る試みとなる。他のTradFi(伝統金融)事業者との連携も視野にある。

MakerDAOで実資産導入を主導するHugh Ragsdale氏は、米国銀行との提携が、DAIと伝統金融との橋渡しになり、ユースケース拡大につながるとCoinPost提携メディアThe Blockに述べている。

HVBankの提案は、MakerDAOのバランスシートと評判を高めるものだ。Makerは実世界資産の収入を得るために、既成概念にとらわれない、多様で、業者間のソリューションを実現する。

一方で、規制された伝統金融との取引は、MakerDAOにとっても前例のないリスクを伴う。Maker出身者が設立したRWA Company LLCがこのスキームに関するオフチェーンデータを集計し、弁護士、会計士、税理士等とコミュニケーションを代行する。

投票で反対票を投じたDeFi WatchのChris Blec氏はThe Blockに対し、規制リスクについて懸念を示した。

不確実な規制環境下で、第三者との取引がMakerDAOに存亡の危機をもたらすかもしれない。規制当局が銀行に対してDAOとの取引停止命令を出したり、強制的に資金が凍結される場合だって起こりえる。

DAOとは

「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

▶️仮想通貨用語集

DeFi(分散型金融)エコシステムにRWA(実世界資産)を持ち込む動きは、市場拡大に向けたネクストステップとして盛んに検証されている。6月末には、MakerDAOのバランスシート上のステーブルコインから低リスクの利回りを得るため、約650億円(5億DAI)を米国債や社債に投資するプランが投票にかけられ、5日に可決した。

関連:MakerDAO、ステーブルコイン5億ドル相当の裏付け資産で米国債などに投資か

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/01 水曜日
18:59
リミックスポイント、SBIグループ2社と連携強化
リミックスポイントがSBI VCトレードとビットポイントジャパンと包括連携。約1,350BTCを保有する同社のビットコイン取引・保管・運用を一元的にサポートする体制を構築。
18:02
メタプラネット、ビットコイン購入で新資金調達戦略を発表
メタプラネットが新成長戦略「PHASE II」を発表。永久型優先株による資金調達でビットコイン保有を加速し、Bitcoin.jpを軸にプラットフォーム事業も拡充する。
17:53
J-CAM、イオレと暗号資産金融事業で提携 暗号資産の知見とAI技術の融合へ
暗号資産レンディングサービス「BitLending」を運営するJ-CAMが、東証グロース上場のイオレと暗号資産金融事業で戦略的提携を発表。暗号資産の運用知見とAI技術を組み合わせた新プロダクト開発へ。
17:30
メタプラネット、通期予想を上方修正
メタプラネットは2025年12月期通期予想を上方修正。営業益は88%増の470億円に達し、ビットコイン・インカム事業が収益を牽引した。
15:04
大和証券、暗号資産担保ローンの紹介を開始
大和証券は全国の本支店で、Fintertechの暗号資産担保ローン紹介を開始。ビットコインやイーサリアムを担保に円資金を調達可能に。
14:24
自称「IQ276」の投資家、ビットコイン100倍を予測し全財産転換へ
自称世界最高のIQ記録「276」を保持するキム・ヨンフン氏が、ビットコインは10年で100倍に上昇すると予測し、自身の全資産を投入したと発表した。同氏の経歴とその主張の実現可能性を検証する。
13:28
米SEC、株式トークン化規制実現で協議中 証券取引所グループから懸念の中=報道
米証券取引委員会が株式をブロックチェーン上で取引可能にする規制変更を協議中と伝えられる。ナスダックがトークン化証券を申請する一方、証券業界は監督強化を要請している。
11:40
リップル社のデビッド・シュワルツ最高技術責任者が年末退任へ
リップル社のデビッド・シュワルツCTOが2025年末に退任することを発表した。仮想通貨XRP台帳のコーディングに貢献した同氏は、取締役として引き続き関与していく。
11:20
SBI Ripple Asia、東武トップツアーズとの提携を発表
SBI Ripple Asiaは、新たな決済プラットフォームの構築に向け、東武トップツアーズと基本合意書を締結。独自トークンの発行に仮想通貨XRPのブロックチェーンXRPLを使う。
11:17
bitFlyer、後藤真希さん起用の新TV CMを全国放映開始
暗号資産取引所大手のbitFlyerが、歌手・タレントの後藤真希さんを起用した新CM「暗号資産知らなかった篇」を10月1日から全国で放映開始。記念キャンペーンも実施中。
11:10
「テザー社は過去最大の利益企業になる可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、テザー社が過去最大の利益企業になる可能性があると試算。定期公開するメモで今回は仮想通貨が目指す市場規模の大きさについて論じている。
09/30 火曜日
19:30
ビットコインで利回りを狙う|Lombard(ロンバード)・LBTCの始め方
Lombardを通じてビットコインを利回り資産として活用する方法を解説。LBTCの仕組みや始め方に加え、注意点やリスクも整理しました。
19:11
USDHがハイパーリキッドの成長を加速させる理由
USDHはなぜハイパーリキッドを強化するのか?仕組みから収益循環、HYPEへの影響までわかりやすく解説します。
17:14
ハイパーリキッド「Hypurr NFT」エアドロに高い関心、初動のフロアプライス1000万円弱に
暗号資産(仮想通貨)HYPEを発行する分散型取引所ハイパーリキッドのNFTコレクション「Hypurr」が配布され、フロア価格800万円、24時間取引高105億円を記録した。特に希少NFTは最高7000万円で落札するなど反響を呼んだ
16:34
マーチャント・バンカーズ、ビットコイン購入 不動産の暗号資産決済に本格参入
マーチャント・バンカーズが3億円分のビットコインを購入し、FINX JCryptoと協業。不動産決済サービスや暗号資産事業強化へ動き出す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧